【B&G職員リレートーク】「幼児教育の無償化」の先にあるものは?地域の取組みが教えてくれるもの


いま、「幼児教育の無償化」がニュース等で賑わっています。

政府が「人づくり革命」のための2兆円政策の一環で、3~5歳で幼稚園と保育園に通う場合は、親の年収に関係なく支援の対象として国から約8千億円を拠出する、というもので、新たに無償化の対象になる子どもは200万人規模になると聞きます。

 

「子供たちのため」に限って言えば、誰もが教育を受けることができる社会は、理想的で大いに賛成です。

しかし、マスコミや評論家の指摘では、財源や平等性など様々な問題があるようです。衆院選の公約ということもあり、「政治のはなし?」と考えてしまうのは私だけでしょうか。

 

大分県豊後高田市「教育のまちづくり」の取組み

 

先日、大分県豊後高田市にお邪魔しました。国東半島の西側に位置し、人口23,000人ほどで、そのうち小中学生は約1,600人のまちです。

 

豊後高田市では「教育のまちづくり」施策として、「学びの21世紀塾」を2002年から開設。知育・徳育・体育のバランスの取れた教育システムとして、「いきいき寺子屋活動」(知育)、「わくわく体験活動」(徳育)、「のびのび放課後活動」(体育)を展開しています。

 

また、特別な支援を必要とする子供を対象とした「まなびのひろば」、市内在住・在学の高校生を対象とした「高校生のための学びの21世紀塾」も併せて運営しています。

 

「学びの21世紀塾」全体図(市提供資料より)

「学びの21世紀塾」全体図(市提供資料より)

 

とくに、「いきいき寺子屋活動」は、学習支援や英会話、パソコン等の教室がある「土曜日講座」、小学4年生以上を対象とした「放課後寺子屋講座」、ケーブルテレビを活用した「テレビ寺子屋講座」など6項目を実施しています。

 

2017年度は、86講座179教室が開設され、塾生がのべ2,732人。小中学生を対象とした土曜日の講座は8割が登録、中学1・2年生を対象とした水曜日の講座は、ほぼすべての中学1・2年生が登録しています。

 

また、指導者279人(教員159人、市民等120人)、ボランティア234人が登録。高校生サポーター20人程がボランティアとして指導するほか、留学経験のある主婦らが英会話を教え、教員も兼職扱いで得意な教科を教えます。

 

「地方と都会の間で、学習(教育)機会に差があってはならないし、まして経済的理由で受ける教育に差があってはならないという理念が中心にあります」と市担当者が話してくれました。まさに、地域社会と学校が協力した子供たちの居場所であり、学びの場であると驚かされます。

 

「学びの21世紀塾」講座数・塾生数(市提供資料より)

「学びの21世紀塾」講座数・塾生数(市提供資料より)

 

「教育の無償化」で終わってほしくない

 

「幼児教育の無償化」は待機児童問題の渦中にある保護者にとって、切実な問題であることは言うまでもありません。地域格差・経済格差による教育格差があってはならないし、格差をなくす施策を実行していくことが政治の役目かもしれません。

 

豊後高田市の事例は、小中学生の教育施策ですが、子供たちが何をどのように学ぶかを考えさせられます。

小中学校もいじめ、不登校、家庭や地域の教育力低下など、様々な教育問題を解決するため、家庭・学校・地域が一体となった学校運営を目指していると聞きます。

 

幼児教育推進の必要性は言うまでもありませんが、無償化で終わらず、人材・内容・財源など持続可能な仕組みを考える必要があります。そのための実践事例が、地域には数多く存在していると思います。

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企画部 企画課 朝日田 智昭

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