事業内容を知る 「子ども第三の居場所」

第3弾 松本大学の学生が熱意と工夫でイベントをサポート!
大町市拠点編

2024.01.19 UP

日本財団助成事業

今回は2回にわたり、子ども第三の居場所で大学生との活動をしている長野県大町市の「b&g大町」と同県山形村の「トロッコにこにこフレンズ」、2つの拠点の活動を紹介。
両拠点とも、長野県内にある松本大学と連携しており、学生がアルバイトやボランティアとして拠点のサポートを行っている。 今回は大町拠点の活動を紹介する。

「b&g大町」にクリスマスがやってきた!

第3弾 松本大学の学生が熱意と工夫でイベントをサポート!大町市拠点編

2023年12月25日(月)、長野県大町市にある子ども第三の居場所「b&g大町」でクリスマスイベントが開催された。「b&g大町」は、2019年にB&G財団の助成により開設され、「子ども第三の居場所」事業の3年間の助成期間を終え、2022年度からNPO法人キッズウィルによる自立運営に移行している。

この日は松本大学の学生ボランティア2名が拠点活動に参加。拠点に通う小学1〜6年生も15人が参加し、午前中は学生2人と一緒に買い出しに出かけ、午後からパーティーが開始。室内にはクリスマスツリーが飾られ、サンタクロースやトナカイ、雪だるまなど手作りの飾り付けでクリスマスらしい雰囲気があり、子どもたちもサンタの帽子やトナカイの角のカチューシャで気分を盛り上げていた。

  • 長野県大町市にある子ども第三の居場所「b&g大町」でクリスマスイベントが開催

  • 長野県大町市にある子ども第三の居場所「b&g大町」でクリスマスイベントが開催

司会を務める3人が、協力して進行台本を読み上げ、イベントがスタート!

○×クイズに宝探しにビンゴ大会…次々登場するゲームに夢中になる子どもたち

  • 次々登場するゲームに夢中になる子どもたち

  • 次々登場するゲームに夢中になる子どもたち

まずは、○×クイズ大会。学生たちが考えた、クリスマスや大町市にまつわる問題がスクリーンに写し出され、○か×か、正解と思うほうに移動して回答。迷ったり話し合ったりしながら、10問ほどのクイズに答えた後、子どもたちは正解数の多い順に自分が気に入ったプレゼントを選んでいた。

  • 宝探しゲーム

  • 宝探しゲーム

続いて宝探し。室内の各所に隠されたクイズを探し、クイズの答えに入っている文字を番号順に並べると答えになるという、ちょっと複雑なゲーム。子どもたちは思い思いに部屋中を探し回り、友達同士で協力し合いながら答えを考えていた。

  • クイズが終わってビンゴ大会

  • クイズが終わってビンゴ大会

クイズが終わると、次はビンゴ大会。この日のイベントは盛りだくさんで、子どもたちも次々と登場する手作りのアトラクションに夢中で参加していた。ビンゴ大会の景品は松本大学関係者から寄付をもらい、大学生が、子どもたちが喜びそうなプレゼントを選び持ってきてくれた。

サンタさん登場!楽しいおやつタイム&プレゼント開封

  • サンタさん登場!プレゼント開封

  • サンタさん登場!プレゼント開封

そして、満を持して、大学生サンタクロース&トナカイが大きな袋を持って登場!子どもたちはサンタとトナカイが来てくれたことに大喜び。袋の中から現れたたくさんのプレゼントを見て、「サンタさん、ありがとう!」と声をそろえて伝えていた。

  • サンタさん登場!楽しいおやつタイム

  • サンタさん登場!楽しいおやつタイム

メインイベントが終わると、おやつタイム。クリームののったカップケーキに、自分の好きなチョコレートやクッキーなどで飾り付けをしていった。かわいらしくデコレーションする子もいれば、盛りに盛ってボリュームたっぷりに仕上げる子もいて、それぞれの個性が大いに発揮されていた。

サンタさん登場!楽しいおやつタイム&プレゼントの集合写真

みんなで楽しくおしゃべりしながら、おやつを食べた後は、サンタさんからのプレゼントを開封。プレゼントはシルバニアファミリーのお家や動物フィギュアなど、子どもたちの大好きなおもちゃばかり。けんかせずに、仲良く協力して開封しあう子どもたちの様子が見られた。子どもたちからは、「めっちゃ楽しかった!」と喜びの声を聞くことが出来た。

学生の声「子どもたちから元気をもらえる」

左から辺見海斗さん、米沢文也さん

左から米沢文也さん、辺見海斗さん

今回参加した学生2人、辺見さんと米沢さんは、松本大学の観光ホスピタリティ学科に通う4年生。ゼミの尻無浜博幸教授の紹介で、8月のBBQイベントに続いて2回目の参加。社会福祉士の免許取得に向けて大学で学んだことを活かし、子どもたちに接していた。

辺見さん「普段子どもと接する機会があまりないので、子どもたちのリアクションが新鮮ですね。こちらも元気をもらえます。子どもたちには昔遊びや工作など、他にも今まで体験してこなかったようなプログラムを体験させたいです。」
米沢さん「8月以来だったので、間が空いてしまって、コミュニケーションがうまく取れるか最初は不安でした。でもいざ接してみると、子どもたちはちゃんと覚えていてくれたようで、うれしかったですね。子どもたちと接する中で、自分も楽しく、いい経験をさせていただいていると思います。この経験を自分のキャリアにも活かしたいです。」

松本大学 尻無浜教授
「子どもたちと接することで学生たちの気づきにもつながる」

松本大学 尻無浜教授

b&g大町と松本大学の連携は、同大学総合経営学部観光ホスピタリティ学科の尻無浜(しりなしはま)博幸教授が、B&G財団からの紹介をきっかけに子ども第三の居場所を知ったことから始まったとのこと。

両施設が比較的近くだったこともあり、学生がボランティア活動をする機会になればということで、前回8月のBBQイベントと、今回のクリスマスイベントへの学生の参加という運びになった。

尻無浜教授「もともとゼミ生の活動の一環で、公営住宅の子ども食堂に携わっていました。公営住宅には、シングルマザーやさまざまなニーズを抱えている家庭の方が入居しているのですが、その子どもたちが夕方集まる場所を町会が運営しているので、4年ほど応援しています。2023年に、B&G財団が全国に『子ども第三の居場所』を展開されていることを知り、われわれも活動の幅を広げて、ほかの子どもの居場所づくりを学ばせていただこうということで連携を始めました。まだ取り組みとしては短い期間ですが、実際、学生も問題意識を持って関わっていますし、気づきがあるのではないかと思います」

大町拠点 甘利マネージャー
「学生が来てくれることで子どもたちも心を開きやすい」

大町拠点 甘利マネージャー

大町拠点 甘利マネージャー

b&g大町のマネージャーを務めるNPO法人キッズウィルの甘利直也氏は、松本大学の学生が拠点にボランティアに来てくれるのは喜ばしいことだと語る。学生には期待するところも大きいようだ。

甘利さん「b&g大町は女性スタッフが多くて、男性スタッフが僕とサブマネージャーの2人だけなので、特に男子学生が来てくれるとありがたいです。今年8月にBBQをやった時は、僕が足をけがしていたこともあり、テントの設営など力仕事も率先して動いてくれたので、とても助かりました。女子の学生さんも、子どもと一緒に下ごしらえや買い物などもしてくれました。子どもの接し方にも慣れていてよかったですね。 学生さんは、僕らよりも子どもたちに近い世代なので、理解できる話題が多かったり、心を開きやすかったりして、子どもたちもすごく楽しんでいるように感じます。初々しさがある一方、活発でエネルギッシュだから、子どもたちとの接し方についても、失敗を恐れずどんどんチャレンジしてほしいですね。今後も学生さんとより密につながって、僕らも活動の幅を広げていけたらと思います」。

b&g大町のスタッフのみなさん。おそろいのデザインのトレーナーやパーカーがユニフォーム

b&g大町のスタッフのみなさん。おそろいのデザインのトレーナーやパーカーがユニフォーム

今回の活動は、とても有意義な活動となった。今後も松本大学と大町拠点は連携を続けていく予定とのこと。

まとめ

b&g大町では学生が考えたクイズにみんなが夢中になっている姿が印象的であった。学生たちも子どもたちに楽しんでもらえるように試行錯誤してクイズを作ったそう。学生ボランティアとの活動は、拠点スタッフも刺激を受ける部分が多く、今回のイベントで拠点と大学との関りも強くなったようだ。
次回は、大学生が支援員として日常的に拠点活動に参加している長野県山形村での大学生との活動を紹介する。

「子ども第三の居場所」のお問い合わせはB&G財団 子ども支援課(TEL:03-6402-5311 mail:kodomo@bgf.or.jp)までご連絡ください。

家庭環境や経済的理由などさまざまな事情により、家で過ごすことが困難な子どもたちが、放課後から夜間までの時間を過ごすことができる拠点として整備を進めている「子ども第三の居場所」。2023年12月末現在、全国196か所に設置され、全国への更なる開設を目指す。

B&G財団は、引き続き子ども第三の居場所の設置自治体を募集しています。ぜひ、お気軽にB&G財団 地方創生部 子ども支援課(TEL:03-6402-5311 mail:kodomo@bgf.or.jpまでお問合せください。ご応募をお待ちしております。

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