事業内容を知る 障がい者スポーツ基盤整備事業

B&G財団ではこれまで、体験格差解消に向けて、全国各地の海洋センター・クラブと連携し、障がい児・者にマリンスポーツ体験機会を提供するほか、各種軽スポーツ教室を開催するなど、障がいの有無に関わらず誰もがスポーツに親しめる機会の創出に努めてきた。
 2024年度は、当財団に寄せられた「体験格差解消に向けた寄付金」を活用し、新たに10センター・クラブにおいて、「障がい者スポーツ基盤整備事業」を実施している。

2024年度実施センター一覧

No. 道府県名 海洋センター・クラブ名
1 北海道 大空町女満別海洋センター
2 北海道 砂川市海洋センター
3 青森県 平川市尾上海洋センター
4 埼玉県 嵐山町海洋センター
5 山梨県 山梨市牧丘海洋センター
6 山梨県 南アルプス市白根海洋センター
7 岡山県 井原市美星・井原海洋センター
8 広島県 東広島市黒瀬・安芸津海洋センター
9 徳島県 美波町由岐海洋センター
10 高知県 YASU海洋クラブ

活動レポート

今回は、大空町女満別B&G海洋センター(北海道)が実践した事例を紹介する。

■実施概要
・対象:町内障がい者福祉センター 知的障がい者(20代~70代)
・指導体制:海洋センタースタッフ3名および福祉センター職員
・頻度:毎月1~2回(約90分/回)
・内容:
 〇体育館スポーツ(ボッチャ、ラダーボール、バスケットボール、フラットサッカーなど)
 〇レクリエーション(段ボール橋渡し、ロケット飛ばしなど)
・心掛けていること:参加者はひとり一人興味・関心・障がいの種類/等級が異なるため、ひとつではなく、複数のプログラムを用意し、柔軟に対応すること

担当者の声

大空町女満別B&G海洋センター 長尾 美和 指導員
 正直、始める前は施設への協力依頼の電話をする際、適切な言葉選びや確認すべき事項が分からず、失礼になってしまわないかと不安でした。それほどに無知だったため、「本当にできるのだろうか」「うまくいくのだろうか」と心配していましたが、実際に始めてみると、皆さんが予想以上に楽しそうに参加してくださり、むしろ私たちが元気をいただいています。
 小さな町ならではの顔の見える関係を活かし、できることから一歩ずつ進めています。役所や施設といった枠組みにとらわれることなく、みんなで知恵を出し合いながら活動を広げていきたいと考えています。活動を始めてからは、参加者の方々との会話も自然と増え、つながりが深まっているのを実感しています。
 この活動を通じて、私たち自身の視野が広がりました。地元の障がい者施設でありながら、どのような方々が利用されているのかさえ知らなかったのです。私たちと同じように、普段は気づかずに過ごしている人も多いことでしょう。
 自分自身、勝手にハードルを上げてしまい、足踏みしてしまっていました。実際に一歩踏み出して関わってみることで、新しい出会いと気づきがあることを実感しています。
 この場を通じて、地域の方々とのつながりをさらに広げていきたいと考えています。運動だけでなく、BG塾の子どもたちとの交流も予定しており、このような機会を大切にしていきたいと思います。まだ小さな一歩かもしれませんが、この活動を通じて、様々なハンディキャップを持った方々やそのご家族の笑顔や安心が増えるような活動を広げていくきっかけにしていきたいと思います。

障がい者スポーツ基盤整備事業
本事業は、障がい児・者が多様なスポーツやレクリエーションを継続的に楽しめる環境を自治体の公共スポーツ施設であるB&G海洋センターに整えることで、地域の障がい児・者がスポーツやレクリエーションを楽しむことができる機会を創出し、心身の健全な発達を育むとともに、インクルーシブな社会の実現を推進することを目的としている。

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