地域の課題解決 先進事例の収集と発信
地域課題への取組み事例
2022.01.11 UP
2022.01.11 UP
福岡県みやま市がバイオマス産業都市構想の一環として、生ごみ、し尿・浄化槽汚泥の資源化に取り組む「メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を紹介します。
東日本大震災以降、自然再生エネルギーを活用することへの機運が高まり、再エネ導入調査を行った結果、メタン発酵発電液肥化施設の建設が最も効果的であると判断。2013年から本プロジェクトに着手しました。
生ごみを「燃やすごみ」として焼却するのではなく、分別回収し、バイオマスセンターでし尿・浄化槽汚泥と混ぜ合わせ、メタン発酵によるガス発電を行います。ごみの減量及びバイオガス発電で、CO2排出量の削減や埋め立て処分場の延命化を実現します。
発電された電気はバイオマスセンターで自家消費し、生成される消化液はバイオ液体肥料「みのるん」として農地に還元し、資源循環型農業を展開しています。
施設の整備にあたっては、廃校のグラウンドを活用するとともに、校舎はカフェ、食品加工室、シェアオフィスなどにリノベーションを行い、現在、地域の賑わいを創出する中核施設として多くの方々に利用されています。
住民の生ごみの分別回収の協力により、焼却ごみは10,249トン(2012)から6,155トン(2020)まで減少。施設内のシェアオフィス、食品加工室は特に人気が高く、予約でいっぱいの状態が続いています。
コロナ前の2019年度は、先進地視察で2,254人がバイオマスセンターを訪問されました。
みやま市環境衛生課
主査 副島 智夫さん
生ごみを液肥にリサイクルしても、その液肥を誰も使用してくれなければ、またごみになってしまう。現在は多くの農家の方々の理解をいただき、生成した液肥はすべて消費できています。引き続きこの状態を維持していきたいと考えています。
「地域課題への取組み事例」では、さまざまな社会課題の解決に向けた自治体の取組みを随時発信していきます。