2022.03.11 UP 東日本大震災から11年 活動水面の震災がれきを撤去 亘理町B&G海洋センター艇庫(宮城県亘理町)
1981年に竣工した亘理町B&G海洋センター艇庫は、町内全ての小学校を対象に「海洋スポーツ体験学習」を実施するなど活発に活動していました。
2011年3月には、B&G財団の施設修繕助成を活用して艇庫脇に、温水シャワーを備えた更衣室棟が完成し、海洋スポーツシーズンの到来を心待ちにしていました。
しかし、3月11日 最大12.3mの津波が町を襲い、永年 地域住民に愛された艇庫も、完成したばかりの更衣室棟も全壊しました。
それでも、被害を免れた海洋センター体育館は震災後すぐに救援物資倉庫として利用され、プールは被害を受けた小中学校のプール授業を受け入れました。
さらに2012年からは、従来 艇庫で開催していた水上フェスティバルをプールで開催し、地域の子どもたちが海洋スポーツ・海に親しめる活動を続けてきたのです。
そして、2018年5月に国の災害復旧費とB&G財団の施設修繕助成を活用して新しい艇庫が完成し、地域住民を対象とした活動を再開しました。
2019年からはNPO法人海族DMCが艇庫運営業務を受託して、冬の寒さが厳しい東北の地で通年開館しています。
夏も冬も利用者の絶えない海洋スポーツ、愛犬とのカヌー体験、サイクリスト・バイカー・山好きを対象とした事業、さらにはラジコンカーまで、既存の枠に留まらない多彩な活動は、町内はもちろん町外からも多くの利用者を集め、多くのマスコミが取材に訪れています。
このように順風満帆・快走を続ける亘理町B&G海洋センター艇庫にも、震災の爪痕が残り、指導者や利用者を悩ませていました。
津波で湾内に流出した建物や車は、その後の災害復旧工事により取り除かれましたが、今も桟橋前の沖合約20mには電柱やH鋼が海底に残ったままとなっています。
桟橋前の舟が一番多く使うエリアに、干潮時には水面下数十cmにカキ殻に覆われた障害物があるため、舟の航行の妨げになるばかりでなく、落水した利用者が足を怪我することもありました。
そこでB&G財団の災害復旧修繕助成を受けて、今月専門業者による撤去作業が行われることとなりました。
震災から11年、まだまだ震災の爪痕は残されていますが、地元の皆さんの努力で一歩一歩 海は賑わいを取り戻しています。
B&G財団も微力ながら被災地復興のお手伝いを続けていきます。
NPO法人海族DMC 代表 太見 洋介 氏 コメント
私たちは、DMC(Destination Management Company)の名前のとおり、地域の山と海を線で結び、国内と海外のお客様に観光とアクティビティを提供したいと考えています。
今年はコロナ禍も安心・安全の運営を徹底し、体験学習や修学旅行を受け入れて参りました。SNSによる情報発信により全国の自治体や海外(台湾)からの視察対応にあたるなど更なる広がりに期待を抱きます。カヌーやサップ体験の「オンラインによる生配信」など新たな試みにも取り組んでおります。
震災では宮城の自宅が全壊し、福島の実家は放射線による風評被害を受けましたが、そういった経験を背景に、亘理の自然や人の素晴らしさを活かした地方創生を目指しています。
おかげさまで、年々亘理町の海に賑わいが戻ってきました。
今回、亘理町とB&G財団のお力添えをいただき、活動の障害物が撤去されます。
これでより多くの方に亘理の海を安心・安全に楽しんでもらえるよう頑張ります。
東日本大震災から復興に向かうB&G海洋センター
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