地域の課題解決 先進事例の収集と発信
地域課題への取組み事例
2022.03.01 UP
2022.03.01 UP
福島県田村市が産業振興と地域活性化の基盤づくりを目的に取り組む、廃校を活用した複合型テレワークセンター整備事業を紹介します。
田村市は2005年3月に4町1村が合併して誕生しました。当時の人口は43,804人、小学校25校、中学校8校、児童生徒4,256人が在学していました。
その後、少子高齢化・人口減少が進行し、2021年12月1日時点で人口が34,339人、小学校11校、中学校6校、児童生徒数は2,394人と大幅に減少しています。
こうした状況下で、廃校となった学校の維持管理費とその後の利活用が課題となっていました。
課題解決の方策として、廃校となった小学校を一部改修し、2018年3月にテレワークセンター「テラス石森」を開設。センターの運営については、まちづくり会社「一般社団法人Switch」が中心的な役割を担い、地方創生の推進に向けて様々な取り組みを行っています。
1.活躍の場づくり
地域における活躍の場・機会を創出するとともに、生業・雇用創出に取り組んでいます。
- テレワークセンター、サテライトオフィスの貸出
⇒ 2021年12月現在、17社(市外10社、市内7社)の企業が入居しています。 - コワーキングスペースの提供
2.事業・企業サポート
企業マッチングや事業のサポート、様々な制度を活用した創業機会・創業準備・環境提供のお手伝いをしています。
3.地域の課題解決
移住・定住促進、雇用・生業づくり、空き家問題の解決、女性活躍機会の創出、地域商材の創出等、官民連携で地域課題解決に取り組んでいます。
4.交流・賑わいづくり
地域交流イベントや、地域におけるビジネス・文化・教養・趣味等の学びの機会や場を創出しています。
「テラス石森」は、福島県内で初めて廃校を活用したテレワークセンターで、開設以来、毎年多くの視察者が訪れています。
運営する(一社)Switchは、全員が40歳以下のメンバーで組織されており、若さを生かした発想力・機動力で地域と積極的に関わり、交流事業を定期的に開催するなど活躍の場を広げています。
田村市 経営戦略室
現在展開している移住定住事業の窓口も(一社)Switchが担っています。移住希望者への説明や支援など親切丁寧に対応しており、行政はもとより、地域にも欠かせない存在となっています。
今後も地域交流の核となる団体として、様々な分野に関わってもらい、特に若い世代がやりたいことが実現できる魅力的なまちづくりために協力してもらいたいと考えています。
「地域課題への取組み事例」では、さまざまな社会課題の解決に向けた自治体の取組を随時発信していきます。