地域の課題解決 先進事例の収集と発信
地域課題への取組み事例
農村RMO事業の推進(鹿児島県天城町)
2024.05.10 UP
農村RMO事業の推進(鹿児島県天城町)
2024.05.10 UP
鹿児島県天城町が「農用地の保全」「地域資源の活用」「地域コミュニティの生活支援」のために取り組む、農村RMO(農村型地域運営組織)事業を紹介します。
移動販売車による買い物支援「移動マルシェ」
農村RMOは、農村型地域運営組織(農村RMO:Region Management
Organization)を指し、複数の集落の機能を補完して、農用地保全活動、農業を核とした経済活動と併せて、生活支援等地域コミュニティの維持に資する取り組みを行う組織。
農林水産省が農村RMOを中心とした農村地域の活性化に向け、農村地域づくり協議会の立ち上げや地域づくり協議会が行うさまざまな取り組みを支援する3年間の交付金事業。
天城町では、農用地の維持保全に携わる人が減少、販売につながらない規格外品の活用、高齢農業者の農産物の出荷のほか、高齢者の免許返納による買い物弱者の増加など、農用地・農村集落に関する課題があった。
こうした状況の中、鹿児島県第一号となる、農村RMO事業に採択され、「天城町地域づくり協議会」を立ち上げ、農用地の保全や地域資源の活用、農村集落の生活支援に係る将来ビジョンを作成し、様々な取り組みを行っている。
1.農用地保全
農地の維持保全のために、若者や非農家も含めた地域内外の人材を取り組む必要があることから、「天城町地域づくり協議会」を設立。協議会が主体となってワークショップやアンケート調査を行い、様々な実証活動に取り組むほか、2024年度はデジタル技術を活用した鳥獣害対策の実施などを予定している。
-
ワークショップ
-
農用地保全のための林道の清掃
2.地域資源活用
地域資源を生かした加工品の開発、規格外品や販売につながらない作物の有効活用、消費者ニーズ把握のための加工品試作に向けた講習会の実施のほか、地場産品の販売イベント「あまぎマルシェ」を開催している。
-
地場産品販売イベント「あまぎマルシェ」
-
ジャガイモを使った麺の試作品
3.生活支援
移動販売車等による高齢者の生活面(買い物等)支援のほか、2024年度は高齢農家の農産物集出荷支援を予定している。
-
移動マルシェ
-
開催日には多くの買い物客で賑わう
天城町農政課 係長 前田拓郎さん
2024年度が事業最終年(3年目)になるが、農用地保全・地域資源活用・生活支援、それぞれの取り組みをしっかり進めるとともに、天城町地域づくり協議会や各種団体と連携し、農村集落の課題解決に向けた横断的・持続的な取り組みを進めていきたい。
「地域課題への取組み事例」では、さまざまな社会課題の解決に向けた自治体の取組を随時発信していきます。