【第20回B&G全国教育長会議】財団人気事業の裏側
第二子となる長男の出産を経て、約1年半ぶりに5月より復職しました海洋センター・クラブ課の林です。
1歳児と4歳児を育てながらの毎日ですので、朝は膝の上に乗ってくる息子に化粧ポーチをひっくり返されながら身支度を整え、「お仕事行かないで〜」と泣く子ども達を保育園に預けます。時短勤務で仕事をして帰宅すると、「お腹空いた〜!眠い〜!」とまた泣く子ども達の口にぶどうを放り込みながら急いで夕飯を作り、食べさせ、お風呂に入れて寝かしつけ。
翌朝会社で通勤バッグを開けたら、ミニカーが入っているなんてこともありますし(笑)まさに怒涛の日々です。
財団人気事業を企画するにあたって
先日、私が責任者として企画・運営した「第20回B&G全国教育長会議」を開催し、無事盛会裏に終了することができました。
復職してすぐ担当することが決まり、その時点で決まっていたのは日付と会場と予算だけ。この事業は企画の段階で様々な角度でのリサーチが必要となるため社会勉強になるということに加え、比較的自由度が高く、ある程度担当者に裁量が任されているというのも、個人的にこの事業が好きな理由かもしれません。
まずはテーマを設定するにあたり、今、市町村教育長は何に悩んでいらっしゃるのだろう…というリサーチから始まりました。
年々参加される教育長の数が増え、参加者満足度も高く、まさに財団の人気事業でもあるこの会議。コロナ禍でも、対面開催の要望が非常に高かったことから、一度も途切れることなく今年20回目を迎えました。
参加される教育長の皆様のご期待に沿えるレベルまで質を高めるために肝となるのは、タイムリーなテーマの設定と講師の選定です。
「全国の教育長が『教育行政の今日的課題』を討議する会議」と位置付けて開催しておりますが、その課題は私たち財団職員の専門分野ではないことがほとんどです。そのため、教育関係の雑誌やその分野の第一人者と言われる方の新聞寄稿記事を読み込んだり、講師候補の方が出演されている動画を視聴したりしながら、テーマや講師を選定します。
また、単にその課題だけ取り扱えば良いのではなく、B&G海洋センターや当財団がそれにどう関わり、どんな役割を果たしていくのか等についても考え、事例発表自治体を選定したり、財団事業等を提案していく必要があります。
今回は、「部活動の地域移行」という、まさに今、すべての教育長が悩みながら取り組んでいらっしゃる課題ということで、「B&G全国教育長会議」の会長をお務め頂いている千葉県成田市の関川教育長にも、直接お電話で私共の考えた企画案についてご相談させて頂き、背中を押して頂きました。
今年の会議はチャレンジだらけ
私が既存事業を担当する際、「今まで通り」「去年と同じ」がとにかく嫌で、必ず何か新しい要素をプラスしないと気が済みません。
今回は、(1)現在進行形でまだ成功事例が極めて少ない課題を取り扱うこと、(2)始まったばかりで専門家と言われる方がまだ存在しないこと、(3)正解がひとつではなく地域の現状と課題によって様々な解決方法が考えられることなどから、従来の講演形式ではなく、複数の外部有識者を招いたシンポジウム形式に初めて挑戦しました。
それに伴い、会議に先立ち、全B&G所在383市町村の教育長対象に「部活動地域移行に関する現状調査」を実施。初めての試みとして、会議内で、307自治体から頂いた回答の分析結果をまとめ、発表することにしました。
よりインタラクティブ(双方向型)で、課題解決のためのヒントがたくさん提供できる会議にしたいと思いながらシンポジウムの構成やシナリオを書いたり、シンポジストの方々と幾度も打合せをしたり、たくさんの自治体に取り組み状況のヒアリングを行いました。それ以外にも会場担当者と打合せをしたり、記念品のデザインやレンタル備品の手配など、多岐に渡る準備も進めていましたが、実は本会議チームメンバーの2人が9月の1ヶ月、長期出張に行っていたために、一時期ほぼひとりで進めなくてはならず、本当に慌ただしく過ぎた準備期間でした。
ですが、結果としては、過去最多となる202名もの教育長にご参加を頂き、当日のご本人事後アンケートを見る限り、多くの方にご満足頂けたことで、すべて報われました!
本会議を成功に導いてくださったシンポジストや「B&G全国教育長会議」正副会長の皆様、ご自身の経験をもとにトップアスリートならではの心に響くメッセージで会議を締めて頂いた当財団評議員の谷川真理さん・理事の中村真衣さんなど、関係者の皆さまには心から感謝しています。
次は1月、年1回B&G所在自治体の首長・教育長が一同に会する全国サミットが700名超の規模で予定されており、担当責任者として現在鋭意準備中です。
全国からご参集頂く皆さまにご満足頂ける会議となるよう、財団役職員一同、細部に至るまでしっかり詰めてお迎えしたいと思います。
第20回B&G全国教育長会議 参加者アンケート<参考>
当日の教育長ご本人アンケートに記載されたご感想の一部を紹介致します!(抜粋)
来年度も、教育長の皆さまのご参加をお待ちしております!
●今回はどの自治体でも喫緊の課題としている問題について積極的に取り組んでいる自治体の事例発表を中心として、部活動の地域移行に関する基本的な考え方を今一度見直す機会とすることができました。
とりわけ、中心となる子ども達の声に耳を傾け、将来にわたって持続可能な取り組みはいかにあるべきか考えることこそ最も大切なことだと感じさせられました。
単に今ある部活動を地域に移行する、という考え方ではなく、子ども達が本当にやりたい活動を地域でできるようにしていくことこそ本来のあるべき姿ではないかと思いました。シンポジストの皆さんの発表をもっと聞きたい、質問したい、話し合いたい、と思えるような内容でした。
●今回のシンポジウムでの、シンポジストの皆様の発表が大変素晴らしく、それぞれの具体的で個性ある取り組みを伺うことができました。
このたびの会を企画、コーディネートされたB&G財団様の企画力に頭が下がり、流石だと感服いたしました。
正に、今知りたい、情報交換をしたい内容で、私ばかりでなく、すべての教育長様にとって、大きな収穫のある会議であったと思います。
トップのリーダーシップを発揮せずして現場の改革は無いと、心新たにしました。また、部活動の地域移行には、たくさんの困難もありますが、その先には明るい希望があるということも発見できました。
●大変有意義で問題提起型のシンポジウムであったと感謝いたします。これは貴財団でなければできない企画と規模感だと思いますので、重ねて感謝申し上げます。地域課題は異なりどれが正解ということのない問いへの挑戦であり、移行ありきではない、主役は子どもだという思いを新たにすることができ、心強く背中を押していただき帰途に着きました。
●大変充実した会でしたので来年以降も万難を排して参加したいと考えております。
●これほど質の高い研修を受ける機会は中々ありません。様々なご苦労はあることと推察いたしますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。