事業内容を知る 障がい者スポーツ基盤整備事業

B&G財団ではこれまで、体験格差解消に向けて、全国各地の海洋センター・クラブと連携し、障がい児・者にマリンスポーツ体験機会を提供するほか、各種軽スポーツ教室を開催するなど、障がいの有無に関わらず誰もがスポーツに親しめる機会の創出に努めてきた。
 2024年度は、当財団に寄せられた「体験格差解消に向けた寄付金」を活用し、新たに以下の10センター・クラブにおいて、「障がい者スポーツ基盤整備事業」を開始した。

2024年度実施センター一覧

No. 道府県名 海洋センター・クラブ名
1 北海道 大空町女満別海洋センター
2 北海道 砂川市海洋センター
3 青森県 平川市尾上海洋センター
4 埼玉県 嵐山町海洋センター
5 山梨県 山梨市牧丘海洋センター
6 山梨県 南アルプス市白根海洋センター
7 岡山県 井原市美星・井原海洋センター
8 広島県 東広島市黒瀬・安芸津海洋センター
9 徳島県 美波町由岐海洋センター
10 高知県 YASU海洋クラブ

ねらい

健常者に比べ障がい者のスポーツ実施率が低い理由は、障がい者が気軽に利用できる施設の少なさなど環境的な制約のほか、子どもの頃から楽しみながらスポーツに触れる機会が少ないために、スポーツの楽しみを知らないまま大人になることが挙げられる。しかし、スポーツには、身体を動かすことによって得られる身体的・心理的な爽快感のほか、体力向上はもちろん、交流機会の増加や社会性の発達に繋がるなど、多くのメリットがある。

  過去2年間のスポーツ庁受託事業「障がい者スポーツ推進プロジェクト」での取り組みなどを経て、本年度は、特に障がい児にスポーツの楽しさを経験してもらい、子どものうちから定期的な運動習慣が得られるよう、放課後等デイサービスなどと連携し、比較的ハードルが低い軽スポーツ教室の開催などを通して、障がい児が気軽に足を運んでもらえる施設となるよう、各海洋センター・クラブにおいて取り組みを進めている。

  各海洋センター・クラブでは、受入れ体制を整えるために、自治体の福祉関連部署や他団体との連携を強化し、協力関係を構築するとともに、指導員の資質向上のための研修会を開催。   また、障がい児の受け入れや運動支援・指導をするにあたって抱える疑問点や不安などが解消できるよう、当財団主催でオンライン講習会(6月25日)を開催したほか、先進的な取り組みをしている海洋センター指導員からの事例共有会(8月28日)も実施。指導者間の情報交換も促進しながら、より良い環境整備や教室運営を目指している。

  • オンライン事例共有会の様子

    オンライン事例共有会の様子

  • 先輩指導者の様々な「工夫」を共有

    先輩指導者の様々な「工夫」を共有

活動レポート

今回、東広島市黒瀬B&G海洋センターが行った活動を紹介する。

■東広島市黒瀬B&G海洋センター(広島県)

実施日時:2024年8月17日(土)9:30~11:30
対象:軽度発達支援サークル所属の障がい児8人
指導体制:海洋センタースタッフ3人、大学生ボランティア6人
内容:カヌー、SUP、水上バイク、救助艇の体験
担当者所感:小学校中学年から中学生とその家族が参加。乗り方や漕ぎ方の説明後、すぐに乗ってもらった。初めて体験する子供たちが多かったが、ご家族と一緒に体験することで安心して体験し、すぐに慣れて上手に乗っていた。

実施日時:2024年8月23日(金)14:00~16:00
対象:放課後等デイサービス所属の障がい児35人
指導体制:海洋センタースタッフ2人、施設職員15人
内容:モルック・ボッチャ体験
担当者所感:事前に準備を手伝ってれた3名の施設職員の方に細かいルールを伝達したことが本教室の成功に繋がった。体験会中に、他の職員にもルールを伝達してもらえたことで、子どもたちも徐々にゲームの面白さを理解して、勝ったチームは盛り上がり、負けたチームは悔しそうにしつつも充実した表情がうかがえた。練習では、ピン(スキットル)を倒すのが難しい子も多く見受けられたため、投げる距離を短くするなど工夫した。

障がい者スポーツ基盤整備事業
本事業は、障がい児・者が多様なスポーツやレクリエーションを継続的に楽しめる環境を自治体の公共スポーツ施設であるB&G海洋センターに整えることで、地域の障がい児・者がスポーツやレクリエーションを楽しむことができる機会を創出し、心身の健全な発達を育むとともに、インクルーシブな社会の実現を推進することを目的としている。

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