日本屈指の景勝地から海洋性スポーツの魅力を伝え続ける「B&G耶馬溪海洋クラブ」(大分県中津市)


 

大分県中津市は大分県北西部に位置し、県北部の中核都市です。県庁所在地の大分市をはじめ、隣接する福岡県北九州市や福岡市までは、特急で30分から60分圏内で主要都市とのアクセスが充実しています。沿岸部にあたる北部は周防棚に面し、山間部にあたる南部には「耶馬溪」と呼ばれる景勝地があります。

 

中津という地名は歴史が古く、黒田官兵衛が豊臣秀吉から豊前6郡の16万石を与えられた後に拠点を山国川河口部へ移し、中津城を築城したところから始まります。1871年の廃藩置県において中津県となり、小倉県、福岡県を経て、1876年に中津支庁が設置されたことで、大分県北の中心地として発展していきます。合併を繰り返した後、2005年に旧下毛郡を編入して、現在の中津市が誕生しました。

 

「耶馬溪」は山国川の上流・中流域およびその支流地域にある渓谷で、大沼(北海道)、三保の松原(静岡市清水区)と並び、日本新三景と呼ばれています。今回は、日本屈指の景勝地「耶馬溪」を中心に活動中の「B&G耶馬溪海洋クラブ」をご紹介しましょう。

 

 

 

海洋クラブ加入でカヌー・SUPといった機材が揃い、懸案事項が解決

 

 

B&G耶馬溪海洋クラブの母体は水上スキーチーム。クラブの中村大悟さんは「水上スキーチームとして近くの耶馬溪湖で活動を続けていましたが、水上スキーだと夏季に開催が限定されることや速さによる恐怖から子どもたちが教室参加を見送るなど、保護者のニーズに応えきれない課題を抱えていました」と話します。

 

既に水上スキーチームとして活動をしていましたので、水面環境や指導者、浮桟橋、クラブハウス、トイレといった拠点を持っています。そのため、水上スキー以外の海洋性スポーツに取り組める環境は整っていました。

 

「カヌーやSUP教室を水上スキーと同時に、または別開催とすることで、季節に関係なく子どもたちが様々な海洋性スポーツを楽しむことができ、保護者からも安心して参加させてくれるようになりました」と中村さんは海洋クラブ加入によるメリットを示しました。

 

海洋クラブ加入から活動の幅を広げたことで、B&G耶馬溪海洋クラブは認知度を上げることができ、クラブ生も増加。地元のケーブルテレビから取材依頼が入るなど、メディア露出も多くなりました。こうしてB&G耶馬溪海洋クラブは地元の顔へと成長していったのです。

 

 

 

水上スキーチームの強みを生かした「プールで水上スキー教室」を全国で初開催

 

 

B&G耶馬溪海洋クラブは、耶馬溪ダムにある耶馬溪アクアパークとB&G耶馬溪海洋センターのプールを中心に活動を続けています。

 

活動の中心は、水辺の安全教室を実施後、海洋クラブメンバーと一般の子どもたちが一緒にバナナボート、カヌー、SUP、水上スキーといった海洋性レクレーションで構成される「子ども水上スポーツ教室」です。

 

母体である水上スキーチームの強みを生かした「プールで水上スキー教室」は、B&G海洋センターとしても全国で初めて開催した事業です。小プールでは幼児を対象に、大人が水上スキーをロープで引っ張ります。大プールでは小学生を対象に、ウィンチを利用して水上スキーを行いました。最近は他の海洋センターからも依頼があり、これまで10か所の海洋センターで出前講座を実施しています。

 

さらに地元婦人会やサークル、地域内最大のお祭り「耶馬溪湖畔祭り」にも参加して、観客の前で水上スキーのデモンストレーションを行うなど、地域活性化に一役買っています。

 

 

 

軽スポーツへの挑戦、海洋クラブ同士の交流実現へ舵取り役を担う

 

 

中村さんは今後の活動について、軽スポーツ(ニュースポーツ)といった新しいジャンルへの挑戦に意欲を示しました。

 

「耶馬溪ではスポーツ協会主催で年に一度、軽スポーツ大会を実施しています。耶馬溪海洋クラブからも数チームがエントリーし、熱戦が繰り広げられました。観客席に座る保護者、試合をする子どもたち、それぞれが楽しめてチームが一丸になりますね」と中村さんは軽スポーツの魅力を熱く語ります。

 

将来的には「市町村やブロックを超えた海洋クラブ同士の交流を実現」を口にした中村さん。水上スキーにカヌーやSUPといった機材が加わったことで、海洋性スポーツからの多様な交流が見えてきました。

 

そして、地元の人々と交流を通して、子どもたちの人間性は高まっていきます。自然豊かな耶馬溪で水上スキー、カヌー、SUPと出会ったことが、子どもたちにとってかけがえの無い財産であってほしいですね。

 

 


B&G財団
B&G財団は、全国の地域海洋センター・海洋クラブ、また他団体とも連携して、自然に親しみながら子どもたちの“こころ”と“からだ”の育成をはじめ、地域の皆さんの健康づくりに取り組んでいます。

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