子ども第三の居場所事業 子どもゆめ基金
岡山県美咲町の「子ども第三の居場所」美咲拠点(みさキッズあさひ)にて8月5日(火)、アントレ教育プログラムを開催した。
本事業は、子どもたちが地元産業や生産者の抱える課題の解決に向けたアイデア創出に取り組むことを通じて、「自ら考え、工夫する力」を育み、将来や仕事について考えるきっかけを提供することを目的に、「子どもゆめ基金」の助成事業として実施した。
実施日 | 2025年8月5日(火)10:30~16:30 |
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場所 | 岡山県美咲町「子ども第三の居場所」美咲拠点 みさキッズあさひ |
参加者 | みさキッズあさひを利用する小学生~中学生 |
参加人数 | 11人 |
実施内容 | ・地元の企業・生産者による郷土教育 (有限会社丸美屋) ・創出体験ワークショップ (美咲町の魅力を伝えるオリジナルTシャツをデザインしよう) |
地元で活躍している方のお話を聞こう①
(有限会社丸美屋)
午前中は、美咲町の有限会社丸美屋の黒瀬社長が、洋服の製作から販売までの流れや地元アパレル業の仕事について講話を行った。
明治24年創業の丸美屋は県内に店舗を展開し、現在はものづくりにも注力。黒瀬社長は「岡山の素材で自社製品を作りたい」と語り、縫製から販売まで地域内で完結させ、地元活性化を目指す姿勢を子どもたちに伝えた。
この講話は子どもたちに地域産業の魅力や可能性を実感させるとともに、将来のキャリアを考える上で貴重な学びとなった。
地元で活躍している方のお話を聞こう
②
(美咲町 産業観光課)
午後は、美咲町産業観光課の赤堀氏から、子どもたちに向けて美咲町の農業や観光資源についての講話を行った。
美咲町は坑道農業が盛んであることから、黄ニラの栽培が行われていることや、ぶどうの生産規模と販売額が岡山県内でも上位を占め、主要産地として位置づけられている。
また、中山間地域に位置していることから「棚田」の美しい景観が広がり、四季折々の自然の魅力が楽しめること、さらには町内にある観光スポットについても紹介していただき、子どもたちは改めて自分たちの住む町の魅力に気づく機会となった。
ワークショップ
「美咲町の魅力を伝えるオリジナルTシャツをデザインしよう」
午後からは、ワークショップ「美咲町の魅力を伝えるオリジナルTシャツをデザインしよう」を実施。
午前中に学んだアパレル事業や、美咲町の農業・観光資源に関する講話を踏まえ、子どもたちにはアパレル会社を立ち上げてもらい、自社の看板商品となるTシャツのデザイン作成に取り組んだ。
「自分の家から見える風景」や「名産品をモチーフにしたオリジナルキャラクター」など、自由な発想で描かれたデザインは、どれも個性豊かで、子どもたちの創造力が光る作品となった。
発表の練習をしよう
ワークショップの締めくくりとして、子どもたちが設立した会社ごとに、デザインのテーマや内容、アピールポイントなどを発表した。
「人前で話すのが苦手」と話していた子も、自分のアイデアを伝えようと勇気を出して発表に挑み、設立した会社の企業理念やメンバー紹介、Tシャツで表現した美咲町の魅力について、みんなの前でしっかりと思いを届けることができた。
事業実施後、子どもたちからは「みんなで協力して意見をまとめられたことがよかった」「自分から意見や考えを持つことの大切さに気づいた」といった感想が寄せられた。
本プログラムは、美咲町のほか、岡山県の鏡野町・新庄村でも実施し、3拠点それぞれのワークショップで生まれた成果は、9月に開催予定の交流発表会にて子どもたちが発表する予定である。