地域の課題解決 先進事例の収集と発信
地域課題への取組み事例
2022.03.08 UP
2022.03.08 UP
岡山県奈義町が、障がいのある子どもたちが多くの人たちと交流できる “ 我が家のような居心地のいい場所 ”を作ることを目的に取り組む、「障がい児等の居場所づくり事業」を紹介します。
「町内に障がい児の保護者の集まる場がほしい」「同じ悩みを持つ人と繋がりたい」といった声から、障がいのある子どもたちの健やかな成長を願う親の会「どんぐりの会」を発足。
活動していく中で、「障がい児が気軽に集まったり、話をしたりする場所が身近にない」「休日に安心して利用できる場所がない」といった地域課題が浮き彫りになりました。
この課題を解決するため、奈義町では海洋センターのミーティングルームを利活用することを決定し、2016年に入口ドアの改修、洗面台の設置、必要備品の購入を行い、翌年に内装と空調設備の更新工事を実施。2017年5月、障がい児等が気軽に集える居場所「みんなのおうち ぽっかぽか」の運営を開始しました。
運営にあたっては、町の福祉担当職員、養護教諭経験者、地域ボランティアに加えて、保護者の方もスタッフとして活動に関わり、現在、年間約800人が利用しています。
開所時間は毎週日曜日の10時~16時となっており、夏休みなど長期休暇中は水曜日または木曜日も開所しています。そのほか、不定期で土曜日の夜間等に会員の情報交換の場を設けています。
保護者の方からは「家に引きこもりがちだった子どもが自分から遊びに行きたいと言うようになった」「一人で悩んでいたことを相談できる場ができて嬉しい」などの声が寄せらています。
奈義町教育委員会 生涯学習課 芦田孝弘さん
開所から4年が経過し、新しい会員も加入して徐々に利用者が増えてきました。お父さんも含め家族ぐるみで利用されるご家庭も見られるようになりました。
今年度からプールでカヌー・SUP体験や体育館でニュースポーツ体験を開催して、子どもたちにも保護者の方にも喜んでいただいています。
今後もこうした体験教室を継続して行い、海洋センター指導員も積極的に運営に携わっていきたいと思います。
奈義町では家庭環境や経済的理由など、さまざまな事情により家で過ごすことが困難な子どもたちが、放課後から夜間までの時間を過ごすことができる「子ども第三の居場所」の運営も行っています。
2022年1月現在の登録児童数は46人。宿題などの学習支援のほか、季節の野菜を使ったおやつ作りや夕飯づくり、三世代交流イベントなど多様な体験活動を通して、子どもたちの健やかな成長を応援する取り組みを進めています。
「地域課題への取組み事例」では、さまざまな社会課題の解決に向けた自治体の取組を随時発信していきます。