地域の課題解決 先進事例の収集と発信

地域課題への取組み事例
2021.12.16 UP

居住者37人の集落が「田んぼでSUP」による地域振興でスポーツ庁長官賞を受賞(大分県竹田市直入B&G海洋センター)

大分県竹田市久住町の居住者37人の小さな集落「丸山自治会」では、2016年に自治会公民館をスポーツ合宿拠点に改修し「スポーツ合宿誘致による地域おこし」に取組んできました。

順調にスポーツ合宿は増えて若い人が集まり地域に活気が生まれてきましたが、コロナ禍により合宿利用がなくなってしまいました。

そのため「スポーツによる新たな地域おこし」として、地域の主要産業である米作りの水田を利用した「田んぼでSUP」を開催しました。

苗を植え付ける前の田んぼ3反(約3,000㎡)に水を張った広大な水面も、水深は15㎝ほどしかありません。しかし、浮力が大きく喫水の浅い“インフレータブルSUP”なら自由に漕ぐことができます。

竹田市直入B&G海洋センターに配備されたSUP2艇を利用して、今年4月25日(日)から5月3日(祝)の休日5日間にのべ120名の参加者を集めました。

この取り組みを一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構(東京都千代田区)と公益社団法人スポーツ健康産業団体連合会(東京都港区)が共同で募集した「第9回スポーツ振興賞」に応募したところ「スポーツ振興賞 スポーツ庁長官賞」を受賞しました。

選考委員からは「SUP と田んぼの発想が面白く、着眼点が新鮮で、素晴らしいアイデアと取組です。次年度以降も新たなアイデアが出てくることを期待します。川や湖等の自然資源がない中、田んぼを活用し SUPを実施するなど工夫がみられます。自治会として限界集落の中で、魅力づくりにチャレンジし続けている点を評価します。人口減少に歯止めのかからない集落での公民館コミュニティーの活動や、スポーツ観光のユニークなコンテンツを開発し、遊び心満載の事業ができている点にこの集落の強さを感じます。」と評されました。

B&G財団は「誰もが海レクを体験できる器材」としてSUPの配備を進めてきましたが、インフレータブルSUPの可搬性と浅い喫水を活かして、今回の取組みのように「どこでも海レクを実施できる器材」としてもSUPが地域の活性化に役立っています。

竹田市久住町「丸山自治会」の地域の元気を発信する取組みが、今回の受賞に結び付きました。

「地域課題への取組み事例」では、さまざまな社会課題の解決に向けた自治体の取組みを随時発信していきます。

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