マンガふるさとの偉人「田沼意次物語」に学ぶ小学校社会科見学(静岡県牧之原市)
2022.05.27 UP

日本財団助成事業

B&G財団は、2021年度から「郷土の偉人を紹介するマンガ」を制作し、子どもたちの郷土教育・キャリア教育につなげることを目指しています。

5月24日(火)静岡県牧之原市 牧之原市史料館で、「マンガふるさとの偉人 田沼意次物語~新時代への一手~」に学ぶ、市立地頭方小学校6年生の社会科見学が開かれました。

事前にマンガ「田沼意次物語」を読んで史料館を訪れた児童30人は、田沼意次候生誕300年記念事業実行委員会 河野研司委員長、マンガ家 杏崎もりか氏、シナリオライター 牧之原市教育長職務代理者澤田衛氏、あらすじ担当 牧之原市学芸員長谷川倫和氏などのマンガ作成委員と関係者に迎えられました。

児童たちは、マンガ作成委員から田沼意次の功績を聴き「郷土の偉人とその仕事」を学ぶと共に、マンガ作成委員の仕事について聞くことで「生きたキャリア教育」にもなりました。

児童からの質問にマンガ作成委員は次のように丁寧に回答してくれました。(抜粋)

Q1:「なぜマンガを作ったのか」

河野委員長:「意次候は世間では“悪い人”として知られています。近年、経済政策が評価され見直されてきていますが、多くの人は知りません。意次候について地元の私達が知らないわけにはいかない。そう思ってマンガを作成しました。君たちはマンガを読んで、大人も知らないことを知っている。そのことを大人たちに自慢してほしい。また、マンガ作成を B&G財団が支援してくれたことも忘れないでもらいたい。」

Q2.「マンガを作るときに苦労したことやこだわりは何か」

漫画家杏崎氏:「マンガの舞台が江戸時代なので、服装や小物、言葉遣いなど資料集めに苦労しました。マンガはキャラクターの動きがあり、様々な角度から描く必要がありました。」

市担当課石川氏:「市内のどの地域の方にも関心を持ってもらえるように、マンガのセリフやシーンに各地域を散りばめて登場させました。」

Q3.「意次候のようになりたいか」

あらすじ長谷川氏:「マンガのシーンを思い出してください。1人ではできないことも、仲間とならできることがあります。意次候の好きな将棋も、それぞれ独自の動きをする駒をうまく組み合わせて勝負します。誰もが意次候を目指す必要はありません。自分の個性を大事にして人生を歩んでください。」

Q4.「委員の皆さんの仕事は、どんなことをしているのか」、「その仕事に就いたきっかけは何か」、「今のお仕事は楽しいか」

漫画家杏崎氏:「漫画家なので自分が好きなマンガを描いています。最近、月刊誌の表紙を飾りました。子どもの頃から絵を描くのが好きで、高校生の頃も友達と絵を見せ合っていました。それから作品を応募するようになり、漫画家になりました。他の仕事を考え、迷うことはありませんでした。」

シナリオ澤田氏:「シナリオを書いたのは、フジテレビのヤングシナリオ大賞への応募がきっかけです。空手家を書いた作品が、一次審査を通り、700人中300人まで残りました。現在も書き続けて、応募しています。意次候が和歌を作ったように、創作活動は自分だけの世界で自由な気持ちを感じます。皆さんも、趣味の世界を楽しんでほしい。」

参加した児童は「個性を大切にするという思いがマンガに込められていることを知ることができた。」、「今まで、田沼意次が悪人と思われていたことを知らなかった。」と話してくれました。

マンガふるさとの偉人「田沼意次物語」は、今後も市内小学校の総合的な学習の時間で活用される他、10月には牧之原市資料館で企画展が開催されるなど、マンガの特性を活かした郷土教育が広がりを見せています。

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