【B&G職員リレートーク】職場復帰を望むどの親も、子供を保育園に預け、働ける社会を願う
職員リレートークこんにちは。海洋センタークラブ課の鈴木です。
69,224人。
この数字が何だと思いますか?
これは2017年9月に発表された、2017年4月1日時点での隠れ待機児童の数です。
同時期の待機児童は26,081人であり、隠れ待機児童は2.6倍にもなります。
待機児童とは、認可保育施設に申請をしたが、入れなかった児童のことです。
自治体の認可外保育園に入っていたり、兄弟同じ特定の施設を希望していたり、保護者が育児休業中などの状況にある児童は含まれておらず、これが隠れ待機児童の正体です。
時代の変化への対応の遅れ
神奈川県在住の私の家庭は共働きです。妻が育児休業中の中、今年の4月から認可保育園への入所を目指し、第8希望までの記入欄のところ、第17希望まで欄外に記入し、申請をしました。
結果、不承諾通知が届き、すべての認可保育園に落ちました。
私の住む自治体の2017年4月時点での待機児童は0人となっていますが、隠れ待機児童は2,800人を超え、実態との差が指摘されています。
翌年度も認可保育園に入れるという見込みはなく、できることといえば、まず認可外保育園に入り、ポイントをあげることです。
保育園に入るために、保育園を探すという現実に向き合いながら、認可外保育園からの入園通知を待っています。
待機児童が増える原因には、女性が社会で活躍し共働きが増加、世帯の核家族化など様々な要素があります。
社会の変化に対して、子供を育てていくために必要な環境が追いついていません。
誰もが安心して子供を預けることが可能な環境がなければ、これから子供を得て育てていく親の不安感を拭うことはできない。
不安感拭うことができなければ、子供を望んでいる人の意欲も下がり、社会全体が負のスパイラルに陥っていくことになってしまいます。
先に述べた待機児童数が実態とかけ離れているため、2018年4月から新たな待機児童の定義に変更となり、全国で潜在的な待機児童が明らかになってきます。
待機児童の課題解決に、廃校になった学校などの公共施設の保育園としての活用やベビーシッター制度の日本での普及・促進、省庁の垣根を超えた対応、まったく新しい制度の導入などを実現できないでしょうか。
現代の子供を取り巻く「3S」
私自身、子供を持つ親になってわかったことがあります。
★子供を取り巻くライフイベントの頭文字をとった3つのS★
【1.授かること】
・高齢出産が増加し、先天性な障害を持つリスクが潜んでいる
・子供を授かるための不妊治療による金銭的、肉体的負担を強いられる
【2.育てること】
・子供ひとりあたり1,000万円の教育費が少なくともかかる
・世帯収入が少ないことを理由に子供を望まない選択をする人もいる
【3.職場復帰すること】
・保育園など預け先が見つからなければ、働きに出ることができない
・最悪の場合は、職を失うこともある
子供を授かるときから、再び職場に戻るまでに様々ハードルがあり、育てづらさを感じています。
世界に目を向けると、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)169のターゲットの中の一つに次のようなものがあります。
【4.質の高い教育をみんなに】のなかの項目4.2
2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、質の高い早期幼児の開発、ケア、および就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
これによるとすべての子供が就学前教育を受けられるように取り組むということです。
就学前教育を受けるには、誰もが安心して子供を預けられ、保育・教育を受けられる環境を整えることが必要であり、まったなしの状況です。
「子は宝」とよく言いますが、本当にそのとおりだと日々感じています。
今後、職場復帰を望むすべての親が、子供を預けて働くことができる環境整備を切に願うばかりです。