2024.09.10 UP 防災拠点事業 災害時の重機活用を学ぶ「広域研修C(北海道ブロック)」を開催

日本財団助成事業

「防災拠点の設置および災害時相互支援体制構築」事業(以下、「防災拠点事業」)の一環として、9月2日(月)に、油圧ショベル操作等の技術向上を図る「広域研修C(北海道ブロック)」をRVパーク石狩FIELDで実施した。

「広域研修C」は、災害現場で役立つ実践的な知識や技術を学ぶだけでなく、研修内容をコーディネートできる人材育成を目的としており、今年度から初めて全国を北海道、東北、関東、関西、九州の5ブロックに分け研修を実施。周辺自治体との連携体制の強化および地域特性等を活かした実践的な研修を提供し、地域防災力の向上を図る。

今回の北海道ブロックでは、第一期・第二期拠点として支援決定した5自治体の12名を対象に、研修を実施。参加者は「小型車両系建設機械の業務に係る特別教育」修了者で、油圧ショベル操作の応用となる解体フォークの操作やクイックヒッチ操作などを、技術系プロボノ団体「DRT-JAPAN」の山本俊太さんと被災地支援のボランティア団体「石狩思いやりの心届け隊」の熊谷雅之さんら、第一線で復興支援活動に取り組む経験豊富な講師陣から学んだ。

スケジュール

時間 項目 内容
9:00 挨拶・研修概要 講師紹介、事業説明・目的共有
9:10 バケット操作 実技(掘削操作)
10:00 クイックヒッチ 統一配備した重機の操作実践
11:00 フォーク操作 がれき撤去等を想定した、ハサミを使った作業
12:00 休憩 昼食休憩
13:00 フォーク操作 がれき撤去等を想定した、ハサミを使った作業
14:00 クイックヒッチ 統一配備した重機の操作実践
15:00 クローラートラブル等について 座学での講義
  • 講師の紹介

    講師の紹介

  • フォーク操作

    フォーク操作

  • クイックヒッチ講義

    クイックヒッチ講義

  • クイックヒッチ実践

    クイックヒッチ実践

  • フォーク作業

    フォーク作業

  • バケット操作

    バケット操作

  • ダンプ積込み作業

    ダンプ積込み作業

  • 集合写真

    集合写真

講師の山本さんは、「重機が災害現場に入って家屋を壊す場合もある。被災した方の想いや現地の状況をくみ取って一つ一つの作業に気持ちを込めて丁寧に作業してほしい。そのためには、普段から重機を扱って自分の手足のように動かせる技術取得・向上が重要になる」と話し、熊谷さんは、「防災拠点を有する自治体の備えとして、人材育成、被災を想定した訓練、拠点を有していない周辺地域との繋がりも重要」だと述べた。

参加者の声(感想)
・実際に復興作業に従事している講師の方だからこその視点で講習いただけたため、非常に勉強になる内容だった。将来的に、スムーズに復興作業をリードできるような職員になれるよう精進したい。
・便利で簡単に扱うことができる重機だが、安全確認を怠ると重大な事故につながってしまうことが再認識でき、今後の災害現場での活動や、日ごろの習熟度向上練習等にて、常に肝に銘じていきたい。
・説明が非常に分かりやすく、特に拠点研修で難儀していたアタッチメントの付け替え作業が非常にスムーズに行えるようになった。重量物や長物を用いた重機操作など、災害時を想定した実践的な操作を多数経験することができ、とても有意義な研修であったと感じている。
・定期的にBG主催としてこのような研修を実施してほしい。被災地への人材派遣要請があれば応答する。
・自治体内でしっかりと復習の機会を設け、技能の定着と参加できなかった他の職員への共有を図ると同時に、他拠点の職員との情報交換等の連携も継続して行っていきたい。

などの積極的な姿勢が見受けられた。

防災拠点事業は、災害発生時の緊急対応・避難所運営に必要な防災倉庫の整備、油圧ショベルやダンプ、救助艇などの機材配備、災害現場で役立つ実践的な研修などにかかる費用について助成を行うとともに、周辺自治体との災害時相互応援協定の締結など支援体制づくりを推進。本事業は2021年度から開始し、第一拠点、第二期拠点あわせて全国35道府県54市町村に設置済み。2024年度は第三期拠点として新たに12道府県15市町村への設置を決定した。

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