北海道積丹町の今【11月レポート】~海洋センターを活用した地域コミュニティの再生に関するモデル事業~


「地域コミュニティの再生・活性化事業」について、すっかり雪化粧した北海道積丹町の様子をお伝えします。

 

9月の記事でもご紹介した通り、積丹町では様々なコミュニティが生まれています。子育てサークル「アンドリークラブ」や漁師さんのサークル等、町全体でコミュニティが活性化していることを感じます。

 

今回も、モデル事業によって新たに生まれたコミュニティをご紹介したいと思います! ミーティングルームに導入したカラオケ機材と電子ピアノを使って活動を始めた、小学生対象の【放課後のB&G音楽クラブ】と、大人対象の【大人の混声B&G合唱クラブ】です。

 

 

放課後のB&G音楽クラブ

放課後のB&G音楽クラブは、小学生を対象に7月から11月末まで、概ね月2回で実施されています。また、クラブ員になれば練習日以外でもカラオケ機材を使って自主練習することもできます。

 

活動内容は、ボイストレーニング、ソルフェージュ(読譜、リズム感、呼吸、フレーズなどの音楽の基礎理論)、合唱、カラオケ等々。音楽の基礎を学びながら歌の練習をすることができます。子供の頃からこのような練習環境が整っているのは、うらやましい限りです。私の地元にも同じようなクラブがあれば、もう少し上手く歌えるようになっていたはず・・・(泣)。

 

積丹町には、学習塾や習い事をするところが少ないのですが、モデル事業によって他にはない特徴的な習い事ができるようになりました。将来、このクラブから歌手を目指す人が出てきたら嬉しいですね!

 

 ソルフェージュの時間、基礎は大事です


ソルフェージュの時間、基礎は大事です

 

ソルフェージュを学ぶことで楽譜を理解することができ、歌だけでなく楽器の演奏にも応用が利くそうです。音楽クラブという名前なので、歌だけでなく楽器にも挑戦していってほしいと思います。

 

 ボイストレーニング中、大きく口を開けて声を出します


ボイストレーニング中、大きく口を開けて声を出します

 

ボイストレーニングは大きく口を開けて声を出すとスッキリして気持ちいいのですが、まだ恥ずかしがっている子もいるみたいです(苦笑)。大きな声を出せるのも、カラオケ機材を導入した際に防音対策をしたおかげです。音楽室以外では、なかなか大声を出したり楽器を演奏したりする場所がないので、改修したミーティングルームは大活躍です。

 

 カラオケで歌ってみた! 学んだことを意識して上達へ向けてまっしぐら!!


カラオケで歌ってみた!
学んだことを意識して上達へ向けてまっしぐら!!

 

クラブでは送迎バスを運行しているので、遠くの友達とも出会うことができます。普段遊ぶ友達とはまた違った出会いがあり、友達の輪が広がっています。また、練習日以外でもカラオケ機材は使えるので、“ふらっ”ときて練習して帰ることもできます。子供の放課後の過ごし方に選択肢が増え、海洋センターの新しい利用につながりました。

 

 

大人の混声B&G合唱クラブ

次は大人のクラブ! 8月25日から11月12日まで、基本的に月2回実施されており、集まった皆さんは発声法を学びながら童謡や懐メロ等の合唱を練習しています。

 

クラブ員の多くは女性ですが、男性も少人数ながらおり、かろうじて混声合唱をすることができました。男性は人数の少なさを声の大きさでカバーして頑張っていただきたいです。

 

練習としては、まず合唱する際の声の出し方を思い出すところから始めます。若かりし頃を思い出して、元気になってもらいたいですね。

 

大人のクラブも送迎バス付きなので、交通機関を考えず、安心して参加いただけます。その安心感のままに新たな出会いを楽しんで友達の輪を広げていただきたいと思います。

 

 講師が声の出し方を説明しています。普段の歌い方とは異なる発声法になるので、最初のうちは少し大変です


講師が声の出し方を説明しています。普段の歌い方とは異なる発声法になるので、最初のうちは少し大変です

 

クラブ活動が始まってしばらくすると…

次の練習日まで待ちきれないクラブ員が自主的に海洋センターに集まって、皆で練習するようになりました! 合唱サークルの誕生です。練習で歌った歌を録音し、仲間同士で復習しています。歌うことに道具はいりませんから、気軽に取り組めるようですね。生きがいができたようで、皆さん活き活きと歌っています。

 

活動も終盤に差し掛かると、クラブ員からは「積丹町文化祭 芸能発表の部」への出演を望む声が聞こえてきました。文化祭は、町民が日頃の芸術文化活動の成果を発表し交流することを目的に年に一度開催されており、「芸能発表の部」では小学生から高齢者までがダンスや舞踊、詩吟、カラオケなどを大勢の観客の前で披露しています。

 

文化祭に出演したいというクラブ員の声を受け、講師も発表へ向けて本格的な指導をして下さいました。また、クラブ員からの要望に応え、自主練習用のカセットテープも制作。そのテープをもとに、クラブ員が海洋センターのミーティングルームへ自主的に集まってパート練習に励んだほか、文化祭前日には会場となる積丹町総合文化センターでのホール練習も行われ、準備万端、本番に備えました。

 

 総合文化センターホールで行われた前日練習


総合文化センターホールで行われた前日練習

 

こうして迎えた文化祭当日、クラブ員の面々は多少緊張気味ではありましたが、講師の指揮と伴奏者の演奏とともに「おぼろ月夜」「鞠と殿様」「紅葉」の3曲を見事に歌い上げました。会場に詰めかけた観客からは、割れんばかりの拍手が送られ、新たなコミュニティ活動の一端を披露することができました。

 

 衣装を揃えた文化祭本番


衣装を揃えた文化祭本番

 

今年度の活動は文化祭への出演で終了しましたが、クラブ員からは「講師先生の指導がすばらしく、文化祭で発表することができた」「今後も合唱を続けたい」「観客から、クラブに入りたいと声をかけられた」などの声が寄せられ、今後の活動にも大いに期待が持てそうです。

 

海洋センターに響く、ピアノや歌声。新たなコミュニティの花が、また一つ咲きました。

 

 

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事業部 事業課 櫻井 裕之
茨城県かすみがうら市 2016年度自治体派遣研修生

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