2022年 B&G山の日アンケート「山でやりたいこと」集計結果

• キャンプがダントツ1位！ でも、経験者は半数程度？ グランピングは30代と40代限定
• 2位登山、3位ハイキング・ピクニックを合算すると1位。 実施率も高く、真の1位は「山歩き」？
• 朝日⇔夕日、お弁当・おにぎり⇔海の家、山とコーヒー… 山と海に違いあり

3年ぶりに行動制限のない“コロナとの共存”が話題となった今夏、単刀直入に「山でやりたいこと」をアンケート調査しました。
　自由記述回答としたため、回答者の「生の声」が集まりました。集まった様々な回答は、「生の声」を活かしながら、集計用に58項目に分類しました。例えば、第2位「登山」と別に3位「ハイキング、ピクニック」、27位「トレイルランニング」を分けたり、7位「食用生物採集」と10位「飼育・観察用生物採集」を分けたりして、回答者の意思を反映しています。
　そして、「アマチュア無線」、「ツチノコ探し」など分類できない1件のみ回答が44件ありました。

総合1位「キャンプ」は、ダントツ614票の得票でした。しかし、投票理由を見ると「やったことがない」というワードが目立ち、キャンプ経験者は案外少ないのではないかと思いました。
　2位354票の「登山」は、「一生一度は富士山」、「やってみたい」というワードはありましたが、「コロナ前は」、「若い頃」というワードも多く、キャンプより経験者の比率は高いようです。また、3位273票「ハイキング、ピクニック」も同様に、経験者の比率は高いように思われました。
　“人気の「キャンプ」、愛好者の多い「山歩き（登山＋ハイキング）」”と言えそうです。 予想外のランクインは、8位「キャンプファイア」です。焚き火人気は予想していましたが、20年ほど前から“自然にローインパクト”の観点からキャンプファイアは“下火”になりました。
　最近はキャンプファイアをしても、“焚き火”程度の大きさで、昔日の「原始の情熱、火の祭り」を感じさせるものではありません。得票88票の内75票が60代以上の投票であり、「小学校の林間学校」、「高校時代クラブの仲間」というワードに、私も「ノスタルジー」を感じました。
　そして、うれしいランクインは、20位21票「ごみ拾い」、24位14票「登山道・森林整備、伐木」、38位5票「植樹・森づくり」です。山で遊ぶだけでなく、山を守る意識を感じました。

「山でやりたいこと」、「海でやりたいこと」の集計結果に、山と海の違いが表れました。
1・山の18位28票「朝日を見る、撮影、拝む」とある一方、海の16位50票「日光浴、日焼け」の“強い陽射し”と対をなすように、海の28位9票「夕日を見る、撮影、叫ぶ」となっています。 「山の朝日、海の夕日」のイメージには、「朝日を拝む、ご来光」というワードが示唆するように「山はカミの居場所」という日本人の意識が影響しているのかもしれません。
2・山の15位33票「コーヒー・お茶を飲む」とある一方、海の回答には「カフェ」というワードが2票あるだけで「コーヒー・お茶」というワードはありませんでした。 「山とコーヒー」の強いつながりは、山の清水・空気が関係するように思いますが、謎です。
3・山の15位33票「お弁当・おにぎりを食べる」とある一方、海の18位42票「海の家、カフェ、海鮮料理店などで飲食」となっています。「高尾山のお団子」、「清里高原のソフトクリーム」というお店を想定した回答はありましたが、18位28票「飯盒炊さん、キャンプめし作り」、29位10票「ラーメンを食べる」も、「お弁当・飯ごう飯・インスタントも山なら格別の味」なのでしょう。
4・山の24位14票「山は苦手」、海の38位4票「海は苦手」に注目すると、海は「溺れかかった」、「泳げない」という個人の理由に対し、山は、「ミカンの手入れで苦労した」という理由以外は「虫が嫌い」、「熊が恐い」という外的な理由でした。

全年代で「キャンプ」が1位となりました。年代別に得票を見ると「グランピング」12票の内11票は30代40代でした。一方「ソロキャンプ」44票の内19歳以下は0票となっています。まだ、“仲間と一緒にいたい”世代なのかもしれません。
　また、年代によって「食用生物採集」に大きな差が出てくると予想していました。山菜・タケノコ・キノコ獲りは「経験・習慣が重要」と考えていたためです。しかし、19歳以下7位3票、20代5位8票、30代6位21票、40代9位18票、50代6位18票、60代以上9位24票というように、年代による差は見られませんでした。日本の豊かな山は、食の恵みをもたらす場として日本人の生活に溶け込んでいる証拠だと感じられました。