真相BGメン

朝日田常務理事インタビュー
地域の未来を支える指導者たち
― 今こそ若い人材を養成研修へ送り出してほしい ―
2026年01月16日

青少年の健全育成や地域の健康・コミュニティづくりの拠点として機能するB&G海洋センター。その活動の質を支えているのが、センター・インストラクターの存在だ。 センター・インストラクター養成研修(以下、養成研修)に込めた思いと、これからの展望について、朝日田常務理事(以下、朝日田)に聞いた。

朝日田常務理事

地域を動かす「人」を育てるために

― センター・インストラクターの役割について

朝日田:センター・インストラクターは、単に技術や知識を教える存在ではありません。海や水辺での自然体験の魅力を伝え、人と人をつなぎ、地域を動かしていく役割を担っています。
  近年、海洋センターに求められる役割は大きく広がっています。自然体験活動にとどまらず、防災拠点、郷土教育、地域交流の拠点として、その役割は多様化している。こうした変化の中で、指導者には、確かな知識や技能に加え、地域をまとめ、動かしていくためのリーダーシップや調整力が、これまで以上に求められています。

  • 地域住民による防災マップづくり

    地域住民による防災マップづくり

  • 地元の食材を使った料理教室

    地元の食材を使った料理教室

養成研修で育てたいのは「教える力」だけではない

― 養成研修で重視していること

朝日田:養成研修では、カヌーやヨットなどの実技指導だけでなく、安全管理や緊急時対応、地域イベントの企画・運営、チームマネジメントまで、現場で必要となる力を総合的に学びます。
  私たちが目指しているのは、「技術に長けた人」を育てることではありません。地域の未来を担う存在として、自ら考え、行動し、周囲を巻き込みながら地域に貢献できる人材を育てることです。実践的で現場に密着したカリキュラムを通じて、全国の海洋センターの質を底上げし、地域コミュニティを持続的に支える基盤を築いていきたいと考えています。

人は、仲間とともに大きく成長する

― 養成研修で研修生はどう変わるのか

朝日田:研修の初めは、自信がなく不安そうな表情をしている参加者も少なくありません。しかし、研修を終える頃には、堂々と指導に立つ姿へと変わっていきます。その成長を見るたびに、この研修の意義を実感します。
  養成研修では、学科や技能の習得に加え、指導実習やグループワークを多く取り入れています。仲間と意見を交わし、助け合いながら課題を乗り越える経験が、コミュニケーション力やリーダーシップを大きく育てます。こうした経験は、単なる技術習得にとどまらず、指導者として、地域の担い手としての土台をつくります。

実践的な経験は、コミュニケーション力やリーダーシップを育む大きな要素となり、研修生の着実な成長を支えている。

地元の小学生を対象とした指導実習

地元の小学生を対象とした指導実習

研修後も続く「成長の循環」

― 研修修了後の支援体制について

朝日田:研修を終えた後も、教官を務めた職員や全国の指導者ネットワークを通じて、現場で困ったときに相談できる体制を整えています。
  実際、研修を修了した指導者が、水辺の安全教育や環境保全活動、地域イベントの企画・運営などで、中心的な役割を担う事例は数多く見られます。
  こうした支援体制により、研修修了者は安心して成長を続けることができ、その結果、地域での活動も着実に活性化しています。こうした育成の循環が、海洋センターの地域への定着と、持続可能な活動基盤づくりにつながっています。

  • 水辺の安全教室の一コマ

    水辺の安全教室の一コマ

  • 海ごみゼロフェスティバル(海ごみに関する紙芝居)

    海ごみゼロフェスティバル(海ごみに関する紙芝居)

養成研修の“次の10年”を見据えて

― 今後の展望について

朝日田:これからの10年で、地域のニーズはさらに多様化していくでしょう。
  防災力の強化はその一つです。海や川は災害時にリスクを伴いますが、その特性を理解した指導者がいることは、地域の防災力向上に欠かせません。また、ICTの活用やオンライン研修の導入により、地域間の研修機会の平準化も進んでいます。
  若い世代の指導者が増え、地域スポーツや健康づくりなど、分野を越えて活動の幅を広げている姿は、とても心強く感じます。
  時代の変化に合わせて研修内容を進化させながら、より実践的で、地域に貢献できる人材を育て続けていきたいと思います。

養成研修は、単なるスキル習得の場ではなく、地域の担い手を育てる人材育成の場となっている。研修後もネットワークを活かした支援体制が整えられており、指導者は安心して活動を続けることができる。

人が育てば、地域が育つ

― 最後に伝えたいこと

朝日田:私たちが目指しているのは、単にスキルを持った人材を増やすことではありません。
  「人が育てば、地域が育つ」という信念のもと、地域の未来を切り拓く人材を育成することがB&G財団の使命だと考えています。
  自治体の首長や執行部の皆さまには、ぜひ若い人材を積極的に養成研修へ送り出していただきたいと思います。その一歩が、10年後の地域の力につながると、私たちは信じています。

  • 養成研修で行われるヨット実技

    養成研修で行われるヨット実技

  •  カヌー実技を通じて育まれる主体性とチームワーク

    カヌー実技を通じて育まれる主体性とチームワーク

センター・インストラクターの育成は、地域の未来を支える大切な取り組みだ。これからも多様なニーズに柔軟に対応し、地域とともに歩みながら、持続可能な地域づくりに貢献していく。

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