【B&G職員リレートーク】ますます進化するAI
職員リレートークこんにちは、広報課の仲田です。
今年3月、米国グーグル社の開発した囲碁AI「アルファー碁」が、世界トップクラスのプロ棋士に圧勝して、大きな話題となりました。
コンピュータに支配される時代が来るのか?
今、第3次の人工知能AI(Artificial Intelligence)ブームだそうですが、特徴はコンピュータのマシンパワーが充実したことで可能となった「ディープラーニング」(深層学習)です。
これまでのコンピュータとは違い、わざわざ人がルールを記述しなくても、コンピュータ自身が大量のデータから様々な特徴を見出すという技術です。何に着目すればよいかを教える必要がなく、どんな特徴を利用すれば識別できるのかを自動的に学ぶというものです。
これを聞いてすごいなと思うのと同時に、「いよいよ人間がコンピュータに支配されるのもそう遠くはないのかも」という不安もよぎります。よく、SF映画などで取り上げられるテーマで、便利なはずのコンピュータに、いずれ人類が征服されてしまうという話です。こんなに文明社会が進んでいいのかと思ってしまいます。
その一方、「いやいや、それはずっと先の話だ」と考える人もいるでしょうが、あることに特化した現在のAIから何でもこなす汎用AIに進化することにより、まず人はコンピュータに職を奪われるといわれています。
生産側はコンピュータにより効率化が進み、高効率な大量生産が可能となりますが、職を失った消費側の需要が落ち込み経済が回らなくなっていき、やがては最低賃金を保障する支給(ベーシック・インカム)制度ができるとも…。実際、早くも今年6月にスイスでは、この制度を巡って国民投票が行われ(結果は否決)、オランダやフィンランドでも労働者の生存権を巡る議論がされているというから、もうそこまで来ている問題なのです。
自然体験なくして「人の心」読めず
しかし、そもそも人が一生懸命AIを研究しているのは、人の生活が豊かに、幸せになるようにと願っているからです。事故が起こらないための自動運転は、障がい者や高齢者など弱者の味方であり、気象の予測などは大きな災害の防止に役立ちます。また、膨大な患者のカルテの分析結果は、病気の治療や予防に役立ち、多くの命を救えることでしょう。
AIの話題でよく言われるのが、コンピュータの暴走に備えた「非常停止ボタン」の必要性です。最後の最後は、しっかりと安全装置により人が守られるようにしておかなければならないというものです。しかし、AIに先回りされ「非常停止ボタン」を無効化されないようよく考えておかなければなりません。人とコンピュータの知恵比べです。
その点においては、コンピュータがいくら「ディープラーニング」で知能を磨いても、その大元をプログラムするのはやはり人なので、人がどう判断して基本設計するかが重要です。最後の頼みの「非常停止ボタン」をプログラムできるのは、「人の心」をよく理解している人だけだと思います。人の喜び、悲しみ、思い遣る心、この地球、宇宙の中で人間の存在はどういうものなのかを考え理解する人です。
では、そんな人を育てるのはどんな人たちなのでしょうか? 太古の時代から私たち人間は常に自然の摂理を受け入れながら生きてきました。その謙虚さを身につけた人たちこそが、次世代を担う子供たちを正しく導いてくれるのではないかと思います。
これから先予測されるIT人材の不足のため、2020年から小学校のプログラミング教育必修化が検討されています。ますます、子供たちの教育は自然、実体験から離れて行ってしまうように思いますが、今延べたことを念頭に、人々が共に生きる術、自然と共に生きる術を学ぶことの大切さは決して忘れてはいけません。
そのためにも、子供たちには自然を体験する機会をできるだけたくさん与えてやりたいと思います。いくらテクノロジーが発達しても人は一人では生きては行けない、自然なしでは生きては行けないからです。
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やッさんいいね。読み応えがあったよ