【B&G職員リレートーク】子育ての落選通知の無い社会へ


春爛漫、満開の桜の元で入学式や入園式が行われる新年度。式典のためにお洒落をした親子とすれ違うと、こちらもなんだかワクワクしてしまいます。

 

ただ、嬉しいことばかりではありません。先日の読売新聞一面には、「保育所落選5万3000人」の文字が踊りました。東京23区と全国20の政令市で少なくとも5万3000人が「落選通知」を受け取り、「落選率」は28.1%に上ったそうで、多くの保護者が保育所探しに苦労し、晴れやかに新年度を迎えられない現実があります。

 

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高まる保育所需要と薄れるお互いさま感覚

娘が保育園に入った5年前にも待機児童問題は深刻で、私も「落選通知」を受け取りました。さてこれからどうしようと途方に暮れた当時、この問題が解決してほしいと心から願ったものです。ただ、年々保育所の需要は高まっており、改善されるどころか、2年連続で待機児童数が増加して、ますます深刻化。政府が掲げた2017年度末に待機児童を解消するという目標も、残念ながら非常に厳しい状況のようです。

 

そんな中、地域住民の反対で保育園の開設が中止になるという待機児童解消とは逆行するニュースも耳にします。子供の声を巡るトラブルなどを不安視しての反対のようですが、隣近所の付き合いもあまりない環境の中では、子供の声は騒音となり、「お互いさま」の感覚は期待できないのかもしれません。

 

 

子供が成長しても自分事として考えたい

保育所の待機児童問題は、子供が成長していくため、当事者が当事者であり続けることはありません。「認可保育園に入れない」という悩みは、無認可保育園に数年通わせ、認可保育園に転園できれば、過去の話となっていきます。私も「落選通知」をもらった当初の落胆は相当なものでしたが、今では認可保育園に楽しく通うことが出来、当時の怒りも薄まりつつあります。

 

ただ、やはり、「落選通知」の心配のない、働きながら子育てしやすい国になってほしいです。そのためには、待機児童問題の当事者でなくなっても、また子供を持つ親でなくても、この問題に関心をもち、自分事として考えることが重要だと感じています。

 

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地域のB&Gから都市部へ波及させたい

全国471カ所にあるB&G海洋センターでは、地域の健康づくりの場に加え、地域コミュニティの拠点とする取り組みを推進しています。海洋センターを地域コミュニティの拠点とすることで、地域で子供を育てていくことが当たり前になったらいいなと思います。

 

そして海洋センターは東京都内にはありませんが、その取り組みが地方から都市部に波及して、保育園を建てる場所に困らず、希望する保育園に入れる日本になってほしいと願っています。

 

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地方創生部 子ども支援課 美濃越 香織

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