子ども第三の居場所事業 子どもゆめ基金
3月15日、16日の2日間、子ども第三の居場所に通う児童生徒等を対象に、「地域の魅力再発見!アントレ教育プログラム@杵築」を子ども第三の居場所「b&gきつき」で開催。
本事業は、子どもたちに、将来や仕事について考えるきっかけを提供しながら、地元への愛着心や自分達で考え工夫する力を育むことを目的に、「子どもゆめ基金」の助成事業として実施した。
杵築市について学ぼう
まずは地元について深く知ることから始めようと、奈狩江(なかえ)地区住民自治協議会の木村会長と、杵築市農林水産課の亀井氏より「杵築市の産業」について説明が行われた。その後、奈狩江地区のいちご農家とみかん農家の方々から、各農家での取り組みについてお話を伺った。
杵築市内には40軒のいちご農家があり、大分県全体では、その生産面積が東京ディズニーランドに匹敵する広さに及ぶ。現在、収穫の繁忙期にあたり、農家の方々は朝4時から収穫作業に取り組んでいるとのことであった。
当日は、採れたての4種類のいちご「ベリーツ」「さがほのか」「ゆめのか」「恋みのり」の品種当てクイズを実施。子どもたちは夢中になって味を確かめるなかで、最初に食べた「ベリーツ」が特に人気を集めた。
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いちご農家の方からの説明
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いちごの品種当てクイズ
みかん農家の方からは、みかんの成長過程についてのお話があり、成長の過程で一部を摘果しなければならないことや、その摘果みかんの活用に悩んでいる現状についても説明。特に、「みかんが一年中収穫できるのは全国でも杵築市だけ!」という話には、子どもたちから驚きの声が上がった。
説明後、「アンコール」「せとか」「はるみ」「デコポン」の、みかん4種類の比較を行い、皮の固さ、むきやすさ、身の大きさ、甘さや酸味の違いを五感で確かめながら、子どもたちはじっくりとみかんの特徴を感じ取っていた。
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みかん農家の方からの説明
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種類ごとの違いを体験
地元を盛り上げるための新商品を考えよう!
説明や体験を通じて理解を深めた後、杵築市をより多くの人に知ってもらうための方法を考えるグループワークを実施。子どもたちは、付箋に思いついたアイデアを書き出しながら、柔軟な発想でさまざまな意見を出し合い、活発に話し合いを行った。
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付箋を使ってアイデア出し
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考案した商品の発表と、農家さんからの講評
新商品の金額を考えよう
2日目は、「ものづくりとビジネス」をテーマに、地元の豊和銀行から講師を招き、お金の流れや価格設定の方法について学んだ。
その後、自分たちで考えた新商品の販売価格を設定し、スタッフや保護者を対象として、体験販売を実施。子どもたちは、価格を決める難しさや売ることの楽しさを体験しながら、ビジネスの基本について理解を深めた。
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豊和銀行の方からの説明
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子どもたちによる体験販売
プログラムを終えて
子どもたちからは、「杵築は温かく、海風が吹くので、おいしいみかんが育つことを知った」「体験販売など、新しいことに挑戦できて楽しかった」といった感想が寄せられた。
杵築拠点の小畑マネージャーは、「普段とは違う表情がたくさん見られた。地域の人々の努力に子どもたちのアイデアが加わることで、素敵な商品に仕上がった」と感想を述べた。
今回のプログラム全般を通じて、限られた時間の中でも子どもたちの大きな成長を感じることができた。
なお、3月29日に杵築拠点で実施する「子どもカフェ」では、子どもたちが考案したいちごやみかんを使ったサンドイッチなどの販売が予定されている。