スペシャル 夢をつなげ!B&Gアスリート

No.028:白砂 匠庸目指すは東京パラリンピック出場!広島県北広島町出身のパラ陸上やり投げ選手
2019.04.23 UP

白砂 匠庸 目指すは東京パラリンピック出場!広島県北広島町出身のパラ陸上やり投げ選手

プロフィール 白砂 匠庸(しらまさ たくや)

1996年7月生まれ、広島県北広島町出身。
パラ陸上のやり投げで東京パラリンピック出場を目指すアスリート。
あいおいニッセイ同和損保所属
2歳の時に誤って草を細かくする農業用の機械に手を入れてしまう事故により左手関節から先を失う。
高校時代、陸上部の顧問の先生からの誘いで障がい者陸上を始める。
幼いころ北広島町大朝B&G海洋センターを利用。
結果 2017年 Fazza IPC Athletics選手権大会兼2017IPCグランプリ(ドバイ) やり投げ2位
2016年 アジア・オセアニア陸上選手権 やり投げ3位

パラ陸上とは

競技ルールはオリンピックとほぼ同じだが、対象とする障害が視覚障害や知的障障害、麻痺や四肢の欠損など多岐にわたるため、クラス分け制度を適用し、極力条件を揃え、公平にレースが行えるようにしている。トラック競技には短距離から中・長距離、リレー種目(4×100m、4×400m)など、フィールド競技には跳躍と投てきなどがある。跳躍競技には走高跳、走幅跳、三段跳があり、投てき競技には砲丸投、やり投げ、円盤投げに加え、パラリンピック独自の種目、こん棒投げがある。

前編:「走る」「投げる」「跳ぶ」やり投げはやることたくさん!?

- やり投げの魅力はなんでしょうか。 -

やり投げは「走る」・「投げる」・「跳ぶ」という陸上競技のすべての要素が集約されているところですかね!走って、止まって、その止まったブレーキを力に変えて投げるという競技で、練習は多岐にわたります。けがのリスクが高い競技でもありますが、練習をしていてやりがいのある競技だなって感じますね。あとはやった分距離が出るっていう競技でもあると思います。そういったところにも魅力を感じますね。

技術面では奥が深くて、体が少しブレただけでやりの飛び方が全然違います。あと手のリリースポイントや腕の振り方なども記録に大きく影響するので、一投一投すごく集中して考えながら投げています。

- 練習を行う上で苦労することはありますか。 -

やり投げは練習場所の確保が一番大変なんですよ。なかなか競技場自体が無くて。あと、一人で投げるのは非常に危険なんです。50メートル以上飛ぶので、万が一の事故が起きないよう周りに配慮する必要があります。幸い西条農業高校というところで、投てき専門の先生に教えていただきながら練習できています。

  • 大朝B&G海洋センター前にて

  • 練習の様子

大朝B&G海洋センターで取材させていただき、練習の一部を見せていただきました。

 

- 北広島町大朝B&G海洋センターはよく利用されていたんですか。 -

小学生の時はよくプールで遊んでいましたね。中学生の時は体育館で友達とバスケやバドミントンなどをしていました。あとよく2階で卓球もしていましたね。

- 小さい頃はどんな子どもでしたか。 -

外遊びが好きな子どもでしたね。あと神楽っていのうがあって、この地域で盛んな伝統芸能なんですけど、それもよくやっていましたね。今もしてますけど(笑)

- 陸上を始めたきっかけは何ですか。 -

実は中学生の頃は、卓球部だったんです。私の通う中学には陸上部がなかったんですけど、郡の陸上競技大会に半ば強制的に出場する機会がありまして(笑)種目は走り幅跳びで出場しました。いざ大会に向けて練習してみたら案外距離も延びるし、やっていて楽しいなと思って高校で陸上部に入部しました。当時は砲丸と走り幅跳びの2種目をやっていて健常者の大会に出ていましたね。高校3年生の時に参加した障がい者陸上大会の砲丸投げで優勝して、そこから本格的に障害者スポーツを始めて、現在はやり投げをメインに行っています。

競技の様子

競技の様子 この一瞬に陸上競技のすべての要素が集約されていると話す白砂選手

- 競技におけるご自身の強みはなんでしょうか。 -

「走力を生かした投げ」ですね。やり投げを始めて3、4年ぐらいたちますけど、助走スピードを投げる力に伝えることを意識しながら練習してきました。その練習の成果が表れ始めています。あとは海外の選手に引けを取らないパワーも身についてきたことも実感していますね。

-ご自身の今後に向けた課題があれば教えてください。 -

左右のバランスが一番の課題ですね。このバランスが悪いと体がぶれてうまくやりが飛ばないんです。私は左手首から先がないので、日常生活で左手をあまり使わないんですよね。

そうするとどうしても左右のバランスに差が出てしまうんです。腕の太さも右と左でだいぶ差がありましたね。今はバランスを意識して筋力トレーニングなどを行っているので整ってきてはいますけどまだまだですね。

※後編に続きます

(文:中村 克也

後編:周りの支えを力に変えて、躍進誓う

北広島町大朝B&G海洋センター

海洋センター(体育館・プール)は,大朝地域の中央部,主要地方道浜田八重可部線から川を挟んで対岸にあります。テニスコート(夜間照明付),野球場,研修宿泊センター「グリーンヒルおおあさ」の施設を備えた大朝運動公園内にあり,周辺にはふれあいの森(バンガロー,屋根付多目的広場「クローバードーム」等)もあります。