【B&G職員リレートーク】自然体験が未来を切り開く鍵になる。


事業部の坂倉です。

 

「宣誓、我々はスポーツマンシップに則り、正々堂々と戦うことを誓います」。

ご存知、アマチュアスポーツの大会で行われる気合の入った選手宣誓の文句である。

そして、「正々堂々」と戦った後の選手の弁は心を打つ。

 

特に印象に残るのは、夏の全国高等学校野球選手権大会でよく見る敗者のインタビューだ。涙をこらえながら今までお世話になった監督や仲間、親への感謝の言葉を語る姿は、テレビで見ている私たちに大きな感動を与えてくれる。インタビューに答えた選手にとっては、このときの悔しさが、また始まる厳しい練習にも耐え抜く原動力となり、きっと新たな自分に出会えるはずなのだ。

 

今回は、そんな体験の大切さについて述べたいと思う。

 

 負けた時ほど得るものがある。悔し涙を流したその体験は無駄にはならない


負けた時ほど得るものがある。悔し涙を流したその体験は無駄にはならない

 

達成感が生む大きな感動

ヨットやカヌーの教え方は、私が子供の頃と大分様変わりしている。

私が初めてカヌーに乗ったのは小学校5年のとき。

どこかのおじさんが「こういう風に漕ぐんだぞ」と見本を見せてくれ、その後は砂浜から50mくらい沖に赤いブイを打って、「回って帰ってこい」というだけの教え?だった。

 

夏休みを毎日海で過ごしていた私は、海に対する怖さもなく、ただがむしゃらに漕いでブイを回って岸まで戻ってきた。そのとき、「上手いぞ!」と言われたことが、ものすごくうれしくて今でも記憶に残っている。幼いながら、達成感から得ることができた大きな感動だった。

 

それから40年、今の保護者はいきなり海や川などに連れていくことに不安を持つ人が多く、ヨットやカヌーを体験させるのにも、事前にプールで水慣れから行うことが多い。ヨットやカヌーの基本操作を教えながら、ライフジャケットの浮遊体験などをプールで行って子供たちに自信を持たせ、保護者の不安を取り除き、それからようやく自然のゲレンデへ連れ出す。保護者の気持ちを考えれば、このやり方もあり。大賛成だ。しかし、プールの体験だけで満足して終わることもあり、それではこの準備周到な「作戦」は報われない。

 

 プールでカヌーの基本やセルフレスキューを学ぶ子


プールでカヌーの基本やセルフレスキューを学ぶ子

 

出来なかった悔しさも大切だ

数年前のことだが、東京都江東区の河川を使って6月からの約4カ月間限定で、週一回のカヌー体験会を開催したことがあった。

 

毎週水曜日、小学生を中心に100人くらいの子供たちをカヌーに乗せ、9月に入ると活動のマンネリ化の防止と子供たちに刺激を与える目的で、「カヌー運動会」と銘打った草カヌーレースを実施。初心者に毛が生えたようなレベルでのカヌーレースだったため、転覆する選手や完走できない選手が続出したが、子供たちは喜んでいた。

 

その後、体験会の終了まで残すところ数回となったとき、たまにしか顔を出さなかった少年が急に毎回現れるようになって一人で黙々と漕ぎ続け、時には私たちスタッフに「どうやったらうまく漕げるのか」と質問してきた。

 

どうやら、先のカヌー運動会で自分の思うように漕げず、完走できなかった一人だった様子。その悔しさがバネとなって、少年の意欲を掻き立てたようだった。

 

すると、どうであろう。翌年にも同様の体験会を行うとその少年もやってきて、9月に運動会を実施すると、余裕で完走を達成した。

 

「勝負」もよし、「レクリエーション」もよし。日本の未来を担う子供たちを大自然に連れ出し、大自然と対峙したときのリスクや怖さをからだで覚え、友達と競い合って時には勝ち、時には負ける。まさに、この少年のような体験の繰り返しが人間を成長させてくれるものと信じている。

 

 負けた悔しさは新たな自分と出会えるきっかけとなる


負けた悔しさは新たな自分と出会えるきっかけとなる

 

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事業部 事業課 坂倉 一寿

2 コメント

  1. B&G全国指導者会 副会長 金久 博 より:

    見て、聞いて、体験して、感じる。まさに子どもたちは、目に映った人の姿・海や川辺の色、景色や物の形、体で直接感じた揺れや動き・風、耳で聞いた音、声などを幾久しく憶えているものでは無いでしょうか。小さいときに何度も体験することで親子や仲間と過ごすことの楽しさを心に持つようになればと思います。坂倉部長さん全国の指導員や関係する皆さんとともに未来を担う子供たちのために自然体験を進めていきましょう。

    • 坂倉 より:

      全指会金久副会長様
      コメントありがとうございました。
      これが私たち全指会の使命ではありませんか!

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