「B&Gかわげ海洋クラブ」は障がい者と健常者をマリンスポーツで繋ぐ(三重県津市)
三重県津市河芸町は、津市の北の玄関口に位置します。かつては旧安芸郡河芸町として、農業や漁業といった第一次産業が盛んな町でした。2006年には、周辺の市町村とともに津市へ合併されます。今回は伊勢湾に面したマリーナ河芸で活動する「B&Gかわげ海洋クラブ」をご紹介しましょう。
若い方にも体験できるプログラムができればと考えていたところで……
B&Gかわげ海洋クラブの母体は、セイラビリティ活動、子どもたちへの体験教室などを開催している「NPO法人海の達人」です。セイラビリティの語源はSailing(セーリング)とAbility(能力)が一つになった造語。障害・経験・年齢に関係なく、誰もが自由なセーリングを楽しむことができて、楽しさを分かち合えるコミュニティを広げながら、繋いでいくことを意味しています。伊勢湾の魅力を最大限に生かせる活動に取り組んでいます。
転機が訪れたのは、2017年。B&G財団から海洋クラブ加入への打診があったところからでした。「障がい者やお子様を中心に体験会を実施していたのですが、若い方にも体験できるプログラムはできないものかと考えていたところでした」と海洋クラブの阪本さん。2018年5月27日にはマリーナ河芸で舟艇器材配備式を行い、B&G財団からSUP12艇、ライフジャケット30着など、総額200万円の配備機材が贈呈。式典後には、地域の子どもたちを招待してSUP体験会を実施し、これをきっかけに活動の幅が広がりました。
セイラビリティ活動にマリンスポーツを加えたことで客層拡大へ
現在、B&Gかわげ海洋クラブは、セイラビリティ活動とSUP体験会の2本柱で運営されており、セイラビリティ活動は4月から11月の第二日曜日と第四木曜日に、SUP体験会は6月から11月の不定期で実施しています。
これまで懸案事項だった若い方の来場においても「SUPを配備頂いたことで、これまでできなかったマリンスポーツの提案が実現し、客層も広がりました。特にSUPヨガは若い女性に好評をいただいております」と阪本さんは海洋クラブ加入後の変化に手応えを掴んでいました。
「今後も障がい者と健常者が一緒にマリンスポーツを楽しめる環境を提供したい」と阪本さんは更なる向上を目指しています。これまでのセイラビリティ活動にマリンスポーツが加わったことで、利用者にとってはセーリングとマリンスポーツの両方を味わうことが可能になりました。性別や世代、障がい者と健常者の垣根を超えて、地域のシンボルである伊勢湾に面したマリーナ河芸で楽しく過ごすことができれば、最高のひと時となることは間違いないでしょう。