【B&G職員リレートーク】なくしたい!海洋プラごみ


企画部の東條です。

 

微小プラ 人体からも検出

 

先日、「マイクロプラスチック」が人体からも検出されたとの衝撃的な新聞記事がありました。その数日後に見つけたのは、「世界の塩9割 微小プラ検出」とのショッキングな記事。いずれの記事も大きくはありませんでしたが、海の漂流・漂着ごみへの関心の高低に係らず、「ギョ、ギョ、ギョ」としてしまう内容ではないでしょうか。

 

海岸に大量に漂着したごみの風景

海岸に流れ着く漂流ごみ

 

私が、漂流・漂着ごみに少なからず関心を持つようになったきっかけは3つあります。まず一つは、昔の沖縄の海洋博記念公園にあった「海洋生物園」の入り口付近に展示してあった死んだイルカの胃袋にあった大量のビニール袋を見たときからでした。イルカやウミガメは、海に漂うビニール袋をクラゲなどと見間違い、食べてしまうことがあり、消化できないビニール袋は胃袋や腸に堆積。最後は食事ができなくなり死に至るとのことが、解説として掲示されていたように記憶しています。ちなみに、この展示は、今でも美ら海水族館の出口付近あったと思います。

 

二つ目は、身近な東京湾にも、不法に廃棄されたレジンペレットがあることを、15年前ぐらいに参加した海洋教育関係のフォーラムで知ったときです。そして最後となる三つ目は、島根県の西ノ島町B&G海洋センターのシーカヤック体験で見た、大陸から流れ着いたと思われる大量の漂着ごみです。

 

西ノ島は隠岐諸島を構成する島で、歴史と自然豊かな町です。この町にある西ノ島町B&G海洋センターでは、ダイビングやシーカヤックなどのマリンスポーツが体験でき、修学旅行生の受け入れなど行っています。シーカヤックは、道路が接続していない海岸でも、海から上陸できることが醍醐味の一つですが、その海岸に、中国語やハングル文字で表記された、プラスチック容器などの大量のごみが流れ着いていました。陸上からのアクセスが困難なため、その回収もなかなか進んでいないようでした。

 

漂着ごみについては、ハワイやアメリカの西海岸に、日本からの大量のごみが漂着するようですので、お互い様ではあると思いますが、海洋生物はもちろんのこと、人間の体内にも微小プラがあることを考えれば、とにかく自然分解されないプラスチックごみを減らすことが海洋環境に関する喫緊の課題です。

 

かなり以前の写真ですが、西ノ島の漂流ごみです

かなり以前の写真ですが、西ノ島の漂流ごみです

 

思い返せば、わたしが子供時分のころは、小さな紙袋が身近にもっとありました。駄菓子屋でパンを買ったときの商品を入れる袋は、ヤマザキパンの白い紙袋でした。ストローもぜいたく品で、誕生日などの特別な日でなければ使うことはめったにありませんでした。外食先でストローがあったときは、うれしくて持って帰ったこともありました。

 

しかし現代では、コンビニで買い物すれば、必ずビニール袋に買った商品を入れてくれますし、コーヒーショップでアイスコーヒーなどの冷たい飲み物を注文すれば、ストローは必ずついてきます。気が付けば、身の回りにプラスチック製品があふれていました。

 

こんなことを考えていますと、プラスチック製品を減らすことができるのかと悲観的になってしまいますが、すでにプラスチックごみ削減に向け国や企業が動き出しています。一例をあげますと、環境省が全省庁で「使い捨てプラ食器」を禁止とする方針を固めたとの報道がありました。また、自然界に生息する微生物により分解される「生分解性プラスチック」の開発と量産も進んでいます。

 

美しい青い海と青空の画像

美しく安全な海を残したい

 

プラスチックごみを油に戻す技術も進んでいるようです。この廃プラスチック燃料を使い、船で世界一周するユニークな計画がフランスで進んでおり、資金調達などが順調に進めば、2019年にマルセイユを出港するとのことです。

 

B&G財団でも、海辺や水辺の清掃活動・環境保全活動である「B&Gクリーンフェスティバル」を1988年から全国の海洋センターや海洋クラブで続けています。毎年7トンを超えるごみを回収。1万人を超える方々にご参加いただいています。

 

クリーンフェスティバルに参加してくれた子供たちと、集めた大量のごみ

毎年各地で実施されている「B&Gクリーンフェスティバル」

 

ごみを減らす、環境を守ることは、個人個人の小さな行動がとても大切です。私も少し生活態度を改めて、海洋環境の保全に貢献していきます。

 

 


企画部 企画広報課 東條 剛之

1 コメント

  1. 四国 徳島県阿南市  金久 博   より:

    美しい日本、美しい海浜、私たちの心の中には、清潔で綺麗、整理整頓、など、幼き頃から教わってきています。BG財団のクリーン作成の取組は、これからも全国で展開してほしいと思います「地域の生活環境教育として」。おおげさなものでなく、活動の中での一コマに位置付けることで。 BGの日常的な活動として。

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