事業内容を知る 「子ども第三の居場所」

「地元の魅力発信!アントレ教育プログラム~交流を通して地元の魅力を再発見しよう!~ in中城村」を開催
2025年12月26日

日本財団助成事業

沖縄県中城村の「子ども第三の居場所」中城拠点(B&Gわらびぃくらぶ)にて12月19日(金)~20日(土)、アントレ教育プログラムを開催した。
  本事業は、子どもたちが地元産業や生産者の抱える課題の解決に向けたアイデア創出に取り組むことを通じて、「自ら考え、工夫する力」を育み、将来や仕事について考えるきっかけを提供することを目的としている。

中城の子どもたちが笑顔でにんじんを持っている様子
実施日 2025年12月19日(金)16:00~17:00
2025年12月20日(土)9:00~16:00
場所 沖縄県中城村「子ども第三の居場所」中城拠点 B&Gわらびぃくらぶ
参加者 B&Gわらびぃくらぶを利用する小学生~中学生
参加人数 1日目:16人
2日目:11人
実施内容 ・地元の生産者による郷土教育
(中城村産業振興課 山城氏)
・創出体験ワークショップ
(中城村の島にんじんを使った新商品を考えよう)

初めに、主催者挨拶でB&G財団理事長 菅原悟志は、「今回参加する子どもたちには、中城村の魅力をより深く理解し、特産の島にんじんを全国に広めるアイデアを考えてほしい」と子どもたちへ期待を込めたメッセージを送った。

アントレってなぁに?クイズ

アントレ教育プログラムの目的を理解するため、「アントレってなぁに?クイズ」を実施した。2日間のプログラムを通じて、勇気をもってチャレンジすることや、思うようにいかなかった場合でも前向きに次へ進む姿勢、仲間と協力しながらアイデアを生み出すことの大切さを、子どもたちに伝えた。

地元について学ぼう!島にんじんのおはなし
(中城村産業振興課 山城氏)

1日目のメインプログラムは、中城村産業振興課の山城氏による島にんじんのおはなし。中城村の名産品である島にんじんの歴史や農家の取り組み、現在抱えている課題などについて説明があり、子どもたちは地元名産品への理解を深めた。
  300年以上の歴史を持つ島にんじんは、眼精疲労の回復や身体を温める効果があるとされ、薬膳料理「命薬(ぬちぐすい)」として古くから重宝されてきた。また、2024年には、その独自性が評価され、「地理的表示(GI)保護制度」に登録されている。さらに、12月12日の「中城村島にんじんの日」から31日までを「島にんじんウィーク」と定め、飲食店でのオリジナルメニュー提供や収穫体験など、さまざまな取り組みが行われている。今回のアントレ教育プログラムは、この「島にんじんウィーク」の期間中での実施となった。

島にんじん収穫体験

 2日目の午前中は、中城村産業振興課の協力のもと、島にんじんの収穫から洗浄、袋詰めまでの一連の作業を体験し、出荷に至るまでの工程を学んだ。当日はあいにくの雨模様となったが、子どもたちは山城氏のレクチャーを受けながら懸命に土を掘り、かごいっぱいに島にんじんを収穫した。
  洗浄体験では、手洗いと洗浄機の両方を行い、作業の大変さと機械の利便性を、身をもって体験した。採れたての島にんじんを味わった子どもたちからは、「おいしい」「あまい」といった声が聞かれ、苦手意識のあった子どもが挑戦する姿も見られた。 袋詰め体験では、水気を取り除きながら、長さや重さのバランスを考えて丁寧に作業を行った。子どもたちは一連の体験を通じて、農家の仕事の楽しさと大変さを実感し、新たな発見や挑戦に心を躍らせている様子がうかがえた。

雨の中、頑張って収穫

雨の中、頑張って収穫

  • 手洗いできれいに

    手洗いできれいに

  •  
											機械を使うとあっという間

    機械を使うとあっという間

  • 乾燥させるために、床一面に並べていく

    乾燥させるために、床一面に並べていく

  •  
											袋詰めはバランスを考えるのがコツ

    袋詰めはバランスを考えるのがコツ

ワークショップ「島にんじんを使った新商品を考えよう」

2日目の午後からは、ワークショップ「島にんじんを使った新商品を考えよう」を実施。まずは、1日目の山城氏のおはなしをクイズ形式で振り返り、変色や収穫時の傷により商品にならない島にんじんがあることや、島にんじんを提供する飲食店が限られているといった課題を改めて確認した。
  そして、「島にんじんと○○を足し算してみる」という発想方法をヒントに、これらの課題解決につながる新商品づくりに挑戦した。子どもたちは柔軟な発想力で、ユニークな個性あふれる商品を次々と生み出した。最後には各チームのイチオシ商品を選び、全員の前で発表を行った。

まとめ

プログラムの最後には、2日間にわたり協力いただいた中城村産業振興課の山城氏と、B&G財団の菅原理事長から感想が寄せられた。子どもたちが主体的に学び、意欲的に取り組む姿に触れ、今後の成長への期待と応援の言葉が贈られた。最後には、菅原理事長から子どもたちへクリスマスプレゼントが手渡され、思い出に残る温かな締めくくりとなった。

終了後には、子どもたちから「島にんじんは日光にあたるとすぐに変色してしまうことに驚いた」「新商品を考えるのが難しかったけど頑張った」といった感想が寄せられた。
  2025年度冬期のアントレ教育プログラムは、中城村に加え、滋賀県高島市および千葉県横芝光町でも実施を予定している。各拠点で生まれたワークショップの成果は、2月に開催予定のオンライン交流発表会にて披露する予定である。

家庭環境や経済的理由などさまざまな事情により、家で過ごすことが困難な子どもたちが、放課後から 夜間までの時間を過ごすことができる拠点として整備を進めている「子ども第三の居場所」は、2025年11月現在、全国264ヵ所に設置。B&G財団では、今後も様々な課題を抱える全国の子どもたちの居場所づくりに関する支援を実施していく。

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