2022.12.13 UP 休眠預金等を活用した体験格差解消事業 「海遊びのユニバーサルデザイン勉強会」を開催 認定NPO法人 オーシャンファミリー(神奈川県葉山町)

休眠預金を活用した事業のシンボルマーク

休眠預金活用事業の実行団体の「認定NPO法人オーシャンファミリー」は、障がい児を対象とした「海遊びプロジェクト」を2020年から開始。今年で3年目を迎えます。
 このプロジェクトは、教育支援団体の「スタジオみらい」「ヒミツキチ森学園」「Telacoya旅する小学校」と連携し、マリンスポーツ体験会を複数回にわたって実施しています。

今年度の活動に参加したボランティアスタッフを対象に「海遊びのユニバーサルデザイン勉強会」を12月3日に開催。団体職員や学生など16人が参加しました。

1年間の振り返り

1年間の振り返り

公認心理師で教育カウンセラーの北澤光子さんによる研修会では、砂が苦手な子、じっとしていられない子、気持ちを言葉で伝えるのが苦手な子、体に麻痺がある子など、そうした子どもたちへの接し方や考え方について、講義を受けました。
 まず、チャイルドビジョン(幼児視界体験メガネ)を作成し、子どもの視界を体験しました。目の高さや大人と子どもの視野の違いが見える範囲を狭くしています。この体験で、子ども目線で伝えることの必要性を再認識することができました。また、子どもと一緒に活動するうえでは、“ 安心感の輪 ”を築くことが大切で、日ごろから子どもたちの変化に気づくようにし、一人一人の感情をくみ取ることで、信頼関係を構築し、一緒に成長していくという心がけが大事だと説明されました。

北澤さんによる講義

北澤さんによる講義

  • チャイルドビジョン(幼児視界体験メガネ)

    チャイルドビジョン(幼児視界体験メガネ)

  • チャイルドビジョンで幼児の視界を確認

    チャイルドビジョンで幼児の視界を確認

  • スライド資料

    スライド資料

参加者の声
・なぜ子どもはキョロキョロするのか、見え方の違いが行動の違いになることに気付かされた。
・見え方で感じ方も違うことを知り、今後の指導に役立てたい。
・子どもの視野に立ち、子どもが取るかもしれない行動を予測していくべきだと感じた。
・子どもに「なぜ?」と原因や理由を聞くのは適切ではない。「嫌だ」「できない」と言うこどもには「そうなんだね」と寄り添えばいいということを学ばせてもらった。
・答えを求め過ぎず、悩み過ぎず、一人一人に寄り添いながら、子どもたちが安心できる活動を続けていきたい。

オーシャンファミリーは、「海で子どもを元気に、元気になった子どもが海を元気に」をビジョンに掲げ、障がい児やひとり親家庭など、さまざまな理由で海での活動を制限されている子どもたちに自然体験の機会を提供するとともに、活動を支えるボランティアスタッフの育成にも力を入れています。
 体験格差解消に向けて、今後も各地の実行団体と手を携えて事業を推進していきます。

B&G財団は休眠預金活用法に基づく「資金分配団体」の認定を受け、障がいの有無や家庭の事情等から生じる、子どもたちの体験格差の解消を図ることを目的に全国20団体の応募の中から「実行団体(10団体)」を選定。
2020年度から2022年度までの3年間、B&G財団がそれぞれの団体を支援し、各実行団体が障がい児や児童養護施設、ひとり親家庭等の子どもたちを対象に海洋性レクリエーションをはじめとした自然体験活動の機会を提供し、当該地域でのインクルーシブ社会の実現に向けた取り組みを進めています。

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