2023.11.09 UP 第1回子ども第三の居場所サミット開催
自治体間、地域連携を図り、
子どもが安心して過ごせる居場所づくりを推進
11月7日(火)、ベルサール神田(千代田区)で「第1回子ども第三の居場所サミット」を開催し、53自治体から首長43名、副首長6名、教育長8名など計93名が出席。兵庫県明石市前市長 泉 房穂 氏による基調講演のほか、岡山県奈義町長 奥 正親 氏、岡山県美作市長 萩原 誠司 氏、兵庫県養父市長 広瀬 栄 氏の3名によるそれぞれの自治体で実施されている子ども第三の居場所の先進的な取り組みから、子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりについての事例共有や、地域の子育てコミュニティの活性化に向けた情報交換がなされ、「子ども第三の居場所」事業への理解促進が図られた。
会議冒頭、B&G財団会長 前田 康吉 より主催者挨拶として、「B&G財団は全国の子ども第三の居場所設置自治体の皆様と手を携え、子どもたちの生き抜く力を育む拠点づくりに邁進していく」と述べた。
また、来賓の日本財団会長 笹川 陽平 氏が挨拶。地域社会の活性化の重要性を述べた後、「子ども第三の居場所を地域コミュニティの核となる施設にしてもらいたい。そこに行けば必ず誰かがいて、地域のお年寄りや、若者が子どもの面倒を見て異世代間交流が生まれる場として発展させてほしい」と述べた。また「そういった施設を1,000カ所、2,000カ所と増やしていければ」と力強く語った。
その後、正副会長の選任が行われ、大分県杵築市長 永松 悟 氏が会長、京都府南丹市長 西村 良平 氏、岡山県奈義町長 奥 正親 氏が副会長に選任され、今後3年の任期を務める。
基調講演:「こどもにやさしいまちづくり」
泉 房穂 氏(兵庫県明石市前市長)
兵庫県明石市前市長 泉 房穂 氏による「こどもにやさしいまちづくり」と題した基調講演が行われた。泉氏は明石市長在任中、子ども政策の充実により大幅な人口増、税収増をもたらし、子ども第三の居場所明石拠点の設置にも尽力。
子どもは未来、子どもを本気で応援するとまちが良くなるということを信条に子どもを核としたまちづくりを推進し、明石市独自の子どもに寄り添った5つの無料化などの政策を実行した。その結果、子育てしやすいまちとして安心が生まれ、子育て世代の人口が増加。すると、まちに活気と賑わいが溢れ、地域経済最高益を達成。税収増により財源が確保され、更なる政策の拡大が可能となり、高齢者や障害者施策の充実を図り、全ての人にやさしいまちづくりが実現するという好循環が生まれた明石市の例を挙げ、子ども支援を行うことで社会全体にプラスに作用することを説いた。
また、目まぐるしく変化する現代社会において、今までの価値観にとらわれず発想の転換が必要で、市民目線で地域の特性に合った新しい政治を、基礎自治体が推進していくことが日本の社会を支えていくと語った。
3自治体から第三の居場所運営についての先進事例を発表
岡山県奈義町長 奥 正親 氏、岡山県美作市長 萩原 誠司 氏、兵庫県養父市長 広瀬 栄 氏 の3名から、それぞれの自治体で実施されている第三の居場所の先進的な取り組みの事例発表があった。
奈義町の奥町長は「生まれる前からの切れ目のない居場所づくり」と題し、拠点が多世代交流の場となっている現状に触れた後、第三の居場所から生まれた新たな取り組みである不登校児を抱える保護者への支援などについて紹介した。
続いて、美作市 萩原市長は「市内3拠点が連携した居場所づくり」と題し、市内3カ所に第三の居場所が設置されているという特徴を活かし、拠点同士が連携しアクティブソナーの役割を果たし、拠点からさらに次の支援先へつなぐ役割を担っていることを説明。
最後に、養父市の広瀬市長は「大学と連携した居場所づくり」と題し事例を発表。養父拠点では慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)や、芸術文化観光専門大学(CAT)と連携し、学校教育の枠にとらわれない体験の場となっていることを紹介した。
第1回子どもサミット共同宣言
事例発表の後、こども家庭庁成育局 成育環境課長 山口 正行 氏がこども家庭庁創設と子ども基本法、取り組みについて説明。
最後に、永松会長から今回の共同宣言の説明があり、「安心できる居場所の継続」「自治体間・地域との連携」が採択され会議が終了した。
一 安心できる居場所の継続
次世代の社会を担うこどもたちのために、「子ども第三の居場所」を市町村こども計画に盛り込み、様々な課題を抱えた子どもたちへの切れ目のない支援を継続していこう。
一 自治体間・地域との連携
他の自治体および産学官民と連携を図り、居場所の充実を通じて、子どもたちの生き抜く力を育もう。
B&G財団は、引き続き子ども第三の居場所の設置自治体を募集しています。ぜひ、お気軽にB&G財団 地方創生部 子ども支援課(TEL:03-6402-5311 mail:kodomo@bgf.or.jp)までお問合せください。ご応募をお待ちしております。