すぐに成果が表れた「子どもスポーツ塾」
地域コミュニティ「コミュニティ機能付加改修支援」~石川県志賀町の取組み~
北陸新幹線の開業で多くの観光客が訪れている石川県。朝の連続テレビ小説「まれ」でも話題になった能登半島の中央に位置する志賀町は、海や山に囲まれた自然豊かな場所にあります。
志賀町富来B&G海洋センターは自由設計で建設されたこともあり、ぱっと見、外観からは海洋センターらしさを感じません。また、2014年に大規模修繕を行い、温水プール、トレーニングジム、そしてサウナを備えた浴室などを整備したほか、安全かつ楽しく運動できるようにクッションフロアを施したスタジオを増設。とても充実した施設になっています。
そして今回、新たに「コミュニティ機能付加改修支援事業」を活用し、スタジオを使った幼児から高齢者の運動教室開催に伴う、跳び箱や鉄棒・ステップ台を購入しました。
掘り起こされた子供たちの潜在能力
みなさんは、小学生の時にマット運動や鉄棒の逆上がりなどで苦戦したことはありませんでしたか? 私は昔からマット運動が大の苦手でした。苦手意識を覚えてしまってからは、なかなか克服することができず、学校のマット運動の時間は今でも苦い思い出です…。学校の授業以外で、こっそり練習できる機会があればな…と思っていました。
すると、そんな子にとってはとてもうれしい取組みが、志賀町富来B&G海洋センターで開始されました。今回の「コミュニティ機能付加改修支援事業」で購入した備品を活用して「子どもスポーツ塾」を月2回開催し、マット運動や跳び箱、鉄棒などを教えてくれるようになったのです。私が視察に訪れた2月11日の「子どもスポーツ塾」では、参加した6名の小学校低学年生を対象に、鉄棒と跳び箱のレベルアップを図っていました。
インストラクターを務める西さんによる工夫をこらした熱心な指導のもと、短時間でメキメキと上達していく子供たち。その姿を見て、教室を見守っていたお母さん方も、我が子が持つ潜在能力の高さと成長のスピードの速さに、驚きを隠せないようでした。
最初は、幼児用の小さい跳び箱4段を飛ぶのが精一杯だった子供たち。何度も何度も失敗を繰り返して、それでもなお諦めずに挑戦していくうちに、とうとう全員が小学生用の跳び箱5段を飛ぶことに成功しました。中には8段をクリアする子も現れ、それまでの同塾の記録を更新しました!
海洋センターを町の拠点に!
同海洋センターでは、他にも保健福祉センターと連携とした地域住民の健康づくり事業に力を入れており、健康診断の結果が良くなかった受診者に対して、保健福祉センターの担当者から海洋センターの利用を促してもらっています。海洋センターの指導員が健診結果を受け取り、その人に合った運動プログラムやレッスンを提案。トレーニングジムの機材を利用したり、教室に参加したりして健康状態の改善を図っています。
また、海洋センターには地元企業の社員の利用も多く、社員を対象にした健康チェックや疲労回復に効果のあるスタジオプログラムを実施するなどして、地域で働く方々の運動習慣形成の場としての役割も担っています。
今回、志賀町富来B&G海洋センターを訪問して感じたことは、海洋センターが多世代が集まるコミュニティの場になっているということです。海洋センターのロビーには「子どもスポーツ塾」に参加した子供やその保護者だけでなく、スポーツジムを利用している高齢者やプールで毎日トレーニングに励む青年のスイマーなど、色々な世代が集まって交流を深めています。
今後、ますます海洋センターが地域のコミュニティの拠点となり、より住民の方々に愛される施設になっていくために、私たちB&G財団は各海洋センターの指導員のみなさんと一緒になって地域を盛り上げていきたいと思います!
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