2023.07.25 UP 防災拠点事業 ゴムボートを活用した研修を実施 水難救助人材の更なる育成へ
近年、日本全国で豪雨や河川氾濫等の水害が多く発生しています。しかし、水難救助隊や消防署員のような専門的な人員のみでは、広範囲にわたる避難対応や救助活動は厳しいことも現状です。B&G財団では、水避難救助専門人材以外でも、被災時に活動できる人材を増やし、更なる広域での災害対応を実現することを目的に、自治体職員等へ向けて、「救助艇ゴムボート(以下、救助艇)」を活用した災害対応人材の育成研修を実施しました。
実施概要
研修名 | 2023年度「広域救助艇モデル研修」 |
---|---|
日程 | 2023年7月5日 9:00~17:00(第一行程) 2023年7月6日 9:00~17:00(第二行程) 2023年7月7日 9:00~17:00(第三行程) |
実施場所 | 福島ロボットテストフィールド 住所:福島県南相馬市原町区萱浜 新赤沼83南相馬市復興工業団地内 |
講師 | 一般社団法人ふくしま総合災害対応訓練機構 ・安倍 淳 氏 ・熊丸 由布治 氏 ・鈴木 直子 氏 |
参加者 | 133人(34道府県53自治体より参加) |
本研修は、「防災拠点の設置および災害時相互支援体制構築」事業(以下、「防災拠点事業」)の一環として実施しています。計133人の参加者も、防災拠点事業で整備された拠点自治体の職員や消防署員等です。通年を通して、各拠点でも幅広い研修を実施していますが、本研修を受講することで、各拠点研修におけるプログラム向上を目指すことも狙いの一つです。
研修は3行程に分かれて実施しました。午前中は水害の基本から要救助者の運搬、無線の取扱い等の屋内研修、午後は実技等の屋外研修の流れで、救助時や水害に対する知識を学んだ上で、実際に救助艇を用いて操船及び模擬救助を行い、各個人のスキル習得とレベルアップを図りました。
救助艇を操船し実際の救助にあたる際には、個人で全ての役割・作業を担うことは出来ないため、チームワークが重要です。特に、現場で救助にあたる人員だけでなく、情報統制による全体の指揮管理、救助後の搬送やメディカルチェック、救助体制の安全確保及び監視に至るまで、幅広い役割をそれぞれが理解し、救助活動にあたることが求められます。
研修の最後には、グループでのディスカッションや振り返りを行い、学んだ知識や技術の定着化を図りました。
防災拠点事業では、各拠点において重機や救助艇、避難所運営に係るプログラム等、幅広い研修を実施しています。この研修では、主に「水害」と「救助艇」をテーマにした研修内容を構築して実施しました。今後とも、いつ起こるか分からない有事の際に備え、地域防災が必要とする研修を全国各地の拠点でも実施していきます。
B&G財団は、2021年度から自治体と連携し、災害支援に即応できる機材と人材を備えた「防災拠点」を整備し、油圧ショベルとダンプカー、救助艇などの機材を配備すると共に、機材の操作方法と災害対応の研修を受けた人材を育成しています。
全国の「防災拠点」担当者が、どこの拠点でも同じ器材と手法で災害支援活動ができる体制を整え、平時には「防災拠点」に備えられた段ボールベッドや災害用トイレ、ドローンなどを使用して、地域住民の「防災訓練や避難所運営訓練」を実施し、災害時だけでなく平時も活用される新たな防災拠点を目指します。
防災拠点は、2021年度第一期の25ヵ所、2022年度第二期29ヵ所が決定しました。
B&G財団メールマガジン
B&G財団の最新情報をメールマガジンにてお送りいたします。ご希望の方は、登録ボタンよりご登録ください。