地域の課題解決 先進事例の収集と発信

地域課題への取組み事例
ツールドやばけい(大分県中津市)

2024.08.09 UP

大分県中津市が近年増加するサイクリング需要に対し、新型コロナウイルスで減少した観光客を取り戻し、交流・関係人口の創出を図ることを目的に取り組む「ツールドやばけい」を紹介する。

背景

2017年に自転車活用推進法が施行され、国の自転車活用推進計画を勘案して、各都道府県が自転車活用推進計画を策定し、サイクリングロードの質が向上。各地でサイクリングイベントに注力し観光の軸にしたり、イベントのスパイス的な要素として活用するなど、サイクリングイベントの数は大幅に増加していること。

 市内のメイプル耶馬サイクリングロードは、耶馬溪鉄道廃線跡を利用した自転車道で、鉄道跡を利用したトンネルや鉄橋などバリエーションに富んだサイクリングコース。2010年日本経済新聞が発表した「おすすめのサイクリングコース」で全国2位を獲得したコースがあること。

 2023年には大分・福岡・熊本が連携し「ツールド九州」が開催され、更にサイクリングの需要が増加する見込みであることなどから、今後の観光の一つの軸になるようなイベントとして企画した。

実施内容

【テーマ】奥中津と自転車の関係を深める

このサイクルイベントは競技ではなく各自のペースで走ってもらい、奥中津(旧下毛)の魅力を参加者の身体と胃袋で楽しんでもらうことが趣旨。環境・健康・グルメなどに関心のあるロードレーサーを対象に、山水画のような美しい風景と奥中津の味覚を同時に楽しんでもらう。
 総距離120km・70km・40kmの3コースから自分の走力に合ったコースを選択。各コースとも約20km毎に設けたエイドステーションで地域の名物を味わってもらい、参加者各自のSNSで魅力を発信してもらうこととした。

コース詳細

  • 上り坂を激走

    上り坂を激走

  • サイクリングロード(旧鉄橋)を疾走

    サイクリングロード(旧鉄橋)を疾走

  • エイドステーションでエネルギーチャージ

    エイドステーションでエネルギーチャージ

  • 特産品のそばでリフレッシュ

    特産品のそばでリフレッシュ

イベント結果

中津市 地域おこし協力隊 木﨑 徹さん
 今年で2回目の開催となり、沿道での声援が増え、ケーブルテレビの放映を通じて認知度が向上している。また、A・Bコースは峠越えの山岳コースとなっており、坂好きのロードレーサーの間でも認知度が上がってきている。今年12月で任期終了となるが、継続できる形を模索し、「ツールドやばけい」を大分県を代表するサイクルイベントに育てていきたい。

「地域課題への取組み事例」では、さまざまな社会課題の解決に向けた自治体の取組を随時発信する。

事例