【B&G職員リレートーク】B&G防災教室の願い~BGらしい防災教育の探求~


海洋センタークラブ課の美濃越です。

 

先日、私達が働いているビルで防災訓練があり、ヘルメットを被り非常用袋を背負って、9階の非常階段から降りる体験をしました。毎年恒例の訓練なのですが、9階の非常階段から降りる足は震え、震災時にどうなるかを考えると不安になります。都心で働いていると勤務中に「自然」を感じることはあまりありませんが、大地震などの災害時を想定すると、コンクリートに囲まれて働いていても、自然の力の大きさを実感せずにはいられません。

 

今年は、6月大阪府北部地震、7月西日本豪雨災害(平成30年7月豪雨)、9月北海道胆振東部地震、そして非常に強い勢力の台風の襲来と全国各地で自然災害が相次ぎ、各地で大きな被害が発生しました。

 

そして、災害発生の度にテレビで映し出される映像は、濁流に飲み込まれる家や土砂災害後に変わり果てた山々など衝撃的なもので、自然の怖ろしい一面を、次々に我々に印象づけます。でも、自然は怖い面だけでないことは誰もが知っているはずなのです。

 

今年度からB&G財団が全国の海洋センターや海洋クラブを拠点に推進している「B&G防災教室」では、ふるさとの自然の恵みや遊び方、楽しみ方を子供達としっかりと共有することから始めています。これは、自分が生まれ育ったふるさとや自然が好きだという心を大切にしたうえで、自然災害について学んでほしいという願いからで、まずは、自然を好きになることやふるさとを知ることが、災害から命を守ることにつながっていくと考えているからです。

 

全国の海洋センターで行われている「B&G防災教室」の様子。自然の楽しさから自然災害時の対応を学びます

全国の海洋センターで行われている「B&G防災教室」の様子。自然の楽しさから自然災害時の対応を学びます

 

今年5月、東日本大震災で被災した宮城県亘理町海洋センター艇庫が復活しました。亘理町は最大12.3mの津波に襲われ、多くの家屋とともに海洋センター艇庫も全壊しましたが、艇庫再開に合わせて、震災前に全小学校を対象に行ってきたカヌー教室を再開。町内の5年生の児童は、全員が地域の海でカヌーを体験します。子供達は、海の楽しさを体験しながら、高い堤防ができた理由も学んでいます。ふるさとの自然の中で遊ぶ楽しさを体験することで、楽しむためには災害についても学ばなければという意識も芽生えてくるようです。私もこの夏、お邪魔してきましたが、子供達の笑顔がとても印象的でした。

 

笑顔でカヌーを楽しむ亘理町の子供達

笑顔でカヌーを楽しむ亘理町の子供達

 

B&G海洋センターは、全国390自治体471ヵ所に所在していて、周りの環境も様々ですし、想定される自然災害も過去に経験した災害も色々です。

 

現在、B&G指導者の皆さんに行っていただいている「B&G防災教室」が、それぞれの地域に合った内容で各地に根付いて、ふるさとが好きな子、自然が好きな子、自然災害から命を守れる子、そして、自然の猛威を経験した後にも、やっぱりふるさとが好きな子が育っていってくれることを願っています。

 

全国の海洋センターの168ヵ所が避難所に指定されており、初動体制を確認する避難所開設訓練も行っています

全国の海洋センターの168ヵ所が避難所に指定されており、初動体制を確認する避難所開設訓練も行っています

 

また、学校や職場では、定期的に防災訓練は行っていても、家庭では、防災対策について話すことはあまりないのではないかと感じています。防災教室を体験した子供達が、家に帰って、教室の内容をお父さんやお母さんに話すことで、各家庭の防災対策のきっかけとなれば嬉しいです。

 

→B&G防災教室 指導者用映像はコチラ。ぜひ、ご覧ください。


地方創生部 子ども支援課 美濃越 香織

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