事業内容を知る 「子ども第三の居場所」

兵庫県養父市で「子ども第三の居場所」協定書調印式を実施
2023.08.18 UP

日本財団助成事業

B&G財団は、8月8日、養父市役所において「協定書調印式」を実施しました。同市では、「子ども第三の居場所」事業にて整備した「養父市ほっとステーション(愛称:kukuna)」が完成し、6月より運営を開始しています。同市に対して、開設費及び3年間の拠点運営費合わせて事業費上限7,880万円を支援する予定です。

子育て支援に積極的な明石市に拠点を置く子ども第三の居場所「あかしフリースペース☆トロッコ」

  • 協定書調印 記念撮影

    協定書調印 記念撮影

  • 調印の様子

    調印の様子

  • 拠点概要説明

    拠点概要説明

田んぼの隣にたたずむ「みんながほっとできる場所」

養父市は、兵庫県の北部、但馬地方にある人口約2万人の自治体。ここ養父市に誕生した「養父市ほっとステーション(愛称:kukuna)」(以下、養父市拠点)は、田んぼの隣に佇む平屋建てのお家。拠点の窓からは、緩やかな線を描く山々をバックに、美しい稲穂が輝く田んぼを目の前に眺めることができます。愛称である「kukuna」は、ハワイ語で「差し込む太陽の光、木漏れ日」などの意味があります。文字通り、室内は自然光が優しく差し込み、明るい雰囲気に満ちた施設になっています。

  • 真夏の太陽をあびて青々とみのる稲穂。その後ろには拠点があります

    真夏の太陽をあびて青々とみのる稲穂。その後ろには拠点があります

  • 拠点の窓からは四季の一部を感じることができます

    拠点の窓からは四季の一部を感じることができます

養父市拠点は、様々な悩みを持つ子どもたちの相談や学校生活に関して、子どもや保護者の方々の相談に応じるだけでなく、学習習慣の形成及び生活習慣の改善、美術や工作などを中心とした子供向けの体験教室などを開催しています。拠点屋内には、子どもたちの工作や絵画が並んでおり、大変アットホームな雰囲気を持つ居場所です。式典当日も、夏休み中の子どもたちが訪れており、スタッフに見守られながら、塗り絵やお絵描きをしている姿がありました。

  • 施設の内部

    施設の内部

  • 子どもたちが作った工作

    子どもたちが作った工作

  • 自由に工作できる道具が揃う

    自由に工作できる道具が揃う

養父市拠点の特徴は、充実した学習プログラムと教育支援にあります。学校での勉学のサポートだけにとどまらず、土曜日には工作などの芸術分野に特化した教室を大学生が講師となり指導したり、慶応義塾大学と連携したデジタル機器を活用した教室を実施したり、まずは子どもの学びたい・やってみたい意欲をかきたて、それぞれの子どもが持つ多彩な才能を発掘して育てる土壌があります。その取り組みの神髄には、広瀬市長をはじめとする自治体執行部の教育に関する考え方や想いが深く関わっています。

人とのつながりが処方箋になる

「“今”の時代を生きることに、不安や厳しさを抱える人たちが多いのではないかと思う。そのような人たちに向けて、市をあげて全力で手を差し伸べていきたい」
広瀬市長は式典冒頭のあいさつにて、そのように話されました。市長は、子育て支援・子どもへの教育などを、まちづくりの大切な柱として掲げているとのこと。

広瀬市長

広瀬市長

「学校になじめない子どもや家庭環境に課題や悩みを抱える子どもたちは、年々増えてきている強く感じている。核家族化など、時代の変化がそのような現実を作っていると思うが、だからこそ支援を強化していく必要がある。
そのためには、子どもたちが安心して過ごし、居心地の良い環境を作るとともに、一人一人の個性にあった教育を提供して、子どもが誰一人取り残されない社会を作ることこそ重要ではないか。そして、地域の高齢者や大学生との交流が「相互成長」を導き、人と人との絆を深める。人々とのつながりが処方箋になって、それぞれの成長や社会(学校)復帰も後押し出来ればいい。」

本事業の様々な状況にある子どもたちを支援するという目的を、市が掲げる施策と、市長が自ら抱く理念とを照らしあわせ、子どもの未来のためにチャレンジし続ける養父市。設置から運営まで、市としてのバックアップを重層的に構築し、いつまでも愛される拠点づくりを目指しています。

「歳を重ねるってこういうことなんだ」、相互交流だから感じることができる

市長の熱い想いに答えるように、現場の連携構築を進めてきた教育長や現場担当者たち。
「大人との関わりを通して、子どもだけでなく地域までも巻き込み、それぞれの良いことが流れでるような、そんな拠点になってほしい。」
「そして、子どもたちが拠点に来るだけでなく、地域に出向いて色々なことを感じてほしい。」
「あ、歳をとるってこういうことなんだ、と、自ら感じて学ぶことが、とても尊い経験になると思う。」

拠点マネージャー森本氏(左)と米田教育長(右)

拠点マネージャー森本氏(左)と米田教育長(右)

市長が目指すビジョンを読み取り、「絆」「相互成長」を具現化させて、即座に現場や活動に落とし込む教育長の姿がありました。

運営に関するお話をお聞きすると、全ての「つながり」を意識したプログラムの開発を行うとともに、子どもと関わる大人サイドへも意識を向けて相互交流が図れる拠点づくりを目指していることがうかがえました。
養父市拠点では、集落の自治協議会へ連携を依頼したところ、快く受けて下さったとのこと。今後の拠点がますます多世代交流の場としても活用されていくことを願うばかりです。

家庭環境や経済的理由などさまざまな事情により、家で過ごすことが困難な子どもたちが、放課後から夜間までの時間を過ごすことができる拠点として整備を進めている「子ども第三の居場所」。現在、全国177か所に設置され、全国への更なる開設を目指します。

B&G財団は、引き続き子ども第三の居場所の設置自治体を募集しています。ぜひ、お気軽にB&G財団 地方創生部 子ども支援課(TEL:03-6402-5311 mail:kodomo@bgf.or.jpまでお問合せください。ご応募をお待ちしております。

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