休眠預金活用事業 2021年度「第1回実行団体全体会議」を開催
2021年6月17日(木)、全国の休眠預金活用事業「実行団体」10団体から19人の関係者が出席した全体会議を開催。緊急事態宣言やまん延防止重点措置が発令されているため、オンラインで行いました。
この全体会議は、各団体の活動事例などを情報共有することで、活動を活発化させることを目的として、昨年11月の開催に続き、今年度第1回目の開催となります。
会議は主催者のB&G財団常務理事古山の挨拶から始まり、各実行団体から活動2年目を迎えての「活動報告」、「休眠預金活動の対象者の拡大・拡充」「協力者の募集と育成」「事業への支援や認知度の向上」をテーマとしたディスカッションを行い、参加者・保護者・関係者への調査の設計を担当した東北大学 瀧靖之教授から「アンケート調査の趣旨」について説明をいただきました。
また、日本民間公益活動連携機構( JANPIA )で当財団を担当する平 希井プログラムオフィサーから、夏季シーズン終了後の中間評価報告について説明をいただきました。
会議スケジュール
時間 | 次第 |
---|---|
14:00 | 開会 |
14:01 | B&G財団常務理事挨拶 |
14:06 | スケジュール説明、出席者紹介 |
14:08 | 活動報告 |
14:40 | テーマ別ディスカッション 「休眠預金活動の対象者の拡大・拡充」 「協力者の募集と育成」 「事業への支援や認知度の向上」 |
15:30 | アンケート調査の趣旨 |
15:45 | 中間評価報告について |
15:55 | 連絡事項 |
16:20 | 質疑応答 |
16:30 | 閉会 |
活動報告では、株式会社FEELが展開する、休眠預金活動の対象となる障がい児やひとり親家庭の子どもと、対象ではない同世代の子どもたちとの交流促進を強化する活動など、各団体の新たな活動を紹介。
また、ディスカッション1「休眠預金活動の対象者の拡大・拡充」では、認定NPO法人オーシャンファミリーから、地元の神奈川県葉山町のまちづくり協議会に所属することで他の団体とのコミュニケーションが生まれ、それが町内外の小中学校や教育委員会との連携につながるきっかけとなった取り組みなどが紹介されました。
ディスカッション2「協力者の募集と育成」は認定NPO法人Ocean’s Loveから、ディスカッション3「事業への支援や認知度の向上」については龍ケ崎市B&G海洋クラブからそれぞれ説明いただき、活発な議論や質疑応答が行われました。
そのほか、実行団体間の交流について、6月9日、10日の2日間にわたり、長野県の公益財団法人 身体教育医学研究所で休眠預金事業を担当する職員2名が、神奈川県の認定NPO法人オーシャンファミリーに海洋レクリエーションの指導研修(記事リンク)に伺い、スタンドアップパドルボードや海洋生物観察などのカリキュラムを実践で学んだ事例も紹介されました。
研修に参加した身体教育医学研究所の谷貴人指導員から「私たちの活動場所は農業用水地の池でカヌーなどを中心に活動していますが、今回、オーシャンファミリーさんで2日間みっちり教えていただいたことで、これから参加してくれる地域の子供たちがさらに喜んでくれるように指導に生かしていきたい」とのコメントをいただきました。
出席した皆さんから様々な意見をいただくことで、少し時間をオーバーしましたが、最後に「今年11月に今年度2回目の実行団体全体会議を開催予定しておりますので、コロナが収束していてれば、実行団体の皆さんに東京にお集まりいただき開催いたしたい」と当財団から説明し終了しました。
B&G財団は休眠預金活用法に基づく「資金分配団体」の認定を受け、障害の有無や家庭の事情等から生じる、子どもたちの体験格差の解消を図ることを目的に全国20団体の応募の中から「実行団体(10団体)」を選定。
2022年度までの3年間、B&G財団がそれぞれの団体を支援し、各実行団体が障がい児や児童養護施設、ひとり親家庭等の子どもたちを対象に海洋性レクリエーションをはじめとした自然体験活動の機会を提供し、当該地域でのインクルーシブ社会の実現に向けた取り組みを進めています。
実行団体の事業概要
No. | 団体名 | 事業名 |
---|---|---|
事業概要 | ||
1 | 宮城県障がい者カヌー協会 | カヌーを通じての共生社会、インクルーシブの実現を目指す事業 |
障がい児と健常児と分けることなく、カヌー体験を提供することで、受動的な入口(体験)から、能動的(趣味や競技としてのカヌー)活動へ橋渡しを行う。 | ||
2 | 龍ケ崎市B&G海洋クラブ | 障がい児やひとり親家庭のための運動支援 |
運動・スポーツを通じて発達障害のある青少年の余暇を支援し、地域とつながることを最終目的に、参加者が主体的に取組めるアプローチを行う。 | ||
3 | 認定NPO法人 Ocean’s Love | 障がい児等の体験格差解消事業 |
知的障がい児・発達障がい児を対象にサーフィンスクールを開催し、子供たちがソーシャルスキルを獲得できるようにスクールのプログラムを進化させる。 | ||
4 | 認定NPO法人オーシャンファミリー | みんなの海project ~地域のすべての子に海辺での楽しい体験を~ |
海に行く機会がないなど見えない制約がある子、通級指導教室に通う子などに海辺での自然体験に参加する機会を設ける。 | ||
5 | 公益財団法人 身体教育医学研究所 | 障がい児等の体験格差解消事業 |
障がい児や児童養護施設の子供、一人親家庭の子供等を対象に自然体験活動を実施。健常児との交流を通して子供自身が育ちやすい地域や仕組みを整える。 | ||
6 | 有限会社 SHIPMAN | 障がい児等の体験格差解消事業 |
個々に必要な合理的配慮の基に、水辺での活動などを通して、規律や協力を体験的に学びながら子供たちの成長を促し、自分の力を最大限に発揮できる支援の環境づくりのモデル施設となることを目指す。 | ||
7 | NPO法人 海の達人 | 障がい児等の体験格差解消事業 |
障がい児や児童養護施設の子供などを対象に、海洋性レクリエーションを主とした自然体験活動を通じ、子供たちの心身の成長を促し、社会性や自立心を育むとともに、他の子供たちとの交流や活動団体間の交流等を通じて、支援の環境づくりを行う。 | ||
8 | 株式会社 FEEL | 障がい児等の体験格差解消事業 |
発達障害や四肢障害、母子家庭や貧困家庭、不登校や養護施設で暮らす子供たちなどを対象に、水辺の体験活動を定期的かつ複数年体験してもらい、体験不足の子供たちの体験格差を解消する。 | ||
9 | NPO法人コバルトブルー下関ライフセービングクラブ | プロジェクト豊夢(ホウム) |
経済的困窮など家庭内に課題を抱える子供や日常生活や成長に困難を抱える子供たちに海の楽しさや怖さを伝える親水教育を通じて、人との関係や心の育成を促すため、大学のボランティアサークルなどの人たちを巻き込み、若者の能力の向上を促しつつ子供たちを育成する。 | ||
10 | NPO法人 あそびとまなび研究所 | もじうみ里海探検隊 障がい児等の体験格差解消事業 |
体験格差の解消を目指し、安全に通年の海辺や水辺の体験活動を行える仕組みを作り上げる。 |
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