2023.04.13 UP 2023年度の40自治体が決定しました

日本財団助成事業

郷土ゆかりの偉人を知り、ふるさとへの愛情と理解を育むことを目的に2021年度から実施している「ふるさとゆかりの偉人マンガの製作と活用事業」。22年度までの60自治体に加え、23年度に実施する40自治体が決定し3年間で100自治体となりました。

それぞれの自治体で、郷土史家や作画者(プロ・アマ問わず)、親族などから成る委員会を組織し、資料収集、シナリオ作成、展開方法などについて協議を行い、偉人マンガを製作。製作に係る費用について300万円を上限に助成を行います。

完成後は、小中学校の総合的な学習の時間や図書館での読み聞かせ会、学芸員による解説と偉人ゆかりの史跡をめぐるツアーなど、各地でさまざまな活用が計画されています。

2023年度実施自治体一覧

道府県 市町村 偉人名 功績
1 北海道 名寄市 木原 秀雄 戦前・戦後を通して天体観測に勤しみ、私財をなげうって、私設天文台を建設。市民に広く開放し、天文の普及に努めた。
2 北海道 北広島市 中山 久蔵 赤毛という寒さに強い品種を用いて、明治6(1873)年に、現在の北広島市島松の地で、道南より北では不可能とされていた稲作を成功させ「寒地稲作の祖」と呼ばれ、道央以北の稲作普及に尽力し北海道が大米作地帯となる礎を築いた。
3 青森県 南部町 楢山 大典 法光寺三十七世住職、青森県初の曹洞宗宗務総長、国登録有形文化財「法光寺承陽塔」を建設。布教活動のみならず、広く、教育・文化の振興に大きく貢献した。
4 岩手県 一関市 大槻玄沢 杉田玄白から蘭方医学を、前野良沢からオランダ語を学び、日本初の蘭学入門書「蘭学階梯」を刊行。江戸に蘭学塾「芝蘭堂」を開いて多くの門人を育て、蘭学の発展に貢献。
大槻磐渓 玄沢の次男で、儒学、漢学、書、砲術などを学び、開国論を唱え、和魂洋才の学者として活躍。仙台藩の藩校・養賢堂の学頭を経て、戊辰戦争時には、仙台藩の精神的支柱として数々の起草文に関わった。
大槻文彦 文彦は、磐渓の3男で、文部省から辞書の編纂を命じられ、16年の歳月をかけて、わが国最初の近代的国語辞書「言海」を完成させた。
5 岩手県 久慈市 タマシン・アレン 託児所、幼稚園、小中学校、短期大学、診療所、農民学校、洋裁学校等を本市に開設し、本市の生活及び教育等の向上に多大に貢献した。
6 宮城県 亘理町 伊達 邦成 14代亘理領主。戊辰戦争での敗北により領地を失い、家臣団と共に北海道に移住・開拓し、現在の伊達市の基礎をつくるとともに、北海道農業の発展に寄与し男爵に叙された。
7 山形県 酒田市 土門 拳 リアリズムにこだわった報道写真や、寺院仏像など日本の伝統文化を独特の視点で切り取った作品を発表した、昭和を代表する写真家。
8 福島県 小野町 丘 灯至夫 作詩家。主な作品として「高校三年生」、「みなしごハッチ」、「ハクション大魔王」などが挙げられ、日本中の多くの人たちに今なお愛される作品を生み出している。
9 茨城県 北茨城市 岡倉 天心 日本美術の伝統を守りながら、新しい絵を研究するため「日本美術院」を創設。明治39年に日本美術院を北茨城市大津町五浦に移し、横山大観などと新しい日本美術の研究に没頭し、日本近代美術史における「五浦時代」の幕開けとなった。
10 茨城県 五霞町 一色 輝季 江戸時代、利根川の氾濫による飢饉が起きた際に、危険をおかしながら、地域住民を助けたことにより、お互いを助けあう精神を地域に伝えた。
11 茨城県 龍ケ崎市 木村 安兵衛 銀座木村屋総本店の創業者、あんパンの開発者。
12 栃木県 さくら市 足利 島子 室町時代末期、公方家が存続の危機を迎えた際、豊臣秀吉と折衝して古河公方家・足利氏を後世に存続させた。
13 栃木県 芳賀町 岡田 宗山 5代将軍徳川綱吉の頃、水不足に苦しんでいた農民を救うため、多額の私財を投じ、約10年の歳月をかけて導水工事を行った。
14 千葉県 鋸南町 醍醐 新兵衛 漁師たちをまとめ捕鯨業を組織化し、房総捕鯨の祖として地区を発展させ、村名主として飢饉時には米を放出するなど救恤活動も行った。地域の産業を興し、住民と共に地域の繁栄を築き、江戸期の村を指導発展させた。
15 石川県 志賀町 加能 作次郎 志賀町西海風戸の出身で、明治から昭和にかけて活躍した自然主義文学作家。
16 石川県 穴水町 長 連龍 鎌倉時代より能登に居を構え、上杉から能登を取り返した武将。鎌倉時代の武将が祖であり、加賀百万石を支えた前田八家の名門である、穴水町の歴史を語る上で欠かせない人物
17 山梨県 甲州市 雨宮 敬次郎 輸出用生糸の投機取引などで材を成した後、鉄道事業に乗り出し、甲武鉄道(後の中央線)など多数の企業の経営に関与する。「天下の雨敬」と呼ばれた。
18 山梨県 山梨市 根津 嘉一郎 東武鉄道をはじめとして多くの会社を再建するとともに県内小学校へピアノやミシンを送った。また、山梨小学校建設や根津箸の架橋など私財を投じて故郷の発展に尽くした。
19 山梨県 南アルプス市 内藤 多仲 「架構建築耐震構造論」で工学博士となり、歌舞伎座や東京タワーを設計し、「耐震構造の父」「塔博士」と呼ばれた建築家。
20 岐阜県 高山市 金森 長近 信長、秀吉、家康の三家に仕えた戦国武将で、茶道や禅宗などにも造詣が深く、文化の面や商業を重視した豊かなまちづくりなど、飛騨高山藩初代藩主として大きな功績を遺した。
21 岐阜県 中津川市 長瀬 富郎 美濃国恵那郡福岡村(現在の中津川市福岡)の造り酒屋に生まれ、22歳で上京し、石鹸や歯磨き粉など日用品も扱う「長瀬商店」を創業。その後、試行錯誤を繰り返し、国内石鹸の自社製造に成功した「花王」の創業者。
22 兵庫県 香美町 前田 周助 香美町小代区出身。和牛の飼育、改良に人生を捧げ、今日、最高級の和牛と称される「但馬牛」の基礎となった優良な血統牛「周助蔓」の生産に成功した。
23 兵庫県 養父市 上垣 守国 養蚕の技術書である「養蚕秘録」を全国で出版し、日本の生糸が巨大産業になることに貢献。この養蚕秘録はシーボルトが日本からオランダに持ち帰り、翻訳されたものがフランスやイタリアで出版されヨーロッパの技術改良にも貢献した。
24 岡山県 矢掛町 渡邊 武次郎 三菱地所の社長や会長を22年間務め、三菱地所中興の祖と呼ばれた実業家。
25 広島県 坂町 畝 為吉 上條地区と植田地区をつなぐ上條トンネルを開通させるなど、坂町の道路整備に尽力した。
26 山口県 長門市 大津 あきら 歌謡曲やアニメ主題歌、CMソングなどの名曲の歌詞を1000作以上提供し、1982年には日本作詞大賞大衆賞を受賞するなど日本歌謡界に多大な功績を残した。
27 山口県 岩国市 藤岡 市助 日本で最初の電車運転、白熱電球の国産化、エレベーターの設置を行った。「日本の電気の父」、「日本のエジソン」とも呼ばれる。
28 徳島県 徳島市 初代天狗久(吉岡 久吉) 徳島を代表する伝統芸能「阿波人形浄瑠璃」に使われる阿波木偶の名作を数多く残した人形師。
29 徳島県 那賀町 谷崎 義男(鱗海) 釣りの知識を活かし指導や講演活動がきっかけとなり、論文が認められて博士号を取得する。
30 愛媛県 今治市 丹下 健三 建築家。都市計画家。日本では「世界のタンゲ」と言われたように、日本人建築家として最も早く日本国外でも活躍し、認知された一人。第二次大戦復興後から高度経済成長期にかけて多くの国家プロジェクトを手がけた。
31 福岡県 柳川市 雲龍 久吉 江戸時代の大相撲で大活躍した第10代横綱。横綱の土俵入りである『雲龍型』の創始者。その型の美しさから後世の多くの横綱が『雲龍型』を土俵入りの型に選び、雲龍の名は現在も受け継がれている。
32 福岡県 宗像市 出光 佐三 出光興産創業者で英国と抗争中のイランから石油輸入を敢行するなど、中東産油国との直接取引の先駆けとなった。宗像神社を再建するため私財を売り沖ノ鳥の採掘調査を行うなど、2017年世界文化遺産登録の礎を築いた。
33 大分県 由布市 後藤 楢根 “東洋のアンデルセン”とも言われ、多くの児童文学作品を生み出すとともに、日本童話会を設立し、多くの童話作家を育成に尽力した。
34 鹿児島県 さつま町 原田 正純 水俣病に関して地域・患者の立場立って研究や支援を行った。また日本や世界各地での公害問題や炭鉱事故などの調査も実施し被害状況を明らかにした。
35 鹿児島県 大崎町 出原 次左衛門 摂津国郡奉行でありながら、徳川政治に不満を持つ大阪の民衆のため、薩摩藩と交渉をしながら、摂津・河内・和泉の人々を移住させ、大崎郷に新天地を開拓した。
36 鹿児島県 いちき串木野市 長沢 鼎 激動の幕末、西洋に負けない国づくりのために英国への密航留学を果たした薩摩スチューデントたち。長沢 鼎は最年少の13歳で参加し、その後、米国に永住しワイン事業で成功した。
37 鹿児島県 阿久根市 中尾 純利 「ニッポン号」機長となり,五大州を巡る世界一周飛行を成功させる。昭和27年東京国際空港初代空港長となる。
38 鹿児島県 天城町 徳 三宝 講道館九段。天城町出身の優れた柔道家。
39 沖縄県 うるま市 安慶名 良信 終戦後、食糧難で苦しむ県民に、ハワイの沖縄県出身者が募金で繁殖用の豚を購入。550頭の豚を約30日間の困難な航海を経て沖縄に送り届けた。
40 沖縄県 本部町 健堅大親 (健堅之比屋) 明国の船が難破漂着した時、人々のカを結集して明人へ船と馬を与え、無事に明国へ帰した。

ふるさとの偉人を知ることで、子どもたちの郷土教育、キャリア教育につなげていきます。

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