木のぬくもりに触れる隣接施設と連携したコミュニティの形成
地域コミュニティ「コミュニティ機能付加改修支援」~京都府京丹波町の取組み~
京都府の京丹波町和知B&G海洋センターは、山林が9割を占める町内を清らかな由良川が東西に通う自然豊かな地域にあります。
近年は衰退が見られるものの昔から林業が盛んな町ゆえ、2012年には西日本で唯一の林業大学が開校され、林業に対する取組みの充実を図っています。
また、由良川を利用したカヌーが盛んで、海洋センターのある和知地区の男性町職員のほとんどがカヌーを経験したことがあるそうです。
こうしたなかで、同海洋センターは2016年度の「コミュニティ機能付加改修支援」を活用してカヌー艇庫に机や椅子、ボルダリングウォールを設置。地域の人たちのさらなる利用拡大に力を入れています。
スポーツからスポーツ観光へ
丹波町和知地区のカヌー活動はフリーペーパーの「2016森の京都博公式ガイドブック夏号」にも大きくが取り上げられ、今夏は多くの利用者が訪れました。
また、B&G艇庫で活動している「和知カヌークラブ」は、1964年の東京オリンピックに出場した吉尾詔ニ氏がコーチを務めており、全国大会でも常に上位にくいこむ常連チームになっています。
また、町内を流れる由良川は国体のカヌー会場になったこともあるほか、自然豊かな環境にあるため、海洋センターではカヌーだけでない新たな活用方法を検討しています。その一助となるのが、今回の「コミュニティ機能付加改修支援」です。机や椅子を設置することで、艇庫に隣接する道の駅「和」や「わち山野草の森」といった施設で購入した軽食を食べつつ、美しい景色を楽しむことができます。また、ボルダリングウォールもあるので子供を遊ばせることもできます。
そのため、改修後には艇庫で休憩しながら周囲の景色を楽しんでもらうイベントを開催して、生まれ変わった海洋センターの周知に努めました。
ノルディックウォーキングは楽しい!
12月4日には「第2回京丹波町ノルディックウォーキング教室」が開催されたので、B&G財団からも私(櫻井)が参加してきました。定員いっぱいの参加者と一緒に4.7kmの距離を歩きましたが、ポールを使うことで膝への負担を軽減することができ、体重9●kgの私でも楽に歩くことが出来ました。
体力に不安がある人のためにショートカットコースも準備されましたが、みんなと一緒に会話や景色を眺めていると疲れも忘れてしまうため、誰一人としてこの短いコースを利用することなく、全員がレギュラーのコースを完歩することが出来ました。みんなで歩くって、いいですね!
参加者との会話の中で、
「こんないい撮影スポットがあったのは知らなかった。故郷の魅力を再発見できた」
という言葉があり、その時にこのイベントの素晴らしさを改めて感じました。
普段の生活では、何事にも速さが求められ、ゆっくり風景を楽しむことはありません。移動するときにも、都会なら電車、田舎なら車を利用するのが普通であり、歩いて移動することはほとんどないと思います。今回のイベントで、歩く速さだからこそ気づく景色があることを知りました。
また、地元住民が地元を歩くからこそ感じるものがあります。小学生の頃に通っていた通学路も、今では車で通り過ぎることはあっても歩くことはありません。そんな場所も、改めて歩くことで、子供の時と大人になった時の視点の違いによって新たな景色が見えてきます。まさに「故郷の魅力を再発見」です。
ノルディックウォーキング教室では、丘に上がり切ったところで小休止を挟んで景色を楽しみました。ここでショートカットコースの説明もありましたが、みなさんからは、「誰も使わないよ」などの声がありました
海洋センターがある自治体の多くは、都市部ではありません。しかし自然が豊かであるという魅力があります。自然の美しさを再認識するいい機会ですので、みなさんも海洋センターを休憩所として周囲を散策してみてはいかがでしょうか?
—————————————————————————–
B&G財団では、児童養護施設・ひとり親家庭の子供たちの体験活動へのご支援をお願いしています。
寄付の方法について 詳しくはこちら をご覧ください。
当財団に対するご寄付は一定の税制優遇の対象となります。