【B&G職員リレートーク】自然体験活動の教育効果測定 その2
職員リレートークB&G財団 事業部岡田です。
昨年5月「自然体験活動の教育効果測定」と題して、「海を守る植樹教育事業」の教育効果を定量的に測定する試みについて、ご紹介しました。
取りまとめの時期に、ブログの順番が回ってきました。
魚釣りや、かわいい小鳥の話題は次に譲り、少しオカタイ話にお付き合いください。
質問:「身の回りにある木の名前を書いてください。(8種まで)」の回答結果は?
答え:1位はサクラ(回答者中51.8%が回答)、2位はマツ。(同41.2%)
これは、皆さんの予想どおりでしょう。では、3位は?
花粉に悩む人は「スギ」と答えるでしょうが、惜しくも僅差で4位(同29.3%)。
春のサクラが1位なら、秋のスター「カエデ(総称モミジを含む)」は5位(同24.7%)でした。
スターと言えば「ご当地スター」も強力です。奄美諸島や沖縄県では「ガジュマル」がトップスターです。特徴的で覚えやすいカタチも人気の秘密でしょう。
実のなる「クリ」、「カキ」、「ミカン」なども人気です。
これらの人気者を押しのけて、3位に輝いたのは「イチョウ」(同30.1%)でした。
公園や街路樹として身近にあり、イチョウ目イチョウ科で1種の独自性、覚えやすいカタチ、実のなる「ギンナンの木」と回答した方もいます。
目立たないながら、人気上位の木の条件を全て備えていますね。
長々と書きましたが、「定量的な測定」とは、根拠となる「数字」を示して、説得力を持たせることができるのです。
しかし、「B&G職員10人の好きな木 ベスト3」では、説得力がありません。
「定量的な測定」には、回答の規模が必要となります。
(この先は、ビジネス本の受け売りです。)
最も正確な測定結果は、「対象者全員の調査」から得られる「真値」です。
しかし、日本国民1億2千万人アンケートはムリですし、今年植樹に参加した数十万人アンケートもムチャです。
そこで、2つの条件からサンプルサイズ(標本数)を決め、調査します。
- 全員調査の測定結果「真値」との誤差を示す「許容誤差範囲±3%」。
(±10%でおおよその傾向、±5%が通常の調査、±3%は高精度!) - 全員調査と比べ、測定結果がどれくらい信頼できるかを示す「信頼率95%」。
(同じ条件で20回調査すると、19回は同じ結果になる。19/20=95%)
質問:この厳格な条件で、母集団を日本国民1億2千万人とすると、サンプルサイズは何件必要なのか?
答え:1,068件
案外、少ないでしょう。実は、母集団1千万人で、1,067件、百万人で1,066件、1万人で965件、1千人で517件、100人で92件という様に、統計学的な計算により「1,000件」あれば、母集団が多くても正確な調査となるそうです。
(※正確には、サンプルに「B&G植樹事業参加者」という偏りがあります。そのため、「植樹参加経験なし」のコントロールグループも調査しました。)
今回、植樹地のご協力により、1,000件以上のアンケートが集まりました。
参加者の回答を読み、地方名で書かれた樹種や地名・施設名を調べ、感想をすべて入力することで、間接的ながら1,000人以上の方と対話できたように感じています。
植樹事業参加者の意識が、どのように変化したか?
その変化は、①自然体験活動として、②植樹を実施した地域にとって、③森川海のつながりを重視したB&Gとして、3者それぞれに どのような成果があったか、私案をまとめています。
この案を、大学教育学部の専門家、生態学の専門家、植樹の専門家にチェックしていただきます。
先生方から、「牽強付会」、「我田引水」、「こじつけ」と言われないように、「定量的な測定」に「正しい分析」ができると良いのですが・・・
結果は、年度末に公開しますので、ご一読いただければ幸いです。
マーケティング調査に役立つ情報ですね。勉強になります。ありがとうございます❗
前回に引続き、コメントありがとうございます。 今回1,085件のアンケートを集計し、植樹に取組む方、植樹を行う地域の方に、「植樹の効果を定量的に」表現したいと考えております。