海洋クラブへ加入した事で安全に対する意識が向上した「B&G富山海洋クラブ」(富山県富山市)
住んでいる街と住みたい街に選んだ市区町村が同じである人の割合をランキングにした「全国住み続けたい街ランキング2020」で、富山市は1位に輝きました。市内の中心部を路面電車で回遊できるなどコンパクトシティとしても名高く、富山湾や立山連峰といった自然に囲まれた街です。
今回は、そのお膝元で活動する「B&G富山海洋クラブ」をご紹介しましょう。
安全面のノウハウを手に入れる
「B&G富山海洋クラブ」の母体は、地元で活動するカヌークラブ。2017年2月、富山市環水公園管理事務所にB&G財団担当者から電話連絡を受けたことがきっかけとなり、海洋クラブの存在を知ることになりました。
B&G富山海洋クラブの能登聡さんは、財団から多くの制度援助を受けられることや老朽化したカヌーの再配備ができることを知り「新艇を中心に、私たちが実施している親子カヌー体験会をさらに広めていきたい。そこに参加した子どもたちがやがてアスリートとして成長し、全国大会、国際大会へ挑戦する姿を見たい」という大きな夢に向けて海洋クラブ加入へ舵を切ります。
毎年10月に開催する富山市運河祭りにはカヌー体験会を実施するなど、海洋クラブ加入前から活動されていましたが、海洋クラブ加入後に「水辺の安全教室」など安全面のノウハウを手にしたことで、技術面に加え安全指導を加えることができ、内容が充実しました。これをきっかけに、能登さんをはじめとしたカヌークラブスタッフは、安全に対する意識を大きく持つことになります。
「事故が一番怖い。現在では3人以上指導者が水面へ出て、安全面に配慮しています」
海洋性スポーツにおいて、水難事故は避けなければなりません。「15分から20分の体験ですが、安全面に気をつけながら、体験者がカヌーを自由に安心して漕いでもらうことが大切」と能登さんは話します。
今後は障がい者対象のカヌー教室も
B&G富山海洋クラブは、4月から11月までの第3日曜日を基本として、カヌー体験会を実施しています。シングル、ペア、親子で乗れる2.5人カヌーも準備していて、特に親子で体験される方が多く、順番待ちになるほど盛況です。夏には、能登島カヌーツーリングを実施しています。
乗船前には、体験者全員にカヌーの乗り降りやバドリングといった技術指導や安全指導を行っています。消毒液や受付のアクリルシート設置、マスク着用、体験者全員に使い捨て手袋の支給といったコロナ対策も万全。公園管理事務所からAEDをお借りして、スタッフの緊急救命講習を定期的に実施し、非常時に備えています。
他にも、2019年8月には学生ボランティア養成事業、10月には東京運河ごみゼロカヌーツーリングといったB&G財団の活動にも意欲的に取り組んできました。
今後は「これまでの活動を続けながら、障がい者を対象としたカヌー体験会を実施したい」と能登さんは海洋クラブ活動に方向性を示します。
大好きなカヌーを安全に教えることにより、体験者が安心してカヌーを楽しく漕ぐことができます。カヌーに乗ってみたいけど少し不安と思えば、安全面に配慮したカヌー活動を展開されている「B&G富山海洋クラブ」を覗いてみてはいかがでしょうか。