地域の課題解決 先進事例の収集と発信
地域課題への取組み事例
スクールランチ事業(北海道愛別町)
2024.05.23 UP
スクールランチ事業(北海道愛別町)
2024.05.23 UP
北海道愛別町が町立小中学校において、民間配食サービスを活用して昼食を提供する「スクールランチ事業」を紹介します。
愛別小学校のスクールランチ
この事業は、成長期の子どもたちが、平等な喫食の下での食育の推進と栄養管理の徹底により、生きる力として必要とされる食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけるとともに、家庭における昼食準備の負担を軽減し、将来にわたり安全に安心して暮らすことのできる地域社会の実現に資することを目的に2022年4月から導入されている。
愛別町では、これまで牛乳給食(牛乳のみ提供し主食とおかずは持参する)を実施していたが、働き方の多様化に伴い、家庭における昼食準備の負担軽減が必要であった。また、子どもたちに温かい昼食を食べさせたいという声も寄せられていた。
しかしながら、少子化や施設整備、人材の確保に課題があり、通常の学校給食の実施は難しい状況にあったことから、民間事業者の配食サービスを活用した持続可能な昼食提供を実現し、すべての子どもたちが平等に安全で安心したサービスを受けられる体制を構築した。
学校給食法に位置付けられた学校給食により近い形で実施するため、
・加温庫や冷蔵BOX等を使用した配送
・栄養バランスの確保
・アレルギー対策
・地場農畜産物の積極的な活用
などに重点を置くとともに、給食費の無償化を実現している。
-
愛別小学校のスクールランチの様子
-
-
愛別中学校のスクールランチの様子
-
-
児童と一緒にランチする町長
-
教育長も生徒と一緒にランチ
利用者アンケートでは、「栄養バランスのとれた食事で苦手な食べ物を克服できた」「きめ細やかなアレルギー対策がありがたい」「お弁当作りの負担や経済的負担もなく助かっている」など、たいへん好評を得ている。
愛別町 総務企画課長補佐 石川友教さん
平等な喫食機会の確保や成長期に必要な栄養の確保、食に関する正しい知識の醸成、食習慣の改善、家庭における昼食準備の負担軽減、無償化による経済的負担の軽減など、様々な効果が期待されるとともに、委託事業としたことによる人員の確保や施設維持の負担が軽減されることから、将来にわたり、地域の持続的発展に資する取組として大きな効果があるものと考えている。
「地域課題への取組み事例」では、さまざまな社会課題の解決に向けた自治体の取組を随時発信していきます。