2026年1月28日 第18回B&G全国サミットを開催

日本財団助成事業

全国351自治体から首長252人、副首長40人、教育長211人が出席

第18回B&G全国サミットを東京国際フォーラム(東京・千代田区)で開催した。全国45道府県から首長252人、副首長40人、教育長211人が参加した。
  「シビックプライド ~“推し自治体”になるためには~」をテーマに、日本財団 尾形武寿 会長による特別基調講演をはじめ、海洋センター所在自治体における地域資源活用や創出を通じたシビックプライド醸成の取り組みについて、先進的な事例発表や意見交換が行われた。
  会議では、人口減少や地域課題が深刻化する中、自治体の強みや魅力を生かした施策について共有され、出席者は今後の地域づくりに役立つヒントを得る機会となった。

全国サミットの様子
実施日 2026年1月23日(金)14:00~17:20
場所 東京国際フォーラム ホールB7
参加者 <全国351自治体>
・首長  252人
・副首長  40人
・教育長 211人
・随行者 242人
<日本財団>
・会長 尾形 武寿 氏
<B&G財団>
・会長   前田 康吉
・理事長  菅原 悟志
・常務理事 朝日田 智昭
・常務理事 岩井 正人
実施内容 一、開会
一、主催者挨拶
一、来賓挨拶
一、特別基調講演
一、正副会長挨拶
一、事例発表①
一、事例発表②
一、災害支援募金について
一、全国指導者会からのお願い
一、全国教育長会議の報告
一、優良海洋センター表彰
一、共同宣言
一、関連団体からの事業紹介
一、閉会

主催者挨拶

B&G財団会長の前田は、会議への出席に感謝の意を示すとともに、日頃の支援と協力に対して感謝の意を伝えた。
  社会構造の変化やグローバル化が進む中、日本の強みである「教育と人づくり」の重要性が高まっており、IT教育やデジタル人材育成が国策として進む一方で、地域社会の健全な発展は自治体にとって重要な課題となっていると指摘。「シビックプライドの醸成をテーマに、地域の求心力を高める取り組み事例を共有し、地域の持続的な発展の方策を見出す機会としたい」と述べた。

前田会長

前田会長

特別基調講演 「世相を語る」
日本財団会長 尾形 武寿 氏

ウクライナ避難民約2,000人を対象に、1人当たり年間100万円(世帯上限300万円、最長3年間)の生活支援と、入居時の家電購入費として60万円を提供。身元保証がある人を条件とし、安全性と実効性を重視した受け入れ体制を構築した。3年間の事業は完了し、支援を受けた方にアンケートを実施し帰国希望者と残留希望者の実態を把握した。
  ロシアによるウクライナ侵攻は長期化し、日本においても新たな安全保障上の課題が顕在化している。過去の歴史や東日本大震災の復興経験からは、長期的な視点と即効性のある政策を併せ持つことが重要だと分かっている。また、国際法の限界を踏まえた現実的な対応も求められる。災害復興や防災においては、高台移転や防波堤整備の限界を認識しつつ、地域の生活基盤との共生を考慮した対策が必要とされている。

尾形会長

尾形会長

さらに、政権運営や日中関係、民間交流の在り方を含め、国際情勢の緊張が高まる中でも対話と相互理解を維持する努力が不可欠である。ウクライナ情勢が示す最大の教訓は、自国防衛の備えと国際社会から信頼と支援を得られる体制を整えることの重要性であり、日本の安全保障においても、現実に即した冷静な検討が求められている。

  日本財団は創立50周年を機に重点分野を定め、子ども支援では虐待や貧困といった深刻な課題に向き合い、地域で子どもを育てる社会の再生を目指している。障害者支援では、就労継続支援B型事業所のデジタル化を進め、国会図書館業務などの仕事を全国に広げることで、就労機会の創出に取り組んでいる。
  高齢者分野では、多くの人が自宅で最期を迎えたいと願いながら、現実には病院で亡くなるケースが多い現状を踏まえ、住まいや医療の在り方を見直す必要性を提起している。また、将来の大規模災害に備え、防災・復興機材の全国的な備蓄事業にも着手した。さらに、造船業の復興や海洋環境の再生を通じて、豊かな海を取り戻し、日本文化の再生にも取り組んでいく。

正副会長挨拶

副会長/熊本県 南関町長 佐藤 安彦 氏
今回は私と長野県白馬村の丸山村長の二人で進行する。本町では旧温泉施設を改修し、昨年10月に九州有数の図書館「このみch-i」を開館した。名称は北原白秋の物語に由来し、訪れた際にはぜひ立ち寄ってほしいと話した。

副会長/長野県 白馬村長 丸山 俊郎 氏
本年も石山会長、佐藤副会長と共に本活動を全力で推進していくと述べ、間近に迫った冬季オリンピックには、本村から2名の選手が出場するため、応援をお願いしたいと話した。

※会長の福井県大野市長 石山志保 氏は別用務のため欠席となった。

  • 佐藤副会長

    佐藤副会長

  • 丸山副会長

    丸山副会長

事例発表①
資源を活用した取り組み
スポーツのまち磐田の「共創」によるシビックプライドの醸成
静岡県磐田市長 草地 博昭 氏

磐田市の大きな強みは、「スポーツのまち」というオンリーワンの特色である。ジュビロ磐田や静岡ブルーレヴズ、女子サッカーに加え、水谷隼選手・伊藤美誠選手といった五輪金メダリストを輩出するなど、全国的にも高い評価を受け、市のブランド力の中核を担っている。

  こうした強みを市民の誇りにつなげるため、磐田市では体験型の取り組みを重視している。年1回開催する「磐田メモリアルマラソン」をはじめ、大相撲磐田場所などを通じ、市内全体にスポーツを展開し、子どもたちに記憶に残る体験を届けている。

草地市長

草地市長

教育分野との連携も重要な柱である。小学生のジュビロ磐田ホームゲーム一斉観戦や中学生のラグビー観戦事業を実施し、教育委員会と連携しながら、子どもたちが地域の魅力に触れる機会を創出している。

  さらに、学校ごとに自由に使える予算を配分し、子どもたちが自ら考え、行動する主体性の育成を図っている。こうした取り組みを通じて、地域の担い手としての当事者意識を育み、将来、磐田に戻り、あるいは関わり続けたいと思える人材の育成につなげている。今後もこうした活動を通じて、将来につながるシビックプライドの醸成を進めていく。

事例発表②
資源を創出した取り組み
絵本がまちに与える希望を次代につなげていく
北海道剣淵町長 西岡 将晴 氏

剣淵町では、約35年前から「絵本の里づくり」を軸としたまちづくりを進めてきた。町内の海洋センターには体育館・プール・艇庫の3施設が整備されており、スポーツを通じた心身の育成と、絵本による心の育みを「まちづくりの両輪」として位置づけている。

  町の象徴的施設である「剣淵絵本の館」は、日本初の絵本専門図書館として22年前に誕生。卵をモチーフとしたドーナツ型の建築は「すべての始まり」を表現している。また昨年9月には「絵本の里条例」を制定し、町と地域への愛着と誇りを次代へ継承する理念を明文化した。

西岡町長

西岡町長

具体的な取り組みとして、新生児への絵本贈呈や学校・地域での読み聞かせ、街角図書や壁画、絵本ポストの設置など、絵本が身近にある環境づくりを進めている。寄贈絵本を活用した移動図書館「絵本キャラバン」は、北海道の全市町村を巡回することを目指して進められている。また、町独自の「絵本大賞」を通じて蔵書の充実にも力を入れている。

  今後は、海洋センターを核としたスポーツインフラと、絵本を中心とした「心のインフラ」を地域文化の象徴として位置づけ、国内外への情報発信を強化する。絵本関連施設としての機能を高めながら、小規模自治体としての持続可能な未来と、次世代への確実な継承を目指していく。

災害支援募金に関する報告とお願い

B&G財団常務理事の朝日田は、能登半島地震支援に全国のB&G関係者から約2,520万円の寄付が寄せられたと報告した。昨年12月までに13件の支援事業を実施し、能登地方から400人以上が参加した。事業を通じて、被災地の子どもや住民の笑顔の回復に貢献できたと感じていると述べた。

  また、能登半島地震、台風災害、西日本豪雨の支援金残高21,944,251円を繰り入れ、災害支援の継続的体制構築と今後の予期せぬ災害への備えとすることを提案し、出席者の拍手により承認された。

朝日田常務理事

朝日田常務理事

続いて、穴水町長の吉村光輝氏は、能登半島地震の支援に感謝を述べるとともに、今後も人的支援の継続が不可欠であると強調。被災地での支援活動を通じて防災の知見を深め、それを各自治体に共有していく必要性を訴えた。

吉村町長

吉村町長

全国指導者会からのお願い
B&G全国指導者会 会長、B&G財団評議員
青森県南部町長 工藤 祐直 氏

2026年度の指導者研修は年間2回、6月に沖縄県本部町、9月に鹿児島県天城町で開催する。指導者不足が事業に支障をきたすため、積極的な職員派遣をお願いしたい。 また、教育長や管理職からの声掛けにより指導者のモチベーション向上を図ることが重要だと強調した。
  2月25日には3年ぶりに全国指導者会総会が開催され、600人以上の参加を予定していることから、多くの関係者の参加に協力をお願いしたいと述べた。

工藤会長

工藤会長

全国教育長会議の報告
B&G全国教育長会議 会長
兵庫県養父市教育長 米田 規子 氏

昨年11月開催の第22回全国教育長会議では、「AI、SNS時代の国語力と人間形成」をテーマに基調講演や事例発表を行い協議した結果、全国教育長会議の提言として、

一.多様な学びと体験を通じて、情報化社会で生きるための国語力を育もう

を全会一致で採択したことを報告。この実現に向け、本日出席の首長、教育長にも賛同いただき、一丸となって推進していきたいと述べた。

米田会長

米田会長

優良海洋センター表彰

  • 受賞センター代表として、海陽町の三浦町長が表彰状を受け取る

    受賞センター代表として、海陽町の三浦町長が表彰状を受け取る

  • 受賞センターの記念撮影

    受賞センターの記念撮影

B&G全国サミット 共同宣言

最後に、第18回B&G全国サミットの共同宣言として、新たに「オンリーワン資源を地域の誇りに」が全会一致で採択された。

「オンリーワン資源を地域の誇りに」
 未来を担う子ども達をはじめ、誰もが地域に愛着や誇りをもって活躍してもらえるよう、その地域にしかない魅力の創出・普及に取り組もう。

閉会
シドニーオリンピック競泳 銀メダリスト
B&G財団理事
中村 真衣 氏

閉会にあたり中村氏は、少子高齢化や教育環境の変化で地域課題が深刻化し、市町村長や教育長の役割が重要になると述べた。また、今年は冬季オリンピックをはじめ国際スポーツ大会が続き、選手たちの活躍が多くの人に夢と希望を届けると指摘。「スポーツは地域振興や地域活性化に大きく貢献する」と強調し、B&G財団と共に多くの人に笑顔を届けていきたいと語った。

中村理事

中村理事

その他 会場の様子

  • 自治体派遣研修生の紹介
左:芝田 進之助(鹿児島県天城町より出向)
右:小笠原 航洋(北海道滝川市より出向)

    自治体派遣研修生の紹介
    左:芝田 進之助(鹿児島県天城町より出向)
    右:小笠原 航洋(北海道滝川市より出向)

  • 受付会場の様子

    受付会場の様子

  • 受付を行う出席者

    受付を行う出席者

  • 表彰パネルの前で一枚

    表彰パネルの前で一枚

 B&G全国サミットは「青少年の健全育成」と「地域活性化と地方創生」を推進すべく、全国の海洋センター所在自治体の首長はじめ執行部との連携強化・情報共有を図る最重要会議として毎年開催している。

これまで開催された「B&G全国サミット」