海図プロジェクト 子どもゆめ基金

「海図を通して世界を知ろう~図書館で海図謎解き&使用済み海図でクラフト体験~ in横芝光町」を開催
2026年1月27日

独立行政法人 国立青少年教育振興機構

千葉県横芝光町の横芝光町立図書館にて、1月18日(日)、海図を通して世界を知ろう~図書館で海図謎解き&使用済み海図でクラフト体験~を開催した。
  本事業は、実際の「海図」を教材として活用しながら、子どもたちが海や地図への関心を高めつつ、読書活動へと自然に親しむことを目的に、「子どもゆめ基金」の助成事業として実施。
  今回活用した廃版海図は、実際の航海での使用可能期限を過ぎたもので、一般財団法人日本水路協会から無償で提供をいただいた。

実施日 2026年1月18日(日) 13:30~16:30
場所 横芝光町立図書館
参加者 横芝光町内の小学生
参加人数 20人
実施内容 ・講義「海図から深める海と世界」
(海上保安庁 海洋情報部 企画課 活用推進係 濱崎 翔五 氏)
・図書館内謎解き「海図から本を探せ」
・クラフト体験「廃版海図でバッグやうちわを作ろう」

初めに、主催者挨拶でB&G財団常務理事 岩井正人は「仲間と協力しながら、海図を手がかりに考え、楽しんでほしい」と参加した子どもたちに呼びかけた。また、図書館という場で実施する本事業について、実際に使われていた海図に触れ、調べる体験を通して、海や本を身近に感じてもらいたいと述べた。

講義「海図から深める海と世界」

講義では、海上保安庁が発行する海図や海図図式(海図の教科書)、地元・銚子港周辺の海図などを実際に手に取りながら、海図の役割や特徴について学んだ。海図は船が安全に航海するために欠かせないものであり、航路や港湾など、航海に特に重要な場所ほど詳しく描かれている点が、陸上の地図との大きな違いとして紹介された。
  また、世界中の船員が共通して利用できるよう、記号や表現が国際的に統一されていることや、水深や危険箇所など、海ならではの情報が多く盛り込まれていることも説明された。子どもたちは、身近な港の海図を通して、海図が海の安全を支える重要な役割を担っていることを知り、海や航海への理解を深めていた。

  • 海上保安庁 海洋情報部 企画課 活用推進係 濱崎 翔五 氏

    海上保安庁 海洋情報部 企画課 活用推進係 濱崎 翔五 氏

  • 海図に示されている記号を探す

    海図に示されている記号を探す

図書館内謎解き「海図から本を探せ」

謎解きでは、子どもたちはグループごとに行動し、宝の地図に見立てた海図を手がかりに課題に挑戦した。最初のステップでは、講義で学んだ海図記号の意味や読み取り方をもとに、4桁の暗証番号を導き出し、1つ目の宝箱を開けることを目指した。仲間同士で意見を出し合いながら、海図図式などと見比べて答えを探す姿が見られた。

  • 海図に記された問題を解く

    海図に記された問題を解く

  • 宝箱の中からは、次につながる図書館の地図が

    宝箱の中からは、次につながる図書館の地図が

続いて舞台を図書館に移し、次の謎に挑戦した。館内に設けられたポイントでは、文学作品や海に関する本を実際に手に取り、文章の中から答えとなる言葉を見つけ出す仕組みとなっている。例えば、夏目漱石の『坊ちゃん』を見つけ、「主人公が二階から飛び降りるきっかけとなった、同級生からの言葉は何か」といった問題に取り組み、該当する場面を読み進めながら答えを探していく。

  • 図書館内を探索

    図書館内を探索

  • 本を読んで答えを見つけ出す

    本を読んで答えを見つけ出す

すべての謎を解き明かすと、3桁の暗証番号を使って最終の宝箱を開ける場面を迎えた。海図と読書を手がかりに進める謎解きは、学びと遊びが一体となった体験となり、子どもたちにとって印象に残る時間となっていた。

最後の宝箱はあけられるのか・・

最後の宝箱はあけられるのか・・

クラフト体験「廃版海図でバッグやうちわを作ろう」

プログラムの締めくくりとして、廃版となった海図を活用したクラフト体験を行った。丈夫で張りのある海図は、航海での使用を前提に作られているため紙質が独特で、子どもたちは普段の工作とは異なる素材に触れながら制作を進めた。
  今回は、ハンドバッグに加えて、うちわ作りにも挑戦した。線や記号、色合いなどを見比べて自分の好みに合った海図を選んだり、シールで少しデコレーションを施したりと、それぞれの発想が作品に表れていた。
  完成した作品は持ち帰ることができ、役目を終えた海図が新たな形で生まれ変わる機会となった。

  • 海図に記された問題を解く

  • 宝箱の中からは、次につながる図書館の地図が

事業を終えて

事業終了後、子どもたちからは「海上保安庁の先生とお話しできて嬉しかった」「本を探すのが楽しかった」といった声が聞かれた。
  海図という普段あまり触れることのない題材をもとに、講義で学び、図書館で本を調べ、仲間と協力して課題に取り組む一連の体験は、読書活動への関心を高めるとともに、海をより身近に感じるきっかけとなったといえる。今後も本事業を通じて、学びと体験を結びつけながら、子どもたちが海や本に親しむ機会の創出を図っていきたい。

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