地域の課題解決 先進事例の収集と発信

地域課題への取組み事例
0歳児からの英語教育(熊本県長洲町)

2024.07.19 UP

熊本県長洲町がグローバル・多文化共生社会で活躍する人材を育成するため、乳幼児期から小学校、中学校と切れ目なく英語を学ぶことができる環境づくりを目的に実施する「0歳児からの英語教育」の取り組みを紹介する。

「まちLabo」を通じて絆を深めた参加者

外国人講師指導の下、音楽にあわせて手をたたく0歳児

背景

・学習指導要領の改訂による英語教育の教科化、英語活動の低学年への前倒しといった教育改革に対応すべく、幼少期から英語を学ぶことができる環境づくりが重点事項である。
・日本で暮らす外国人が増加傾向にある中で、長洲町においても造船業やサッシ業、農業の分野で多くの外国人が技能実習生として暮らしており、その割合は町人口の約5%を占め、全国でも高い水準となっている。

学習面・生活面の両面で英語が重要であり、多文化共生への意識啓発・醸成が必要なことから、町内の保育園・認定こども園の運営法人、㈱ ヴァンテージ・ジャパン、長洲町による「英語教育推進に関する包括連携協定」を締結し、乳幼児期からの英語教育を実現した。

業務内容

町内すべての保育園・認定こども園に在籍する全園児を対象に遊びを通した英語教育として、外国人講師により、各園週に2回程度のレッスンを実施。
 特に0歳児や1歳児の子どもたちには、英語による歌や音楽を聞かせたり、英語での読み聞かせを行うことで英語に慣れ親しむ基盤をつくり、2歳児以上の年齢の子どもたちには、歌や踊り、ゲームなど年齢にあったカリキュラムを行うことで、色や数字をはじめ、天気や感情などの日常生活で利用する英単語を学ぶことができる。

  • 1歳児:先生と一緒にLet's Enjoy English

    1歳児:先生と一緒にLet's Enjoy English

  • 2 歳児:英語による読み聞かせ

    2 歳児:英語による読み聞かせ

また、学習指導要領で英語教育の実施が規定されていない小学校1年生と2年生においても、幼児期からの切れ目のない英語教育を実施するため、町独自で外国人講師を雇用し、週1回、町内の4小学校でレッスンを実施。
 そのほか、児童・生徒の英語に対する意欲向上と英検取得に係る保護者の負担軽減を図るため、町内小中学生を対象に英検(実用英語技能検定)受験料の半額補助を実施している。

利用者の声

・町の子育て支援センターでも実施されているので、園に通っていなくてもレッスンを受けることができるのがうれしい。
 ・家に帰ってきて、きれいな発音で話しかけてくるのでびっくり!
 ・子どもから発音が違うと指摘をうける始末。ネイティブな発音を学べる環境がいい。

長洲町 子育て支援課 西村裕樹さん
グローバル化が進み、多文化共生が求められる社会の中で、子どもたちが健やかに成長していけるように、今後も引き続き、この英語教育事業をはじめとした幼児期からの教育環境の充実に取り組んでいきます。

「地域課題への取組み事例」では、さまざまな社会課題の解決に向けた自治体の取組を随時発信する。

事例