【B&G職員リレートーク】あなたは海が好きですか?
職員リレートークこんにちは、事業課の林です。
海離れという言葉が叫ばれるようになって、もうどれくらいたつでしょうか。
余暇の多様化等を要因とした海水浴人口の減少は紛れもない事実であり、私の周りでも、晴れた夏の休日に海に行くという友人知人はごくわずか。
・・・そんな日本に危機感を抱いています。
海が生活に根付いた国で暮らして・・・
私は幼い頃から海と英語が好きで、単身渡豪し、シドニーという港町で学生時代を過ごしました。
四方を海に囲まれた国同士ですが、オーストラリアは日本に比べてヨットやボートを持つ人口の割合がとても高い国で、休日になればシドニー湾の至るところがプレジャーボートで溢れます。
このようなお国柄なので、泳げないオーストラリア人を聞いたことがありませんし(最近は海をあまり知らない移民が増えて水難事故が増加しているそうですが)、海沿いの街には5歳児ぐらいからシルバーまであらゆる世代のサーファーが溢れ、ライフセーバーは公務員として確固たる地位のもとに従事しています。
彼らにとって海は人々の生活になくてはならないものであり、常に身近にある愛すべき存在として、この国の文化形成の大部分を占めています。オゾンホールと日焼けのしすぎで、皮膚がんが多いことは社会問題化していますが、少しくらいふくよかでも! 還暦を越えていても! ビキニで堂々とビーチライフを満喫するマダム達の姿には本当に勇気づけられたものです(笑)!
海が取り持つ嬉しいご縁!
シドニーでの生活を終え、約10年前に久しぶりに日本に帰ってきた私は、日本も同じように周りを海に囲まれた国なのに、「危ないから行くな」「怖くて子供を連れて行けない」という大人が多くてもったいないな~ そんな風に思っていました。
そこで、私は1人でも多くの人に海の楽しさ、素晴らしさを伝えたいと思い、今、この仕事をしています。海を甘くみてルールを守らなければ命に直結し、時には猛威を振るって多くの災害をもたらしますが、自然界のパワーと雄大さと面白さを感じられる貴重な場所でもあります。
数年前のちょっと遅れた夏休み。旅先の離島の海岸でシュノーケリングをする小学生の男の子がいました。
お父さんと一生懸命に魚を探すも中々見つからず、少し不機嫌でしかめっ面。
お父さんはちょっぴりお疲れモード。
そこで私はその男の子に、「ここに青い魚がいるよ~!あ、こっちには赤い魚が~っ!見える~?」・・・と、突然指差しながら一緒にシュノーケリングを始めました。
男の子は瞬時に笑顔になり、初対面の私ともすぐ打ち解け大興奮でした。
宿に戻ると、なんとそのご家族と再会。
おせっかいをしてお父さんの顔を潰しちゃったかな~と、密かに反省しながらも、ご両親からはとても感謝され、翌日も海で再会して楽しいひと時を過ごしました。
見知らぬ土地で海が繋いでくれたご縁に感謝! でした。
また、つい先日、知人に「海に連れて行ってください」と頼まれ、海水浴に行きました。
泳ぎ疲れた彼女に、「浮き輪もなく脚がつかなくて疲れた時はこうやって、ふわ~って背浮きをして休憩するといいんですよ」と伝えると、「本当だ~!らくち~ん!初めて知った~!」と大興奮。
それからというもの、泳ぐというより背浮きばかりしていた彼女(笑)。日々忙しく働くアラサー女子の彼女にとって、海には抜群の癒し効果があるようです。
子供たちに教えてあげたい大切なこと・・・
一方、仕事においても、今年の夏に実施した東京湾海洋体験アカデミーでは、「海は怖いもの」と思っていた宮城県から来た男の子が、東日本大震災以来5年ぶりに海に入り、「海は楽しいものだとわかった!海を大切にしていきたい」と言ってくれたり、ひとり親家庭対象事業では、物心ついて初めて海に行ったという子供たちに、「海の水ってしょっぱいんだ!」と興奮しながら、海の魅力を全身で感じてもらったりすることができました。
私は、誰かが海の楽しさを発見した時の顔を見るのが大好きです。
仕事となると、どうしても運営効率や安全管理が先に来てしまいがちですが、やっぱり一番大事なことは子供たちがいかに海を楽しんでくれているかです。
それが確信できた時が、本当にやりがいを感じる瞬間です。
彼らにしてみれば、私たちが企画するイベントに参加することは、長い人生の中でわずかな時間だと思います。
しかし、たとえ小さなきっかけでも、この経験が心に残り、彼らが成長して自分の家族ができた時、この夏を思い出して海に出かけてくれたら嬉しく思いますし、そんな子供たちを増やしていくことが、海に囲まれ、海の恩恵を存分に受けて暮らす日本の大人たちが、「これからの子供たちに教えてあげるべき大事なこと」のひとつなのではないかと思います。
全国の海洋センター所在自治体にも、素晴らしい海がたくさんあります!
ぜひあなたの近くの素敵な海を探すことから始めてみませんか?
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