次世代型艇庫 加美町インクルーシブスクール(第2回目)を開催

加美町インクルーシブスクール(第2回目)を開催
~「パラスポーツ体験」×「グループワーク」を通したインクルーシブ教育の取り組み

日本財団助成事業

加美町中新田B&G海洋センターの多目的ルームを活用して、第2回目となる「B&Gインクルーシブスクール」を2020年12月に実施し、地元中学生24人が参加。今回は「視覚障害」について学びました。

この事業は、2019年度より加美町とB&G財団が協働で実施している「次世代型海洋センター艇庫の先進的活用と地方の魅力創生」事業の一環です。

 

2020年4月にリニューアルした加美町中新田B&G海洋センターは、障がい者や健常者などの全ての地域住民に、カヌーをはじめとする自然体験や、パラスポーツ活動等を提供することを目的に施設を改修、各種事業を展開しています。

 

加美町の子どもたちに共生社会の実現に向けて、さらに理解を深める機会を提供することをねらいとして、今年度から「B&Gインクルーシブスクール」を開校することとなりました。

 

 

実施要項

※クリックするとPDFファイルが開きます。

 

B&Gインクルーシブスクールの概要

  • 「インクルーシブ」や「共生社会の実現」に向けた講義を3回に分けて実施
  • 実施内容:パラスポーツ体験及びグループワーク
  • 対象:地元中学生(3回とも同一の参加者)
  • 講師:東北文化学園大学准教授 佐藤敬広氏
1回目 テーマ:「下肢身体障害」「シッティングバレー」
2回目 テーマ:「視覚障害」「フロアバレー」「ブラインドジョギング」「伴走ロープ」
3回目 テーマ:障がい者とのスポーツ交流体験

 

タイムスケジュール

日程 活動及び
実施要素
内 容
9:30~
(20分)
挨拶・導入 町長あいさつ
前回の振り返りと宿題の確認、今日学ぶことについての説明
9:50~
(15分)
前回の振り返り シッティングバレーのふりかえり及びラリー練習
10:05~
(50分)
【実施要素①】
「視覚障害」を体感する
二人一組になって、視覚障害を体験する。
(一人がアイマスクを付けて障がい者役、もう一人が介助者役として交互に体験、障がい者役の時は、介助者と音を頼りに歩く)
①視覚障害者の誘導のレクチャー
②道路(約100m)の“歩く”体験及び誘導体験
③直線距離を“走る”体験
④直線距離を「伴走ロープ」を用いての“走る”体験
10:55~
(10分)
休憩
11:05~
(50分)
【実施要素②】
ボッチャ体験 他
①動画視聴(パラ陸上、ボッチャ、リオパラの競技の様子他)
②視覚障害者とのコミュニケーション方法について
※聴覚だけで方向感覚をとってみる体験(時計あそび)
③ボッチャ体験
※ゲーム実施(アイマスクあり・なしの両方で実施)
11:55
(30分)
【実施要素③★】
フロアバレー
①フロアバレー説明、ゴールボール紹介
②フロアバレーのミニゲーム実施
12:35~
(15分)
まとめ 今日の振り返り

 

ブラインドジョギング

 

ボッチャ体験

 

フロアバレー体験

 

生徒たちは前回行った内容を振り返りながら、シッティングバレーのラリーの練習から開始。その後、今回のテーマである「視覚障害」に関する体験を実施しました。

“伴走ロープ”を使って、目が見えない状態での「走行・ジョギング体験」のほか、「ボッチャ体験」「フロアバレー体験」を実施しました。

 

まず、目が見えない状態での「走行・ジョギング体験」を実施。二人一組になり、一人はアイマスクを付け視覚障がい者役として歩き、もう一人は介助者役として相方を助けます。光がない中で歩く・走る等の動作は怖い!と生徒たちは声を上げていました。

 

続いて、ボッチャ体験とフロアバレー体験。介助者役は障がい者への声掛けに特に苦戦しているようでした。視覚障がい者役の人に、どう説明したら方向が伝わるか、距離感をどのように伝えるかなど、試行錯誤しながら取り組んでいました。

 

最後のまとめでは、今日体験したこと、そして、前回(第1回目)に体験したことなども比較しながら、生徒同士でディスカッションを行い、うまくいかなかった点や改善点について話し合いました。

 

生徒の声

  • 視覚障がい者の方には、自分の名前を言って、自分がだれかを知ってもらい、お互いの距離を縮めていくことが大事。
  • 指示語の「あれ」や「そこ」などを使わないように気を付けたが、ついつい出てしまう。
  • 視覚障がい者の方を時計の文字盤の中心にして方向を言うなど、目が見えなくても楽しめるようにすることを心掛けた。
  • 障害のある人と一緒にスポーツを楽しむためには、まずは同じルールで同じ立場で楽しむことが大切。障害のある人でも、人それぞれ症状や障害が違うので、同じルールで平等にやることで楽しむことができると思う。

 

終了後には、最終となる3回目に向けた予行演習も兼ねて、障害がある中学生などを交えて、自由に遊ぶ時間を設けました。次回は「障がい者とのスポーツ交流体験」。加美町中新田海洋センターB&Gでは共生社会の実現に向け、今後も様々な活動に取り組んでいきます。

 

 

 

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