2023.12.26 UP 地域コミュニティ再生モデル事業 地域コミュニティ再生モデル事業「通学合宿」をやばすぽで実施(大分県中津市)
小中高生、大学生、地域の大人、それぞれがそれぞれの関わり方で交流する場
中津市耶馬溪B&G海洋センター(施設愛称:やばすぽ)で12月17日~19日、2泊3日の「通学合宿」を実施した。この合宿は、耶馬渓町内の小学3~6年生を対象とし、下郷・城井・津民小学校の3小学校から11人が参加。児童たちが親元を離れ海洋センターに宿泊し、他校や学年の異なる児童との団体生活の中で、食事の準備や掃除などを自分自身で行いながら、自立心・社会性・協調性を育むことを目的に行われている。また、本合宿は、B&G財団と中津市が連携して取り組む、地域活性化を目的とした「宿泊機能付加による過疎地域海洋センターの交流拠点化」事業の一環として行っている。
本事業では、ジュニアボランティアリーダーの中高生や、大学生ボランティアの存在が大きい。参加児童と寝食を共にし、子どもたちを優しくフォローしている。まさに憧れのお兄さんお姉さんだ。運営スタッフからの信頼も厚い。また、中津市食生活改善推進協議会の方々が食事のサポートなどで関わっており、子どもたちや学生ボランティアたちとの交流を楽しんでいる。
勉強もスポーツもみんなで楽しむ!
午後4時、続々と「やばすぽ」に児童が集まってきた。みんな若干緊張している様子。初めて顔を合わせる子、久しぶりの子などまちまちで、距離感を図りかねているように見えた。
全員集合したところで、開講式が始まった。冒頭、中津市耶馬渓支所長 上家しのぶ氏が「それぞれがそれぞれの立場で成長することを願っている」と挨拶。また来賓挨拶でB&G財団常務理事 朝日田智昭が「この合宿には多くの人が関わって成り立っている。その人たちへの感謝の気持ちを忘れず、2日間思いっきり楽しんでほしい」と述べた。
オリエンテーションでは、班に分かれ各自の役割分担を決めた後、改めて全員で自己紹介。まだ緊張の面持ちだったので、アイスブレイクのためレクリエーションを実施。打ち解けてきたころで夕飯の準備に取り掛かった。この日の夕食はみんな大好きカレー!中津市食生活改善推進協議会の方々の協力の下、おいしく出来上がった。夕食後はクリスマスケーキをみんなで作り舌鼓。一足早くクリスマス気分を味わった。就寝までの間、自由に遊び最後はモルック大会を行い、初日は幕を閉じた。
一日のはじまりはラジオ体操から
2日目、朝6時半起床。外はまだ日の出前で薄暗い中、寒さに負けず元気にラジオ体操を行った。朝食を済ませた後、送迎車で各学校へ登校。下校後は、宿題をしたり、バスケットボールをしたり思い思いに自由に遊び、体を思いっきり動かした。その後夕飯を済ませ、映画上映会を行い、就寝した。
人が集まる。だから楽しい、成長できる。
3日目、誰一人体調崩すことなく無事、起床。みんな元気に登校し、無事通学合宿は終了した。参加した子どもたちは「初めてモルックをやった。ここに来ると普段体験できないことができるので、すごく楽しい」「たまにしか会えない友達と、また会えて嬉しかった」などの声が聞かれた。
また、この事業にボランティアで参加していた大学生からは「教員を目指していて、この合宿に携わることで子どもたちとの接し方など、すごく勉強になる。自分の将来に役立っている」「定期的にボランティアで関わることで、様々な人たちとつながりを持つことができた。将来は地域に貢献する職業に就きたいと思うようになった」といった意見が寄せられ、学生ボランティアの学びの場にもなっている。
「宿泊機能付加による過疎地域海洋センターの交流拠点化」事業は、海洋センターに簡易宿泊所の機能を付加し、スポーツ合宿誘致やキャンプを活用した誘客促進、地域住民との交流促進などを通して、地域活性化を図ることを目的に2022度から実施。 体育館2階のサブアリーナに簡易ベッドや室内用テントを設置し、約50人が宿泊できる宿泊室に変更するとともに、可動間仕切りを設置し、宿泊がない場合には通常の体育館利用もできるように改修。1階には調理室、食堂、ランドリールーム、バリアフリートイレを設置したほか、宿泊者の利便性向上のため無線LANを設置している。