防災拠点事業 油圧ショベル等の技術向上を図る「広域研修」を開催
2021年11月9日(火)から26日(金)にかけて、「防災拠点の設置および災害時相互支援体制構築事業 広域研修」を長野県小布施町で開催しました。
この研修会には全国25の防災拠点から自治体の防災担当者や消防士など59人が参加。重機など使用機材を考慮し、2泊3日の行程で、4回に分けて実施しました。
本研修は、「小型車両系建設機械の業務に係る特別教育」を修了した防災拠点担当者が、油圧ショベルやスライドダンプの災害現場で役立つ実践的な知識や技術、練習方法などを学ぶことを目的にしています。
1日目は、長野市のJA長野県ビルで学科研修を実施。災害現場の第一線で復興支援活動に取り組む、日本財団災害対策事業部アドバイザーの黒澤司さんと、技術系災害ボランティアネットワークDRTJapanの山本俊太さんから、災害時の特殊車両の必要性や重機の安全性と事故について講義いただきました。講義終了後は駐車場へ移動して、実機を使ってスライドダンプと油圧ショベルのメンテナンスについて学びました。
2・3日目は小布施町nuovoパークで、実際に油圧ショベルに乗り、水平引きなどの基本操作から障害物等を乗り越える斜面・片輪走行の練習のほか、スライドダンプで重機を輸送する際の積み降ろし方法などについて実地研修を行いました。
講師の山本さんは、「油圧ショベルが災害現場に入って、階段や家屋を壊してしまう場合もある。復興のためには残すことも大事。遺影など被災者が大切にしているものを残すためにも、丁寧な操作が必要となる。まずは重機でこんなことができるという『引き出し』を増やしてほしい」と話し、一つ一つの操作練習がなぜ必要なのか、参加者も熱心にメモを取りながら学んでいました。
参加者からは「災害時の対応について改めて考えることができた」「実際の災害現場での活動の話を聞くことができて非常にためになった」「より実践的な重機の操作方法を学ぶことができた」「3日間、楽しく技術を習得することができた」「他市町村の防災担当職員と情報共有ができたのがよかった」といった感想が寄せられました。
この研修で得た知識や技術、横のつながりを今後の活動に活かしていきます。
防災拠点事業は、防災倉庫の整備、油圧ショベルやダンプ、救助艇などの機材配備、災害エキスパート研修など人材育成にかかる費用について助成を行うとともに、周辺自治体との災害時相互応援協定の締結など支援体制づくりを推進するもので、今年度は20道県25市町で実施しています。
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