事業内容を知る 「子ども第三の居場所」

「子ども第三の居場所」(大分県杵築市)がオープン!

日本財団助成事業

大分県杵築市を皮切りに4月に5カ所でオープン

2019年3月25日(月)、杵築市役所本庁舎にて「子ども第三の居場所」の協定書調印式を実施し、翌日26日(火)に拠点施設の竣工式及び内覧会を行いました。

大分県杵築市、NPO法人こどもサポート にっこ・にこ、B&G財団三者による協定を調印

竣工式の様子

家庭環境の厳しさなど困難な状況にある子供たちへの支援事業として、B&G財団が昨春立ち上げた「子ども第三の居場所」(日本財団助成事業)は、今年4月、いよいよ本格的な運営をスタートさせました。大分県杵築市での施設開設を皮切りに、埼玉県や石川県など当財団の海洋センターが所在する自治体5カ所で拠点がオープンの運びとなり、子供たちの利用も始まっています。地域の子供たちが気軽に集える場所として、学習支援や体験活動の提供、食事の世話など総合的な生活支援を行っていく計画です。B&G財団では今後、さらに11拠点の開設が決まっており、子育て支援に向けた活動を進めていく方針です。

4月の開設は、大分県杵築市、茨城県笠間市、埼玉県嵐山市、新潟県胎内市。島根県雲南市の5拠点。各施設は、それぞれの地域性や特色を考慮して建設しています。外観や内装も、施設ごとに建築案をまとめ、地域にふさわしい「家」を軸に据えていますが、いずれの施設でも、新たな“居場所”として子供たちが安心して快適に過ごせるよう、学習や図書のスペース、キッチン、憩いのスペースなど活動目的に応じた共通の機能を設置してあります。

拠点施設の空間を設計したマニュアルも作成し、それに基づく設計をすすめます

厳しい環境下の小学生の生活面、学習面を支援

「子ども第三の居場所」事業は、様々な困難な状況にある子供たちを支援する目的で2018年4月に着手。「地域の子供たちのもう一つの家」となる場所を想定して拠点化するプロジェクトです。

各拠点には研修を終えたスタッフを配置。子供たちが安心して過ごし、手作りのご飯を食べるという子供にとってごく基本の生活はもちろんのこと、大人の目が行き届く環境で、学習習慣の定着を図るとともに、同世代の友達や大人との信頼関係を築きながら、生活習慣や他者への思いやりを学べるよう支援していきます。

スタッフは時に親の代わりとして、また時には先生(人生の先輩)として子供たちに愛情と威厳を持って接することで、一般的な見守りや預かりにとどまらず、将来、子供たちが難なく自立できる力を育めるよう地域社会とともに手助けをしていきます。

利用対象は小学生(低学年を主体)としています。利用時間帯は、平日は原則として小学校下校時から午後9時までで、休日や長期休暇は午前8時半から午後6時までですが、拠点によっては延長できるところもあります。

スタッフは、子供5人に対して一名を常駐するほか、子供たちの心のケアなどに対応するため、非常勤のソーシャルワーカーを配置する拠点もあります。居場所では、子供たちが身に着けるべき生活習慣の指導はもちろん、宿題や自習など学習ができる環境を整えて、スタッフが支援します。また、食事面では、おやつと夕食を提供して、子供たちの健康づくりにも気を配っていきます。利用料金は、応能負担制を採っており、生活困窮世帯は無料で利用できる制度作りを進めています。

 

「子ども第三の居場所」の一日(例)

第三の居場所では、子どもたちの自立する力を育むため、学習サポート、遊び、食事提供や生活習慣確立のためのサポートを行う

「子ども第三の居場所」の一日(例)

大分初の拠点。可動式書架や調質も設備

ここでは、4月に開設した、大分県杵築市の「子ども第三の居場所」の概要を紹介します。

施設は、木造平屋建て建築で、延床面積は約130平方メートル。大分県で初めての拠点となり、杵築市の協力を得て、「NPO法人こどもサポートにっこ・にこ」が運営を主導していきます。定員は20人(小学生)で、すでに利用が始まっています。

施設内には、リビング、学習・読書スペースのほかキッチンや相談室を設備。内観は建物は、全体的に明るい色合いの木材などを使い、柔らかいイメージを演出しています。学習室には、可動式の書架を備え付けたことで、子供たちが勉強や読書をしやすい環境を整備するとともに、状況に応じて、部屋の形を変えることもできます。また、調理室は、子供が調理の体験をできるように、作業空間を広く取っています。

広々とした学習室および図書スペース

調理室を使って料理の体験もできます

全国に「居場所」設置へ

放課後や休日の子育て支援については、共働きの世帯を対象に自治体が提供している、「放課後児童クラブ(別名、学童保育)」などが一般的ですが、「子ども第三の居場所」は、この制度ではまかないきれない範囲まで活動を拡大することで、子供たちにとっても保護者にとってもより利用しやすく実りのある施設を目指しています。

拠点の運営に関しては、各自治体に対して開設および運営にかかる資金をB&G財団が助成する構造で、2018年度に設置(検討を含む)予定の拠点には、開設費4,000万円と初年度運営費1,000万円(いずれも上限)を支援します。開設から4年目以降は、各自治体に運営を引き継ぐ計画です。

「子ども第三の居場所」の拠点は全国的に展開しており、日本財団とB&G財団を合わせて19カ所が開設済。設置の合意しているものを含めると30カ所に上っています。

B&G財団ではこのうちの16カ所の設置合意を手掛けており、今後順次、開設準備を進めていく予定です。

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