次世代型艇庫 加美町艇庫で活用する「オリジナルパネル教材」の紹介
B&G財団では、海洋センター艇庫を活用した地方の魅力創生事業を実施しています。その実施自治体の一つである宮城県加美町では、「障がい者」「パラカヌー」「インクルーシブ」などを大きなテーマとして推進し、カヌー体験会やパラスポーツ教室をはじめ、各種運動教室を周辺環境を活かして実施しています。
加美町中新田B&G海洋センター(宮城県)では、艇庫の利用促進などを目的とした「パネル型教材」を制作しました。
パネルの概要
枚 数 | 計26枚 |
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構 成 | ①カヌー啓発関係用パネル(計8枚) ②インクルーシブスクール用パネル(計8枚) ③艇庫及び事業紹介用写真パネル(計10枚) |
大きさ | A1サイズ |
仕 様 | 塩ビタック+ラミネート加工+アルミ複合版 |
活用方法 | イーゼルを用いての展示及び掲示、事業や教室開催時の説明教材としての活用 |
制作したパネル型教材のポイント!
1.屋内でも、屋外でも使用可能
パネルは太陽光の熱にも負けない仕様で制作しました。普通のパネルだと、熱で歪んだり、反ってしまったり、また色褪せもありますが、今回のパネルは夏の陽ざしにも負けず、長持ちするよう、頑丈な作りにしました。ちょっと重いですが、逆に重さがあるので、風が強い日のイベントでも、安心して設置することができます。
2.A1サイズだから、遠くからでも見やすい!
水辺の安全紙芝居などを読むときに、遠くの参加者には見えにくいと感じた指導者の方は多いのではないでしょうか。今回のパネルは、A1サイズにしたことで、離れた距離でもパネルの内容が伝わりやすくなりました。特に屋外だと、目立つ上に、このコロナ禍でソーシャルディスタンスを保ちながらでも、質を落とさずにレクチャーや説明が可能です。
3.組み合わせることで、更なるメリットが……
子どもたちに質問すると、色々な回答が上がってきますよね。「口頭だけでなく、絵や写真を用いて、視覚的に説明してあげたい」「回答を展開・発展させて、子どもたちにとって更なる興味関心の扉を開いてあげたい」と感じる指導者の方も多いのではないでしょうか。
今回のパネル型教材は、各パネルに関連性を持たせることを意識して制作しました。
例えばこんな感じです。
指導者:障害のある人がカヌーに乗る時に、どのような点に「配慮」や「気遣い」が必要でしょうか?(パネルのQ2)
参加者A:まず、車いすからカヌーに乗る時に、障害のある人が安全にカヌーに移動することが大切だと思います。それから、介助する人も無言でサポートしていたら、カヌーに乗る人も怖いと思います。
指導者:そうですね、両方大切なことですね。カヌーに乗る際に必要なことと、サポートする人の心得を、この2枚のパネルを見ながら確認してみましょう。
参加者A:僕は水が苦手なので、川でカヌーに乗ると落ちちゃうかもとちょっと正直不安です。サポートする人が「大丈夫だよ」と声をかけるなどしたら安心すると思います。
指導者:そうですね、水が怖い人は、川や海などで体験する前にまずはプールなどで乗ってみても良いですね。ここに実際にプールで体験した時の様子があります。みんな安心して乗っていますね。また、サポートする人が楽しく接することも不安の解消にも繋がりますね。
このように、子どもたちの回答にあわせて、パネルを使いながら説明すると、子どもたちにも分かりやすくなります。いろいろな回答に対応できるよう、関連するパネルを幅広く用意しました。
4.いつでもどこでも展示できる
展示が出来るのは海洋センターだけではありません。イーゼルもセットで配備したので、いろいろな場所に展示することで、海洋センターの活動を周知し、カヌーやパラスポーツの啓発にもつながります。また、パネルを展示するだけでもあたたかみが感じられ、インテリアやエクステリアにもなります。
計26枚のパネルの紹介
①カヌー啓発関係用パネル
パラカヌー競技や艇に関すること、主に障がい者に対するカヌー提供を行う上での指導及び介助方法、加美町でのパラカヌーに関する取り組みや活動フィールドの特徴などを掲載しています。
※下記よりデータ(PDFファイル)をダウンロードできます。イベント等を実施する際にはぜひ活用してください。
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パラカヌー概要
パラカヌーの概要やパラカヌー競技における障害の程度に合わせて3つのクラスに分かれることを紹介
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パラカヌー艇説明
パラカヌーの競技は、カヤックとヴァ―に分かれます。それぞれの艇の概要や特徴を紹介
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「障がい者」の乗艇
車いすの障がい者がカヌーを体験する際、コックピットへの移動とフィッティング(身体と艇を固定するための作業)について紹介
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フィッティングの手順
実際フィッティングの手順を問題形式で紹介
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介助者の心得
障がい者の方でもカヌーを楽しめるよう、また、介助者側も安心してサポートできるよう、心得や配慮する点などを紹介
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東京パラのホストタウン
加美町におけるホストタウンの取り組みを紹介
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チリ選手団
実際に加美町の海洋センターを使って事前合宿を行った時のチリ選手を紹介
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大崎耕土
世界農業遺産に認定された大崎耕土を紹介。海洋センターにおけるカヌー活動水面も対象地区になっている
②インクルーシブスクール用パネル
加美町中新田B&G海洋センターでは、インクルーシブな施設活用と共生社会の実現に向けて、地元の中学生にインクルーシブ教育の授業を行っています。授業の際に活用できるパネルを製作しました。
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お題①
身体障害をテーマにしたお題
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お題②
聴覚障害をテーマにしたお題
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お題③
健常者や障がい者の違いをテーマにしたお題
※回答は、全写真とも障害のある方が乗艇している -
ワークシート
お題①~③を出題した際に、実際に参加者がグループディスカッションを行う際に用いるワークシート
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アダプテット・スポーツとは?
アダプテット・スポーツに関するパネル。グループディスカッション後の一つの回答として提示
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インクルーシブ・スポーツとは?
詳細:インクルーシブ・スポーツに関するパネル。グループディスカッション後のまとめとして活用
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参加者の感想まとめ
インクルーシブスクールに参加した参加者の感想を紹介
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アクティブラーニング用俯瞰図
インクルーシブスクール全体のまとめとして、参加者それぞれ学んだことを実際の私生活でどのように生かすかを問うお題パネル
③艇庫及び事業紹介用写真パネル
艇庫施設の紹介やこれまでに行ってきた教室やイベントの紹介を行い、加美町中新田B&G海洋センターの取り組みを周知するために制作しました。
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旗艦パネル
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カヌー体験会①
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カヌー体験会②
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カヌー体験会③
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施設紹介
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施設活用の様子
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リバーサイドフェスティバル
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サポートスタッフ養成講習会
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インクルーシブ学習①
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インクルーシブ学習②