事業内容を知る 「子ども第三の居場所」
B&G財団では、子どもたちが安心して過ごせる居場所「子ども第三の居場所」の設置自治体を募集しています。
先月、子ども第三の居場所について理解を深めてもらうため、埼玉県嵐山拠点、長野県大町拠点、岡山県奈義拠点の3ヵ所で「拠点見学会」を開催し、延べ23自治体54人の自治体担当者が参加しました。拠点マネージャーや担当者から、導入の経緯や運営方法、成果などについて説明を行い、参加者は熱心に耳を傾けていました。
嵐山町拠点見学会
10月19日に行われた見学会には、埼玉県内の7自治体13人が参加しました。運営開始から4年目を迎え、今年度からB&G財団からの助成期間が終了し、町で予算を編成して運営を継続しています。嵐山拠点は、保護者も子どもも安心して過ごせる子育ての拠点として地域に根付いた活動を行っています。
はじめに、拠点マネージャーの三神さんが「私も困ったり、わからなかったことがあったら全国各地の拠点スタッフに聞いています。皆さんも何かあったらどんどん聞いてください」と笑顔で挨拶。続いて、嵐山町福祉課の前田さんが拠点運営の現状や成果を説明した後、保護者の方から、拠点に通うようになって変わった子どもの様子について話を聞きました。参加者は「運営者だけでなく、保護者からの話も聞くことができてたいへん参考になった」と話していました。
大町拠点見学会
10月21日に行われた大町拠点の見学会には、9自治体23人が参加。大町拠点は運営4年目を迎え、今年度から「支援対象児等見守り強化事業」などの補助金を活用しながら継続運営しています。
大町拠点は2階建の一軒家で、延べ床面積は約205㎡あり、拠点の中でも大型の施設で、食事エリア・学習エリア・テレビ視聴エリア・フリースペースなど、利用目的ごとに諸室を分け、子どもたちの基本的生活習慣の育成に力を入れています。
拠点の概要や成果の説明した後、拠点マネージャーの甘利さんから、壁に設置されたボルダリングウォールや卓球台に変えられるテーブルなど、遊び心溢れる施設の紹介があり、参加者は、興味深く見学していました。
奈義拠点見学会
合計特殊出生率2.95、子だくさんの町として注目されている岡山県奈義町。10月25日に行われた拠点見学会には、県内はじめ鳥取県から8自治体18人が参加しました。
2020年10月にオープンした奈義拠点は、保育園だった施設を改修し、保護者が語らい、交流できるカフェや、乳幼児とお母さんが遊べるキッズスペースがあり、地域の子育て拠点になっています。
保育士の資格を持つ、拠点マネージャーの立石さんは、月に一度、夜に保護者が集まって悩みを語る茶話会を実施すると話し、「悩みを話すだけでもすっきりして表情が変わります。保護者との語らいから生まれるプログラムもあります」と保護者支援の事例を紹介。保健師で自治体担当者の貝原さんからは、関係部署との連携方法について説明がありました。
質疑応答では、子どもの集め方や活動の周知方法、運営費などについて、多くの質問が寄せられました。参加者は「実際の運営がイメージできた」「いろいろな課題を相談できて良かった」「良いアドバイスを聞くことができた」と話していました。
どの会場も予定時間を過ぎても質問が終わることはなく、参加した自治体担当者の熱意を感じる見学会となりました。
子ども第三の居場所の設置自治体を募集しています。ぜひ、お気軽にB&G財団 企画課(TEL:03-6402-5311 mail:kikaku@bgf.or.jp)までお問合せください。ご応募をお待ちしております。
家庭環境や経済的理由などさまざまな事情により、家で過ごすことが困難な子どもたちが、放課後から夜間までの時間を過ごすことができる拠点として整備を進めている「子ども第三の居場所」。2025年度までに全国500ヵ所の設置を目指します。